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(新)幼馴染と行く異世界転生~亜人を保護しましょう~  作者: 春風
第4章.魔物編 不思議な縁の魔物達
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9.戦闘、吹雪豹

 ハーピィと赤い鳥の魔物を保護した俺は、一旦クリカトル学園の家まで【転移(テレポート)】で全員で移動した。


 連れて行こうとする際赤い鳥が抵抗したが、鳥程度にどうにか出来るほど軟じゃないので無理やりにでも連れて行った。

 寧ろ、赤い鳥も栄養失調気味で弱っていたので問答無用だ。



 寮に戻って直ぐ、弱っているハーピィでも食べられるような物をシロに作ってもらう。


 その間、ハーピィはリビングのソファで寝かせておく。

 赤い鳥は、ハーピィにくっついたままだ。




「ていうか、この赤い鳥の魔物は何なんだろうか?」


 少し落ち着いた俺は、ずっと気になっていた事を口にする。

 この鳥、明かに『普通の鳥の魔物』と括れない煌びやかさを持ってるんだよな。


「あら、この子凄いわぁ」


 赤い鳥を目を光らせながら、母さんがそう呟く。

 感動してるように見えるが、正しくは『【鑑定(アナライズ)】してる』が正解だが。


「それで、この鳥の何が凄いの?」

「種族よ」

「種族?」


 気になったので母さんに聞いてみると、そう返答される。

 竜や精霊、神狼(フェンリル)とか見慣れている母さんでも凄いと感じる種族ってなんだ?




「この子、不死鳥(フェニックス)だわぁ」


「マジで!?」




 言い伝え上の生き物じゃないか………!そんな生き物が、こんなポロっと出て来る事に驚きを隠せねぇよ………。

 不死鳥(フェニックス)に比べたら霞むが、ハーピィだって希少種だ。今時、王都のオークションクラスの集まりじゃないと見かけられない魔物だ。

 そんな魔物二匹をこうやって保護できたのは、俺の寝覚め的に最善だった。


 これもLUK:Sの成せる業か。もしくは、女性の不幸に強制的に巻き込まれていく【女群集の王(ハーレムキング)】の効果か。

 ………両方だろうな。完全に俺、トラブルバキューム化してるね。





 その後、シロ特製『胃に優しい薬草粥』を二匹?二羽?に食べさせる。


 このお粥の何が凄いって、ポーションの原料である薬草を使っているのにまずくないんだよ。ポーション滅茶苦茶苦いのに。そして、しっかりとHPもちゃんと回復できるのだ。

 素晴らしい病人食だ。

 シロのメイドレベルは本当に高いなぁ。



 ハーピィには、俺が食べさせてあげている。

 流石に羽じゃスプーン持てないもんね。


「ふー、ふー………。ほい、これでどうだ?」

「キュィィ」

「おお、ちゃんと食えるならまだマシだな。旨いか?」

「キュ?」

「はは、流石にそこまではまだ分かんねぇか」


 ちゃんと冷ましてやれば、喜んで食べてくれるので、どんどん食べさせてあげる。

 そうやってハーピィにばっかり食べさせていると、赤い鳥に左腕をめっちゃ突っつかれた。


「ピピピピピピピピピ!」


「ちょっ、痛、待っ、そっちは、あっ、お椀持ってるから、ちょっ、マジで、ストップぅ!?」


 俺が止める様に言うと、突っつき攻撃が止まったので赤い鳥の方を振り向くと、嘴を空けてこっちを見ていた。


「………お前も食わせろと?」

「ピィ」

「ほいほい、構わねぇよ。動くなよー?」


 嘴から零さない様に慎重に、冷ましたお粥を流す。お粥だし、すり潰さなくても大丈夫だろう。


「キュイッキュイッ!」

「ピィッピィッ!」


「あぁ、分かった!ちょっと待て!交互にあげるからぁ!?」


 水色の両腕?両羽?をバサバサと仰ぎ、自分もまだ食べたいとアピールするハーピィ。それに対抗して、お代わりをねだる不死鳥(フェニックス)

 まるで、親鳥に餌を強請る雛の様だ。


 俺は、そんな2羽にお粥が無くなるまで与え続けた。





 そして、お腹いっぱいになったのかソファで寛ぐ二匹に、俺は話しかける。


「なぁ」

「キュィ?」

「ピィ?」



「俺の仲間にならないか?」



 色々誘い文句を考えるのがめんどくさかったので、直球勝負だ。





 ちなみにだが、前に連れてきたゴブリンは修学旅行前に目を覚ましており、既に【血の眷属(ブラッドファミリア)】に入っている。



 名前は『シトラス』。ゴブリンにしては明るい肌の色から連想した。



 眷属化してステータスを見た所、種族が何とゴブリンのレア種の『ゴブリンヒーラー』だった。

 魔物なのに【回復魔法】が使えるという、魔物の中でも珍しい性能をした種族だ。


 性別は♀でした。

 だからかは分からないが、可愛い物が好きみたいだったので眷属化の際には、俺と鍛冶精霊が趣味全開で魔改造した女の子っぽいステッキ『魔法少女の杖(マジカル☆ロッド)』をプレゼントしている。


 因みに『魔法少女の杖(マジカル☆ロッド)』の性能はこんな感じだ。


・【回復魔法】のスキルレベルをLv.1上昇させる。

・振り回すと、星やプリズムといったエフェクトが出て来る。回せば回すほど、キラキラするし範囲も広がる。星には当たり判定あり。

・普段はストラップサイズに小さく出来る。

・杖の先端に光り輝く宝石が付いていて、そこから1対の天使の羽をイメージしたモチーフが付いている。

・魔法を発動させると、宝石が光る。


 浪漫を全力で込めた素晴らしいステッキが出来たと思っている。

 シトラスもとても気に入ったようで、暇さえあればグルグル振り回す練習をしている。



 眷属スキルは【拡信仰(ハードフェース)】。

 『俺への信仰心が強ければ強いほど魔法の効果範囲が拡大する』『拡張時にはMPが増加しない』というスキルだ。

 まぁ、ゴブリンには魔法適性が全く無いので、持ち前の【回復魔法】しか使い道は無いが、俺以外の回復士(ヒーラー)が欲しかったので、十分だろう。


 ていうか眷属化の時、薄っすらと黄緑がかった肌色で、エルフより短いが尖った耳をして、修道服を着た美女シスターが出てきたんだけど、あの人マジでシトラスなの?

 修道服なのに太ももには深いスリットが入っていたり、はち切れそうな母性の象徴(爆乳)を持っていたりしてて、アレでシスターは無理があると(ry

 ただ、あの見た目で『魔法少女の杖(マジカル☆ロッド)』を振り回すって考えたら、何か、こう、クるモノがあるよね。





 まぁそんな感じで、この二人にも【血の眷属(ブラッドファミリア)】に入ってもらいたいと思っている。

 折角、保護したんだ。このまま回復したからサヨナラは後味が悪いしな。



 『ご飯が3食付いてくるぞ!』と2羽にお願いしてみると、2羽とも即答で頷いてくれた。

 完全に餌付けしてしまったな。


 ハーピィを『ラピス』、不死鳥(フェニックス)を『ルビィ』と名付けました。


 今回は【従属(テイム)】のみで、眷属化はもう少ししてから行う予定だ。

 だって今眷属化したら、この二人の面倒を見れる人材が寮にいないんでね。帰って来次第眷属化するつもりだ。それまでは、魔力に変換して俺と一緒に来てもらう事にした。









 さて、戻ってきましてフレディ。


 ただいまの時刻は、修学旅行二日目の夜中。



 俺は今、山脈まで一人で来ていた。



 理由としては、噂の『白いアラクネ』を探そうと思う。

 だって、山脈登ってすらいないのにハーピィと不死鳥(フェニックス)を見つけたのだ。今の俺なら、アラクネだって見つけられる気がする。

 後、夜に動いた理由は、一人で動きたかったからだ。

 なんせ山脈は、『敵が強い』というより『環境がきつい』の方が上回る。この環境はシロにはきついだろう。その点、俺にはあのガスマスクとローブがあるので大丈夫だ。


 という訳で、一人で来てみたのだが………。



 想像以上に寒かった。



 『環境無効化』のガスマスクとローブを着てても若干感じる肌寒さ。吹き荒れる吹雪や常に覆われた黒雲により視界が悪い事に加え、足元も雪に覆われて移動しずらい。


 この環境マジでやばい。


 コレ、普通の装備じゃ絶対無理だろ。ていうか、簡単に凍死してしまうだろう。精霊装備万々歳だ。やはり、こんだけの装備を組めて俺と趣味の合う鍛冶精霊は、是非とも眷属に入って欲しい。




 そしてそんな悪天候の中、この環境に適応した魔物が容赦無く襲ってくる。




 現在も戦闘中である。





 吹雪に覆われた視界の中、遠くから一瞬の輝きが見えた。



「くっ、オラァッ!」



 俺はその直線状に向かって、【王覇(オーラ)】を纏った右ストレートを打ち込む。

 その瞬間、棒状の飛来物が飛んで来て、俺の右腕の鱗とぶつかり合い、激しい金属音を立てて弾く。



 俺は、今の場所から一歩も動けないまま、この謎の飛来物にずっと襲われて続けている。



 吹雪で視界が悪く敵の正体が全く分からないので、先ほどから【魔力探知(サーチ)】を使おうとしているのだが、発動しようとするたびに飛来物が飛んでくる。この飛来物がかなりの速度を持っているせいで、それの対処の為に【魔力探知(サーチ)】が使えないのが現状だ。

 また、飛来物は何もしていなくても飛んでくるので、気を抜く事も出来ない。

 更に、飛来物は周囲360°全ての方向から飛んでくる。恐らく、集団か常に移動し続けているのだろうが、視界が悪すぎてそれすらも分からない。





 悪環境に適応した魔物がこうも強いとは………!





 既に【竜装(ドラゴニュート)】を発動して、両腕による飛来物の撃退を可能にしているが、正直このままでは、ジリ貧だろう。


 こうなったら………。



『リボル、今行けるか!?』




 みんな大好き、脳筋兵法で突破しようと思う。




『えぇ、いけるわよ!って、こんな時間にどうしたのよ?』

『少しピンチなんだわ、【召喚(サモン)】したら即座に【精霊憑依(フュージョン)】を使ってほしい』

『それ、ホントに少しピンチって段階なの!?』

『いいから!行くぞ!』



 敵は恐らく、魔力に反応していると思われる。

 だから、【召喚(サモン)】からの流れは即座に行う必要がある。



「【召喚(サモン)】、『リボル』ッ!」



 俺の後ろに召喚陣を作成が作成される。


 即座に俺は、両腕に【王覇(オーラ)】を纏う。




 その瞬間、左側が一瞬光る。




「そこだッ、【閃手(ドロー)】ッ!」



 咄嗟に発動した【閃手(ドロー)】により、左腕の義手に電撃が発生する。そして、豪速で振り抜かれた左腕によって、飛来物を弾き飛ばす。


 それとほぼ同タイミングで、リボルが召喚される。


「来たわ!って、キャッ!?寒すぎるわよ!?」


 【召喚(サモン)】されたリボルは、突然の吹雪に襲われて悲鳴を上げる。


「いいから、早く!」


『文句は後で言うからね!?』

「【精霊憑依(フュージョン)】ッ!」


 俺にせっつかれて、【精霊憑依(フュージョン)】を発動させる。

 てかまた、スキルより前に【眷属念話(クランコール)】で文句を飛ばしてる。



 リボルと一体化した俺は、即座に【魔力遮断(シャットダウン)】を発動させる。



 いくらリボル一人とはいえ、この膨大な魔力を抑え込むのはかなりきついッ!



『リボル、前考えてたアレやるぞ!』

『えっ、本気!?』

『あぁ、マジだ』

『いいわね!それは私も見てみたかったのよ!』

『良し、行くぞ!出力全開!』

『【充填(ブースト)】ッ!』





 前々から、俺とリボルで考えていた事がある。



 魔力を溜められるだけ溜めて、それをシンプルに【魔力爆発(バースト)】させたらどうなるか。


 『飛ばす』とか『術形成』とかに無駄な魔力を一切使わず、ただ全てを『爆発』に込めたらどうなるか。



 俺ら二人共思考が脳筋寄りなので、そんな事を話した事がある。


 それを、丁度いい機会なので試してみるのだ。





『倍プッシュだ!』

『【充填(ブースト)】ッ!』



 リボルに指示して、どんどん体内に魔力を溜めていく。



『更に倍!』

充填(ブースト)】ッ!



 もう、これ以上は無理ッ!



 今にもはち切れそうな魔力を、全てリボルの『電撃』に変換する。


 技名は、既にリボルと夜中のテンションで決めてある。



『リボル、見てろッ!これが最大火力の雷だ!』





「【爆裂轟雷エクスプロージョンスパーク】ッ!」









 その日、山脈から眩いほどの輝きを持った光が、突然発生した。



 何事かと、麓の人々がそちらを向いた瞬間。





 落雷よりも何十倍も激しい轟音が連続して山の麓まで轟いた。





 それにより、麓は大騒ぎになるが、それはまた別の話。









「………やり過ぎたな」

『………えぇ』



 俺とリボルは、そう零す。


 完全に呆然としていた。




 辺り一面に降り積もっていた積雪は吹雪ごと消し飛び、黒雲も木漏れ日が差すほどに所々穴が開いている。

 




 環境、消し飛ばしちゃった………。





 辺りを見渡していると、近くに沢山のドロップアイテムが落ちていた。


 近寄って拾ってみる。



吹雪豹(ストームパンサー)の毛皮』

吹雪豹(ストームパンサー)の剛爪』

吹雪豹(ストームパンサー)の氷結牙』

吹雪豹(ストームパンサー)の尻尾』

吹雪豹(ストームパンサー)の瑠璃眼』


 これらの素材が至る所に落ちていた。



 どうやら、吹雪豹(ストームパンサー)という豹の集団に襲われていたみたいだ。

 元の世界では群れる事の無い豹だが、この世界では群れている種類もいるようだ。恐ろしい。


 素材の数を見た感じ、『瑠璃眼』が一番のレアドロップの様で、その次に尻尾、氷結牙と続く。毛皮と剛爪はノーマルドロップの様だ。


 『瑠璃眼』は、物凄く綺麗な宝石の様な石だ。これはかなり高価な素材だろう。

 『尻尾』は、1mほどの長さで、淡い水色の毛皮に覆われていた。『毛皮』も同じ色で、周辺の環境に対して保護色になっていた。

 『氷結牙』は、50cmほどの大きな藍色の牙だ。これもいい素材になりそうだな。

 『剛爪』は30cmほどの爪にしてはかなり長いサイズだった。




 これは、武器や防具の構想が捗りますねぇ!




 といった感じで、俺自身は今かなりワクワクしている。



 が、実は俺の視界の隅に、それどころでは無いとある存在が見えている。





 灰色がかった雪の様な色をした髪で、真っ赤な色の両眼を持ち、女性の中でもキリっとした鋭利な顔つきの美女が、大きい岩の陰からこっちをじっと見ていた。



 その美女が顔を出している大きい岩の反対側。





 そこから、白いフサフサした毛の生えた蜘蛛の胴体も見えている。





 俺の目的の『白のアラクネ』だった。


 やっぱりいました。

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