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(新)幼馴染と行く異世界転生~亜人を保護しましょう~  作者: 春風
第2章.学園編 俺と学園とドラゴン
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9.提案、留年対策と急報とまた対策

少し短めです。

 俺の頼みごとをクリス先生に伝えた次の日の昼。


 早速お願いを聞いてもらっている。





 学園の図書館の一角。


 椅子に座る俺とシロ。


 俺らの前に立つクリス先生。



「………いやこれでは何も変わらないじゃないか」



 そう言いながら、クリス先生は俺に不満げな目線を向ける。



 俺がクリス先生に頼んだ事は、『補習という形で昼の時間に授業をしてほしい』というものだ。


 確かにこれまでと変わってないように見えるだろう。


 それにしても、クリス先生にとってみれば変わらない方がいいでしょうに、何でそんな目線を向けるのですか。

 自分から弱みを見せてきた時も思ったが、もしかしてクリス先生はMか?Mなのか?


「大丈夫です、ちゃんと前とは違いますから」


 そう、ちゃんと前とは違うのだ。


「ちゃんと『クリス先生の補習』という建前が出来てますから」



 この一月で、俺とシロの成績はかなり落ちている。


 昼の選択授業に殆ど参加してなければ当然の話だ。

 正直な事を言うと、そろそろ進級が危ぶまれるレベルになりそうだった。


 この学園は腐っても大陸一の学園。

 生半可な生徒を出す事は許されない。

 だから『授業を受けない』といった意欲の見られない生徒に対する成績の付け方は特にシビアだ。


 だが『補習』と言う形であれば、先生がちゃんと付く授業の一つとしてカウントされる。


 その為、授業出席の扱いにはなるので、成績はそこまで引かれないのだ。

 その教師役を、常時フリーなクリス先生にお願いしたのだ。


「それはちゃんと分かっているよ………。だが、その話を上司に持ち出したらすごい嫌そうな顔をされてね………。それからの職員室での私の扱いと言ったら………」


 碌な扱いを受けてないのはわかりました。

 だから、そこで少し頬を赤らめるのはやめていただきたい。

 『真面目で優しい先生』という俺の概念がボロボロと崩れていくんですよ。




 そんな感じで始まった補習。


 その途中の雑談中の事。



「そういえば、お前らの出身はガルザード帝国か?」

「ッ!?」


 唐突なクリス先生の質問に、俺は思わず動揺を隠しきれなかった。

 何でその事を!?


「な、何で急に出身を聞いてきたんです………?」


 出来る限り動揺しているのを隠して、クリス先生に質問の意図を確認する。


「ど、どうした、凄い顔をしてるぞ………?」


 どうも、俺はポーカーフェイスが苦手なようだ。



「いや何、首都ブラインを飛竜が襲ったらしくてな?その時に国王が死んだらしいのだ」



 えっ?





 この世界にも、異世界定番の『竜・ドラゴン』は存在する。



 種類は主に『土竜・飛竜・海竜』の三種類で区別される。


『土竜』

羽を持たないが、地上戦では屈指の走力を生かした戦闘を行う。


『飛竜』

大きな羽を持ち、空中戦において無類の強さを誇る。


『海竜』

水辺で行動し陸に上がる事は出来ないが、水上・水中戦において最強。


 攻撃手段には、各種固有の『ブレス』や、魔法を使う事の出来る竜も存在する。


 目撃される事は少ないが、一度出現が確認されると国家間で警戒網が敷かれる。

 それほどの別格の存在なのだ。


 そんな竜がガルザード帝国に?


「そ、それは本当なのですか?」

「あぁ、確かな情報らしい。どうやら防壁の上を飛んで抜けたらしくてな」


 成程、襲ってきたのが飛竜であれば、あの大きな防壁は無意味になってしまうだろう。


「しかも、あそこの王城は半年ほど前にレイスに襲われた後の復興が間に合ってなかったらしくてな。殆ど対抗も出来ずに蹂躙されたらしい」


 あぁ、しかも母さんの怒りの影響もあったのか………。


「そんな事があったからな。お前らの出身は知らないが、一応確認をな」

「そうですか………」


 そうか、父様は死んだのか………。


「次の王は決まっているんですか?」

「いや、まだ決まっていないらしい。第三王子の死からあまり時間を置かずにこの襲撃だったからな、それどころではないんだろう」

「成程………」

「それもなんだが、問題はそれだけでは無いらしくてな」

「まだ何かあるんですか?」

「実はその飛竜、まだ討伐されていないらしいのだ」


 詳しく話を聞くと、件の飛竜はブラインをある程度荒らした後、空に向かって飛び去って行ったらしい。

 その為、討伐はおろか現在地の補足所すら出来ていないらしい。


 どうやら、飛行能力が相当高い竜らしい。


「私達にはあまり関係ないのかもしれないが、気を付けるに越した事はないからな。お前らも頭の片隅にでも入れておけよ」

「はい」

「………ん」


 クリス先生はそう締めくくり、補習に戻った。



 俺はその話が、頭から離れなかった。





 その日の夜。



「レイ先輩、お久しぶりっす!」

「おう、久しぶりだな」

「はいっ!」


 俺の目の前には、にこやかな笑顔で胸の前に両手で握り拳を作るという、あざと可愛さ全開のポーズをしたシーラがいる。


 こんな後輩がいる俺は勝ち組だと思う(確信)


「さて、リボルは居ないっぽいし宝物庫への案内を頼んでもいいか?」

「了解っす!」



 そう、俺はドラゴン対策になる道具が無いかを探しに、精霊界にやってきている。



 前回精霊界を出ていく時は、シロや母さんが心配で慌てて出て行った為、精霊門の義手しか持っていけなかった。

 だが、今回は時間にも余裕があるし、ミナ姉から【空間収納(アイテムボックス)】という異世界お馴染みのスキルを教えてもらっている。



空間収納(アイテムボックス)

異空間に物を収納できる。魔物、人といった生きている物は収納できない。



 本当に定番そのもののスキルだ。

 だからこそ、便利でもある。


 安定志向重要。



 シーラの案内で訪れた宝物庫には、奥行きが見えない程の規模の空間一杯に、大量の物が雑多に置かれている。


「さて、いい物が無いか探しますか」

「自分も手伝うっすよ!」

「おう、サンキューな」


 やる気を見せてくれるシーラに対し、頭をワシャワシャと撫でる。

 前、褒めるなら一緒に頭も撫でて欲しいと言われているのだ。


「~♪」


 実際すごく嬉しそうだ。


 何でこう俺の周りの人達は、強めに撫でられるのが好きなんだろうな?

 夕莉に聞いた事もあるが、30分くらい熱弁されて相当驚いたのを覚えている。

 まぁ、皆がいいのならそれでいいだろう(現実逃避思考)




 一時間後………。




「俺もう疲れたわ………」

「さ、流石に自分ももう無理っす………」



 ここ、予想をはるかに上回るレベルで広いし、手当たり次第に詰め込まれててモノを探すのにあまりにも過酷すぎる環境だった………。


 どうやら、ミナ姉の力で空間拡張されているっぽく、その部屋の中を埋め尽くす物の中から目的にあった物を見つけるのは困難だった。


「結局3つほどしかまともな道具が無かったな………」

「えっ?」

「えっ?」



 今回回収した道具。



 『籠手』


 『ローブ』


 『ガスマスク』



 以上!



 いや、顔を隠すのは重要だと思うの。

 それが、浪漫アイテムの一つ『ガスマスク』だとしても!


 このガスマスクは、口元部分だけを覆うタイプの物であり、両頬の辺りに円形の通気口が二つ付いている。



 クール系美少女にガスマスクって最高だと思いません?



 本音は置いといて、一応かなりの高性能の逸品だ。

 周りの環境の影響を受ける事無く、呼吸をする事が出来るという環境メタなアイテムだ。


 これは取るしかないでしょ?


 ちなみに、籠手の方は衝撃を押さえるスキル【衝撃吸収(クッション)】が付いていて、殴る際に反動を受ける事が無いという、とても徒手空拳使い向けの性能となっております。

 精霊界の鉱石を使ってできており結構頑丈なのだが、それでもあの義手には到底及ばないって言うね。

 本当に何だろうね、あの変態性能。


 ローブの方も、周辺の環境の影響を受けずに内側は快適な空間になるという、素敵アイテムだ。

 恐らくガスマスクの制作者と同じなのだろうが、真っ白なローブに藍色に近い青のガスマスクの比率は不思議仕様に見える。


 まぁ、全部まとめて装備しますがね!



 白のローブに、薄緑色の籠手、黒いガスマスクをつけた金髪ポニーテールの美少女(に見える男)。



 これはこれでいいかもしれない(錯乱)。


 あの、ゲームでよくある『強装備だけつけてたら意外とよく見える、かも?』って感じだ。



 まぁ、これで準備万端としましょう!



 飛竜だろうが何だろうが、どこからでもかかってこいやぁ!

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