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プロローグ

初めましての方は初めまして。

前小説を読んでくださった方はお久しぶりです。


個人的都合により止まっていた前小説の更新を再開しようと思ったのですが、勢いで書いていた為どうにも気になる部分というのが出てきまして、100話程を修正するならいっそ心機一転再投稿してしまえ、と思った次第です。

その為、中身は殆ど前と同じ展開で進んでいこうと思っていますが、所々中身を追加していこうと思っています。

今度こそ、ハッピーエンドを目指して頑張りますので宜しくお願いします。

 蝉の大合唱も聞き慣れた八月上旬。

 本日も太陽は元気だ。



 俺は幼馴染との待ち合わせの為に、とある公園に設置された木陰のベンチに一人座っていた。

 この公園は互いの家に近いので、小学校に入る前から二人で遊ぶ時はここに集まっていたので勝手知ったるお馴染みの場所である。



 暇なので自己紹介をしようと思う。



 俺の名前は六星(むつぼし)怜司(れいじ)。高校二年生。身長175cm、硬式テニス部所属。家族は妹が一人。好きな食べ物は、炒飯。走るのは大嫌い。

 趣味は読書。休日は一日中本を読んでたりする。深く読むよりは手当たり次第に面白そうな本に手を付けて読む乱読タイプだと個人的に思っている。鬱や胸糞は大がつくほど嫌い。忘れられなくて夜うなされる。豆腐メンタルと笑うがいい。

 最近では、『異世界』とか『主人公最強』とかのジャンルに落ち着いた。

 やっぱ趣味でストレス貯めたくないし、スカッとできる話の多いこの二つのジャンルはすごく好きだ。

 異世界関係で付きまとう『ハーレム』については、全員幸せにできるならいいんじゃないかな、という日和見派だ。

 座右の銘は『有言実行』。父の教えである。今の所、しっかりと守っているんじゃないかな?



 こんなもんかな?足りなかったら質問募集しよう。



 どうでもいい事を考えながらふと腕時計を見ると、時計の針は10時15分を指していた。

 待ち合わせ時間は10時なので幼馴染は遅刻だが、いつもの事だ。それにいつも通りだったらそろそろ来るはずだ。


「なぁ、こんな公園なんかじゃなくて俺と一緒にカラオケにでも行こうぜ、おごるよ?」

「行かないわよ。私はここに用があるし待ち合わせだと何度も言ってるでしょ」

「こんな所で待ち合わせする様な奴より俺と遊んだほうが楽しいって」

「ホントしつこい」


 そんなことを考えていたら、公園の入り口から男女の声が聞こえてきた。顔を向けると、煤けた金髪のいかにも遊んでそうな男が、茶髪ロングの女子に絡んでいるのが見えた。

 あいつはまたナンパされてるのか。


「夕莉遅いぞ」

「怜司!待った?」

「多分今来た所じゃないか?」

「もう、そこは断言してよ」

「このくだり、遊ぶたびに毎回やってるよな?」

「えぇ、そうよ」

「いや、断言されましても………」


 絡まれている幼馴染の下に行き、チャラ男との間に割り込む。幼馴染も俺が話しかけた途端、チャラ男なんてまるでいない様に会話を始める。


「けっ、手つきかよ。良さそうな女だったのによ」


 チャラ男は俺らを見てそう吐き捨てた後、公園のトイレの方に向かって消えた。

 そういうのはもっと離れてから言おうな?こいつの機嫌悪くなっちゃうから。


「ようやくいなくなったわね。ホント、ああいう輩はしつこいから嫌なの」

「夕莉はよくナンパされるしな。やっぱり、夕莉の家に迎えに行く方がいいんじゃ?」

「いやよ」

「えぇ………?」


 気だるそうにしながらスマホを触っているのが、俺の待ち合わせ相手の柴咲(しばさき)夕莉(ゆり)。茶髪ロングの身長165cm、Dカップの十六歳(すべて本人確認済)。色々デカいと思う。



「そういえば、今日美咲来るってよ」

「そうなの?ならちょうどいいわ。美咲とクレープ食べに行く約束してたから、それも今日の予定に追加でお願いね?」

「りょーかい」



 美咲とは俺らが通う高校の硬式テニス部の後輩で、夕莉とはとても仲が良く妹のように懐いている。そのため、ここ最近はこの三人で遊ぶことが増えてきた。



「美咲は駅前に来るらしいから行きますか」

「りょーかい」



 二人で公園の出口目指し、歩き始めた時。



 右の方、公園の真ん中あたりから強烈な光が発生した。

 爆発でも起きたかと思うような光だった。



「れ、怜司ッ!」



 思わず光ったほうを見ると、その光に夕莉が飲み込まれそうになっていた。



「ッ、手を!」



 夕莉に向かってとっさに伸ばした手は。



「ぁ」

「夕莉ッ!」


 交わる事無くすれ違い、夕莉は光に飲み込まれた。


 

 そしてその事を嘆く間もなく。



 そのまま俺も光に飲み込まれて。



 目の前が真っ白になった。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「………ら、いい加減おきたまえ」



 何か声が聞こえる。



「連れてきただけで気絶するとは、まったく人間は相変わらず脆弱だな」



 うるさいな。頭が痛いんだ、寝かせてくれ。



「だめだ、さっさと起きろ!」



 声が直接頭に響くような感じがする。やっぱりものすっごく痛かった。これが二日酔いって奴か?



「二日酔いは知らんが違う。早く目を覚ますのだ」



 渋々目を開けてみると、そこはギリシャ神話とかで出てきそうなほどの、白一色の大きな神殿だった。

 その神殿の奥の方、神聖そうな羽衣をまとった人みたいなモノが背を向けて立っていた。


 『みたいなモノ』というのも、そいつは天使みたいな羽が生えてて、足は膝上まで白い毛におおわれている。

 明らかに人間じゃない。



「そうだ、我は人間ではないぞ、神だ」



 いまだに背を向けながら話す鳥人間。


 これは、あかんやつかもしれない。この現実離れした空間といい、人ではない自称神といい、最近読んでいた異世界物の影響を受けすぎだな、この夢。

 起きたらものすごく恥ずかしい思いをしそうだ。



「夢でもないぞ、公園にいた君達を我が連れてきたのだよ」



 え、マジでこれはリアルだってのか?



「そうだ」



 じゃああの光はお前が?頭が痛いのもそれが原因か?



「人間如きにお前呼ばわりされるのは気に入らんが、確かにその光とやらは我が使った【転移テレポート】だな。無理やり下界の者を神域に引っ張ったのだが、その負担が来ているんだろうな」



 なんでそんな迷惑な事を……。

 てかさっきから普通に心読まれてるな。まぁそういうものなんだろう。


 それよりも、夕莉はどこにいるんだ?いや、いますか?って一応敬語にしとくべきか。



「すべて聞こえておるのだよ。無礼者めが」



 無礼でも構いませんから夕莉はどこに?



「あの女ならばもうここにはいない、先に転生済だ」



 転生?まさか異世界にか?



「そうだ。そんな芸当ができる我こそ世界神アルカナである」



 唐突な自己紹介を行い、やっと鳥人間は振り返った。

 白いロングヘアーの似合うイケメンだった。


 そんな事はどうでもいい。なぜ俺らを連れてきたんだ?



「どうでもよくないが、我がイケメンなのは当然である。まぁ機嫌がよいので質問にはスマートに答えてやろう。暇だったからだ」



 ん?いろいろ言いたいことがあるぞ?



「ここ最近どの世界でも面白い事がない。暇だったのでな、下界を見下ろしたときいちゃつく二人が見えたので異世界に飛ばしてやろうと思ったのだよ」



 この神喋れば喋るほど残念になるな。てかそんな理由で呼ばれた俺ら……。完全にひがみじゃねぇか。



「この人間敬語忘れておるし……。まぁよい、というわけで異世界に行って何かしてきてくれ」



 敬語使う気も起きないわ。何かってなんだよ何かって。


 だが先に転生しているらしい夕莉も心配なのだが、元の世界に残してきた妹の事も心配だ。

 俺と妹には両親がもういない。だから二人で頑張ってきたんだが、俺がいなくなったら妹は一人になってしまう。


 だからそう簡単に転生するわけには……。



「貴様の妹なら、先に転生した女の親に預けるように操作してやろう。それで問題ないだろう?」



 夕莉の親か……。迷惑が掛かってしまうが、それなら安心できるか。

 恐らくだが、アルカナとやらは俺と夕莉を元に戻す気は無いのだろう。



「当然であろう」



 それならば未知の世界に先に向かってしまった夕莉が心配だ。

 妹よ、強く生きてくれ。俺と夕莉も頑張って見せる。


 妹はそれで頼む。それで俺や夕莉が転生するのはどんな世界なんだ?



「転生先は、下界で流行りの剣と魔法の世界というやつだな。大丈夫だ、完璧な我は人間の言いたいこともわかる。チートが欲しいのだろう?やらんがな」



 まじかよ。



「そんなの面白くもないだろう?まぁ、普通程度の能力ならくれてやろう」



 チート無しか。まぁ、こんな奴がくれる訳も無いか。

 ちなみに夕莉も何かもらったのか?



「こやつ、どんどん無礼になってゆくな………。あの人間は、お前との繋がりが欲しいと即答しておったので貴様とどこでも話ができるように【念話(コール)】をやったぞ。この能力は対になっているので貴様にも無条件でやろう、あの女に感謝するがいい」



 あいつそんなことを言ってくれたのか……。夕莉と絶対に合流して頑張ってお礼するしかないな。


 能力かぁ。何がいいのかわからないな。



「わからないなら適当に我が与えられる【回復魔法】をくれてやろう」



 ちょ、選ばせてくれんじゃなかったのかよ。



「悩まれるのはめんどくさいのだ。あと面白味を増すために、お前の人生を荒らしそうな称号でも送っておくか」



 おい、待て!そんなものはいらないぞ!?



「貴様に拒否権はない。称号は後で確認しといてくれ。それではサヨナラだ、せいぜい楽しませてくれ」



 最後めんどくさくなって投げやがったな!



 その言葉を最後に、今度は目の前が真っ暗になった。

前回の所までは、改訂作業が主になります。

その間に、前回は出来なかったストック作業というのを………!

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