表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

第1話

 仮面ライダーとかアメコミのヒーローとかに触発されて書きました。良かったら読んでやって下さい。

 古めかしきは逆に新しいのかも知れない。港の倉庫で密輸というのも、温故知新になるのだろうか。

 いずれにせよ、密輸されてくる品物は、ここ日本国でも世界にとっても危険な物である。何としても阻止せねばなるまい。

 的場薫は気だるい身体に鞭打つと、『QPS(Quantization Powered Suit)』を起動させ、まるでカウボーイのような出で立ちとなり港湾部の入り口に立った。


「こちら“オーバーロード”。『QPS-P03』、聞こえるかい?」


「通信良好。聞こえてます。オーバー」


「よろしい。では作戦内容を伝える。港湾部での闇取引に介入し、全『不死人(アンデッド)』を駆逐した後に密輸品を確保せよ。簡単な任務だ。お使いだと思って、気楽にやってくれたまえ」


「了解。『QPS-P03』アウト」


 通信を終えた薫は、次いでパワードスーツに搭載されている“AI(人工知能)”へ声を掛ける。


「ターナー、居るか?」


「はい、薫様。いつでもお側に」


 耳に嵌めたインカムから女性の人工ボイスが流れる。

 因みに“ターナー”というのは薫が勝手に付けた名前で、正式名称は他にある。けど、難しいから覚えていない。


「隠密に行くか、派手に行くか。どっちが良いと思う?」


「倉庫内に侵入するまでは隠密行動を取り、侵入してからは派手に暴れまわるというのは如何でしょう?」


「了解、それで行こう。サブマシンガンを出してくれ」


 薫が指示を下すと、右手に光の粒子が収束していき、やがて一挺の短機関銃へと変化した。

 『QT-MP40』短機関銃。

  『エルマベルケ MP40“シュマイザー”』を独自改良し、量子変換に最適化した銃器である。基本性能は変わらない。今回は作戦目的に合わせ、消音器(サプレッサー)を装備している。


「港湾部内をスキャン。『アンデッド』の反応を探ってくれ」


「了解、五秒程お待ちを」


 そう言うとHUD(Head Up Display)の右上に表示される縮小地図に、赤い光点が幾つか現れた。敵『不死人』の反応である。

 『不死人』の反応を探すのはとても簡単らしい。『不死人』は元が死人である為、生命反応が無く、かつ動いている物体を捜せば良いのだ。


「第3倉庫付近に集まってるな。ここが取引場所で間違いないだろう」


「では、倉庫までの最短最適ルートを表示します」


 今度は地図に黄色い線で道筋が表示された。

 敵に気付かれづらく、なおかつ最短で辿り着けるルートである。


「一つ忠告を」


「何だ?」


「薫様の胴体に複数の打撲痕が見られます。任務に支障を来す恐れがあるので、鎮痛剤の投与を推奨します」


「…………あぁ、やってくれ」


「了解」


 瞬間、左手首にチクリと蚊に刺されたかのような痛みが走り、心無しか身体が楽になった気がした。


「鎮痛剤投与完了」


「では、これより任務を開始する」


 薫は『MP40』のコッキングハンドルを発射位置に持っていくと、指示されたルートを駆け出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ