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第9話 −中学最後の日ー 帰り道編

帰り道、俺らは海沿いを歩いていた。


 俺らが住んでいる、この東町は海に面している。都会とも言えず、田舎とも言えないただ普通の街だ。しかし人口は多い。春から通う、神海学園がある場所は最近、発展し、多くの会社が構えてある。そのせいで東町はベッドタウン化し、ここ数年、人口が増える一方だ。


「弘樹、今日はいろいろあったな。」


「ああ、なんかいろいろありすぎて、なにあったか覚えてないけどな。そういえば俺、ビデオ回してて、忘れてたけど、卒業証書もらってないや。」


卒業証書は一人一人、校長から手渡しで渡されるが俺は撮影で忙しかったので忘れていた。


「今頃になって気がつくなよ。でもそれは大丈夫だ。たしか、いま楓歌ちゃんがあずかっているはずだ。」


「そっかぁ、でも別にいらないけどな。」


「まぁな、あってもどうせ、使うことないよな。」


「ああ、そうだよな。そういえば楓歌で思い出したんたけど、隼人、卒業式の時に『楓歌に怒られない方法』があるって言ってたけど何だっただ。結局怒られたけどな。そういえばお前、親父さんには怒られてたけど、楓歌に怒られってなかったよな?」


「あれか、俺が言ったのは『俺が楓歌ちゃんに怒られない方法』であって、弘樹が怒られない方法ではない。」


「何を言いたいのか、わからないぞ。」


「だから『俺』が怒られない方法だ。」


「どういうことだ。」


「そのままの意味だけど、全部、弘樹のせいにして、俺はいやだったけど無理矢理やらされたって楓歌ちゃんに言えば、俺は怒られないですむだろ。」


「そんなこと言ったら俺が殺されるだろうが。」


「そうだね」


「だから、俺だけが怒られたわけか。」


「正解。」


「やった・・・。……じゃない 。」


 隼人、腹を思いきり殴る。


「うぅ…。痛いじゃないか。」


「お前が悪い。」


と言いつつ、携帯を取り出す。


「携帯なんかだしてなにするつもりだ。」


「楓歌に電話して誤解を解く。」


「やめた方がいいよ。」


「うるさい・・・・。もしもし俺、弘樹だけど」


『どうしたの?こんな遅くに。急用?』


「ああ。きょうの卒業式のことなんだが全部隼人が悪いんだからな、おれは何もしてないからな。」


『なんだそんなことか。』


おぉ、わかってくれたか


『こんな遅くに電話してくるからどんな急用かと思ったらそんなくだらない、言い訳だったとは、まだ反省が足らないみたいね。』


「いや、本当なんだって。」


『まだ言う。また反省会しないと行けないみたいね。明日行くから覚悟してなさい。』


「ちょっとまて、楓歌?話しを……。」


 プゥ−プゥ−


「クッソ、切られた。」


「だから、言っただろ。かけないほうがいいって。」


「うるさい。隼人が詰まらん冗談言うからだ。さっき奢った分返せ。」


「まあまあ、落ち着いて、悪かったって本当。」


「そもそもだなお前がくだらんことを、あっ……。」


「どうした、弘樹、お〜い。」


隼人はそう言い俺の顔の前に手をちらつかす。


「邪魔だ。」


隼人の手を払いのけて、海辺を見る。


「弘樹、どうした。」


隼人も俺が見ていた方を見る、そこには海辺の波打ち際に一人の少女が座っている。


「何やってんだ。こんな遅くに。」


「さぁ、しらねぇ。それより弘樹早く帰ろうぜ。」


「えっ、ああ。」




数分後


さっきの子なんでこんなに遅くにあんな場所に行たんだろう。


「なぁ……ひろ……聞い…の………おい…ひろき。」


なんか、遠くからだからよくわからなかったけど泣いていたような気がする。


「弘樹。」


耳元で大声で叫ばれた。


「うるせいな。なんだよ。」


「お前ん家、とっくの前に過ぎとるんだけど。」


「へぇ。」


振り返ると家から数十メートル過ぎた場所にいた。


「隼人と着いたなら教えてくれよ。」


「いや、何回呼んでも無視したのそっちだろ。」


えっ俺がいつ?


「まあいい。弘樹、じゃあな。」


「おぅ、またな。」





それから、数十分後、俺は風呂に入り、親父と今日のことについて議論などし、その後ベッドで寝転んでいた。そういえばあの子どうしただろうか。おれはそのことが頭からはなれずにいた。いてもたっていられなくなった俺は、あの子がいた場所に向かうことにした。




……そして、出会った……





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