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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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3章1 トウキクに着きました!

 ご無沙汰しております。トウキク編始まり始まり〜。

 読んでね。


 大陸鉄道列車のトウキクの駅アルマリ。

 駅を出て正面に在るのがアルマリーナ城。この浮遊大陸クレッシェンドで唯一王制を敷くトウキクの中心であり象徴だ。


城壁の外側には堀があり、城壁に守られた敷地内の真ん中には5つの尖塔を持つ優美な城が立つ。

 城には色々な儀式や舞踏会ができる広い大広間や庭園、謁見の間、中庭に面したバルコニー、そして王族の住居がある。。その城を囲むように、トウキクの内政に関する部署や防衛、外交、産業等様々な業務の執務棟と騎士棟、訓練場がある。

 執務棟には私バーディの所属するアドゥーラ、トウキク支部がある。トウキクと中央との連絡役程度と見られているが、その役目は多種多様でもちろん公に出来ない事柄も含まれる。


 因みにバーディ・アウル、私は中央ではトリスタと名乗っている。仕事上名前はいくつかあるので気にしないで欲しい。


 今回は、下の大地より来訪した魔族の王族の案内と監視。色々と知られたくない事があるトウキクからのアドゥーラへの依頼だ。

 それと文官ジュノくんの母親の再婚相手の貴族からの招待への付き添い。こちらはアドゥーラ及びエルフォンス様個人からの依頼でもある。ジュノくんの母親はかなり奔放な人のようで、再婚と離婚を繰り返しているらしい。だが、ジュノくんが孤児院に預けられてからは一度も会っていないという。

 そんな母親から突然会いたいと手紙を寄越して来たそうだ。

 エルフォンス様は何か裏があると考えているようだ。ただの親子の情というにはかなり無理がある。再婚相手の希望だとしたら更に気になる。

 再婚相手であるモンステラ伯爵は故第三王子の長男パキラ公爵の弟だ。パキラ一族は王族である。しかし彼は三男と言う事で他の貴族家に婿養子に入るはずであった。

 しかし、モンステラ伯爵はその才を活かして神殿とのパイプ役的存在を手に入れ、特別に伯爵位を賜っている。

 複雑な事情はさておき野心のある人物であるらしい事は以前から聞いている。


 それに、魔族の王族である二人。現王の末子であるフィノルド氏、彼は特に問題無いように思える。

 現王の弟の一人クリストバル・ダラス氏、彼は要注意である。表向きは植物学者だが実は諜報員疑惑がある。我々の調査では、下の大地で植物採集と称して様々な土地や国に入り諜報活動をしていた様であると報告されている。

 

 ゆえに我々アドゥーラとしては、今回この浮遊大陸クレッシェンドにやって来たのは他に目的があるのではないかと考えている。秘密裏に彼の目的を調査しなければならない。


 それなのに!

 早々に聖獣達とヒナちゃんに、俺の正体ばれてるし!スキルも使い偽装用の魔導具まで装備してたのに!

 ヒナちゃん恐るべし。白の巫女の力が影響しているのか?ヒナちゃんはバラすつもりは無いようだが、先行き不安だ。


 そして、俺のもう一つの目的、今まで誰にも知られていない大魔導師ニコラスの住処の確認をすること。

 ニコラス氏の屋敷はトウキクにある。だが、そこは表向きの住まいで本当の屋敷は別にあるのだ。今まで沢山の魔導師や神官達がいくら探しても、辿り着くことができていない。

 ユシャさんの父親であるニコラス氏は謎の多い人物だ。   

 浮遊大陸の誕生に深い関わりがあるといわれているがその内容は不明、しかも創世主とも何か因縁が有るとも言われている。

 今回うまく行けばそこにたどり着く事が出来るかもしれない。



     *********




 トウキクでの初めての朝です。

 おはようございます。ヒナ絶好調です。

 トリスタさん···じゃないバーディさんの手配した本日のお宿にお泊り。トウキクで人気の格式高いホテルとのこと。

 トウキクは異種族を嫌うのに、観光客は受け入れている。但し、下の大地の観光客は団体に限り許可されていて個人の観光客は基本お断り。   

 住民とのトラブルを避ける為と言う事になっているけど本当は何か理由があるのかも。。

 下の大地の商人はトウキクの指定した案内人の同行があればOK。それでも自由行動は許されない。


 このホテルのロビーは一つだが宿泊用の部屋はこの浮遊大陸の住民用とそれ以外の人達用に建物が右翼と左翼に別れている。変な所に拘るというか、徹底していると言うべきか。

 つまり、私達とフィン様達はお部屋がめちゃ離れてる。打ち合わせは昨日、共用ラウンジでお茶を飲みながら済ませてはあるけれど不便だなあ。


「次の宿はもっとフレンドリーな所を予約してあるのでご容赦下さい」


 トリ···バーディさんが申し訳無さそうに言っていたな。でも、トウキクのすべての人が異種族、異民族を嫌ってる訳では無いらしいのでちょっとホッとした。


 「では、これからトウキクの植物園に向かいます。アルマリの東隣に位置するアルメリアという町にあります。今回は転移陣で移動します。幸い皆魔力があるので使用許可が出ました」


トリスタ改めバーディさんの説明にふと、思う。


「つまり、魔力のない一般の下の大地の人達は使えないってことですか?それだと獣車は下の大地から来た観光客だけ?」

「ヒナ、ここには中央よりずっとあちこちに転移陣があるんだ。主に貴族とか魔力の多い商人が利用してる。トウキクでは獣車は魔力が少ない一般人や観光客とか大量の荷運びに使ってるんだ」

「へえ〜ジュノさんさすが元ジモピー」 

「ジモピー?なんだそれ」

「地元の人ってこと」


 今までジュノさんは私にトウキクについて話す事がなかったから、なんか不思議。


「ジュノさんはトウキク出身なんですか」

「フィン様、僕は子供の時に居ただけなので、実際は中央で知識として知ったものの方が多いのですが······」

「こちらでは転移陣とはそんなに簡単に設置出来る物なのか?」


 あ、それは私も思った。ニニカにはほとんど無かったと思う。中央にはあったけどそこまで多くはなかったような気がする。

 クリス様の言い方だと下の大地では魔法陣は一般にはあまり無いのかと思えるけど、どうなのかな?


「ダラス様、転移陣は主に神殿が管理していて、トウキクは神殿と関わりが深いので、技術開発のためや色々な理由から他の地域より転移陣が多いのですよ。余り詳しい事は申し上げられないのでそこの所はご理解下さい」

「バーディ殿すまない。つい、好奇心が首をもたげてしまった」

「いえ、珍しい物には興味があるのは皆同じですから。答えられる事は出来るだけお応えします」


 ホテルを出てそんな話をしながら歩いて転移陣専用というステーションに着いた。

 




見直しができ次第何話か投稿する予定です。来て下さってありがとう御座います。

 まずはトウキクに到着。いきなりバーディさんバレてます。


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