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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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2章44 やっちまった言い訳&この先の予定

 トウキクに向かって旅は順調(?)です。

フラグ、いくつか立ててみした。

 3章では、せっせと回収しなくては。

来てくださってありがとうございます。


 

 あっ······と。つい、眠ってしまってた。このふかふかソファがいけないんだ。こんな人をダメにするクッションこんなとこに置いちゃいけないでしょ。

 そんなことを思いながら「う〜ん」と伸びをする。隣には聖獣の姿のアルクくん。うわっフィン様達に見られたらまずいんじゃないの?

 ふと、周りを見ると····


「えっ?これはどういう状況?」


ソファは小さなテーブルを囲む様に配置されているのだけど、4個あるソファーのうち一つには私とアルクくん。

 隣のソファーにフィン様とクリス様が寝ている。その隣のソファーにジュノさん、そしてまたその隣のソファには聖獣の姿でながーく伸びて寝ているラクシエルさん。寝てるのはまあいい。

 だけど、テーブルの上にはひい、ふう···5本の空瓶とグラスが4個。何かオツマミらしきものが散らかっていて、床にも色々落ちてる。

 何?酒盛り?お酒臭いから間違い無く酒瓶だと思う。昼間っからこんなに飲んでこんなに散らかして、もう!この人達は!

 ジュノさんも一緒に飲んだってことばお酒も料金内という事だと思う。だからってこの惨状は酷い。

 

 空港を出発してからはまだそんなに経ってないはず。でも、そんな短時間でどんだけ飲んだんですか、あなた達は!

 ど、どうしよう。先ずは、アルクくんとラクシエルさんを起こして人型になってもらわないと。


「ラクシエルさん、ラクシエルさん起きて」

「う〜、エルもう飲めない」

「ヒナですよ。ラクシエルさんしっかりして下さい」

「えっ!わっ!わ、私とした事が!」

「大丈夫ですか?聖獣に戻ってますよ」

「すまないヒナ。アルクもほら起きろ

「なに?おやつの時間?違うの〜?う〜ん、もう着いたの〜?ふわぁ〜」


 アルクくんはアルクくんだなぁ、としみじみ思う。この呑気者め。

 なんとか、二人に人型に戻って貰い、それからジュノさん、フィン様、クリス様を起こす。

 それからは皆の言い訳タイム。


 ジュノさんは自分の仕事と今回の宿やチケットの手配等で出発まで多忙だったらしく疲れがたまってたのか、お酒を飲んであっと言う間に寝てしまったとのこと。

フィン様はパザさん達が心配で前夜はなかなか寝付けなかったらしい。お母さんなの?

 パザさん達はスーリヤ先生のお宅で大人しく待ってるんだから、そんなに心配しなくても大丈夫だと思うんだけどな。

 クリス様はトウキク行きが嬉しすぎてワクワクしてトウキクでの計画やらなんやらで連日徹夜だったそうだ。遠足前の子供か!

 かくいう私も色々考えて睡眠不足なのでホントは言い訳できない。実はルーも現れたりしていたので余り寝た気がしなかった。


「僕はずっとラクと訓練してたし毎日お勉強もしてたから、まだ眠いや」

「そんなに頑張ってたの?」

「(普段アルクはほとんど人型になってなかったから、長時間の人型に慣れてなくてな。私もアルクに付き合って人型でずっといたし、ヒトらしい行動とか教えたりしていたのだ)」


 ラクシエルさんが小さな声でこそっと教えてくれた。そうだったんだ。お疲れ様。私ってもふもふに甘いかも、今更だけど。


 それから、フィン様が浄化魔法を使ってお酒を抜いてくれたので、赤い顔でフラフラしながら飛行船を降りるなんてことは避けられた。良かった良かった。



 まもなくティファーンの空港レイハスに着く。ここからは大陸鉄道でトウキクの王都アルマリに向かう。

 トウキクはこの大陸で唯一、王国を名乗っており、首都を王都と呼んでいる。旅行先の情報収集大事。

 そのトウキクの王都アルマリへは一泊二日。

 行き先その1の植物センターと魔霊樹研究所。

 その2、ジュノさんのお母さんの嫁ぎ先。

 その3、こっちが私の本命。ユシャさんの実家、ニコラスさんの屋敷。ここはアルクくん達聖獣の案内が無いと行けない場所らしい。良く分からないけど、詳しくは教えて貰えない。

 なんで、そんなに警戒しているのかしら?ニコラスさんてニコニコしてて凄くふわふわした感じの人だったと記憶してる。悪い人には見えなかったんだけど、誰かに狙われてるとか訳アリ?

 考えてみたらユシャさん自体普通の暮らししてるようには見えないし····


 飛行船はレイハスに着いた。

 

 飛行船を降りてレイハスの空港ロビーに。皆の荷物はジュノさんが警備隊から借りてきたアイテムボックスに入れさせて貰っているので身軽だ。

 空港を出てティファーンの暑い空気を感じながらすぐ近くにある列車のホームに行く。ついこの間、ユシャさんと二人でここに来たのが嘘みたい。

 あの時は、まだこれからもユシャさんと一緒にいられると思ってた。今はたまにしか会えない。

 みんなに気を使って貰ってるしワガママは言えないってわかってる。でも、今ユシャさんに会いたい。もの凄く会いたい。

ここでは、女の子に囲まれる事もなくてホッとする。チケットを確認していたジュノさんが慌てて私を呼ぶ。。


「ヒナ、余り時間が無い。列車すぐ来るぞ。早くホームに行こう」

「ヒナ!早く早く」

「え!あ、はーい」


 ジュノさんとアルクくんに声をかけられて、我に返る。


「クリス様、フィン様、今回列車は飛行船のようなちゃんとした部屋が取れなくて申し訳ありません。」

「大丈夫だよ。私はそんなのガラじゃないしね。でも飛行船で酒が飲めたのは良かったなあ」

「叔父上、お酒大好きですからねえ」

「そう言って頂けると嬉しいです」

「ジュノくん私達にそんなに気を使わなくて良いんだよ」


 ジュノさんがクリス様達に謝ってたけど、二人ともそんな事で文句言う人じゃないから無問題。

 その代わり夕方に着く駅で降りて、取ってあるホテルに泊まるそうだ。次の日は朝イチの列車に乗るのだ。起きられるかなあ。


「めんどくさー。ヒナは僕が乗せて飛べば·····むぐっ」


素早くアルクくんの口を塞ぐ。


「アルクくん宿についたら一緒に遊ぼうね」

「ホント?わーい」


 何とかアルクくんの気をそらす。僕が乗せて飛ぶとか、そんな事ここで言ったらダメでしょ。


「ジュノくん、ヒナさんとアルクさんは·····」

「え?何ですか?フィン様」

「いや、なんでもありません」

「ヒナちゃんとアルクくん仲いいんだね。姉と弟みたいだ。アルクくんは見た目よりずっと若いのかな?ねぇラクシエルくん」

「クリス様、我々は見た目の年齢が違う事が多いのは確かですが、かなり個人差があります。アルクは普通のヒト族の····多分12〜3歳程度かと思います」


 いや、アルクくんは見た目17、8歳、精神年齢は6〜7歳だと思うよ。


 




 

アルクくんは可愛くて無邪気な、大きな白い犬。ラクシエルさんは大きくて見た目はクールビューティー。中身は背伸びしてる可愛い子。二人(二匹)とも小型犬サイズにもなれます。ふゆいちごは猫も好きです。いずれ出てきます。ミークとソールは一応猫だけど·····

 では、また次回。



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