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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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2章41 ジュノの災難

 やはり毎日投稿ならず。見直しすればするほど、頭が迷宮入り。また修正するかもですが、とりあえず、投稿です。


トウキク某所。


「旦那様、ご依頼の調査の報告書が届いております」

「うむ、ご苦労」


『アドゥーラ飛竜警備隊中級文官ジュノ。

トウキク出身 聖花の年水の月生まれ

 母、オリビア  父、不明


幼い頃は母の再婚相手の商家にしばらくいたが、母の離婚により商家を出され孤児院に預けられる。

 その後、魔導師ユシャに引き取られ教育を受けアドゥーラに就職、警備隊の文官となる。現在は飛竜隊中級文官として第3警備隊に勤務している。

 警備隊預かり中の異世界人スギシタの世話役と護衛を兼務。警備隊員には劣るが護衛としての能力も評価されている。』


「オリビアの息子は思ったより優秀なようだ。ますます興味がわいてきた。ククク·····」


『容姿端麗であり、そのため、異性からの過激なアプローチを受け面倒に巻き込まれる事が多い。その為女性を苦手とする。周りからは女嫌いであると認識されている。唯一友人であるヒナ以外の女性とは会話も殆どする事がない。』


「ヒナ?何者だ。このヒナという人物についても調べておいてくれ」

「かしこまりました」


 主の言葉に一礼をして下がった男と入れ替わりに彼の妻がやってきた。


「あなた。どうなさったの」

「オリビアか、お前の息子だが····」

「申し訳ありません。ジュノからはまだ返事が来なくて、あの、ジュノが何か?」

「いや、彼が早くこちらに来られる様、私も手を打つつもりだ」

「まあ!ありがとうございます、あなた!」


 

 それから数日後、警備隊にて。


「ジュノ、隊長がお呼びだ」

「はい」


 なんだろう。書類は期限内に提出したが、不備でもあっただろうか? 


 隊長の執務室の前に来た。上司に呼ばれるというのはいつになっても緊張する。軽くノックをして声をかける。


「隊長ジュノです。お呼びだとのことで参りました」

「入れ」


 隊長の執務室にはいつも側近である従者がいる、そして事務官である上級文官が二人。

 今日は何故かアドゥーラ本部の人間であるトリスタさんがいる。なんだろう?


「ユシャがトウキクで見つかった。それとジュノ、君にトウキクの貴族から手紙が来ている」

「ユシャさんが!え、貴族?あ、はい」


 ユシャさんの事はともかく、トウキクの貴族から手紙とか一瞬なんのことかわからなかった。だが、もしかして······


「君の母親の再婚相手である貴族から君への招待状だ。覚えがあるようだな」


 やはりあの人絡みか。実はあれから母から手紙が何通か来たが、すべて無視して放置していた。とうとう貴族である夫まで使って会いたいとか一体何だ?絶対裏がある。


「ジュノ、わかっていると思うが、この誘いは···」

「断れないんですね」

「その通りだ」


 トウキクは、この大陸唯一の王国であり貴族という階級制度がある。それ以外はほぼ平民である。トウキクの王とは神創世主の事でありトウキクの貴族は創世主の元側近で、その貴族の多くが中央の政治を司る高い地位にいる。

 隊長まで話が来たと言う事は、それなりの圧力がかかっているのだろう。


「一応、従者兼護衛を二人付けるが、それともう一つ。仕事として同行してもらいたい人物がいる。ヒナ・アサダそれと魔族の貴人二人を伴いトウキクに出張だ」


はあっ?


「た、隊長。なんでヒナが、あ、いやユシャさんの身内同然のヒナさんが行くということは理解出来ますが、魔族の王族とか、理由がわかりません」

「落ち着けジュノ、今から説明する」


 今回の魔族の王族であるという貴人は魔族の現王陛下の末弟。もう一人の貴人は同じく現王陛下の王子で彼の甥になる。その方達がこの大陸に来られており、現在はこの中央に滞在中。

そしてトウキクに行きたいと希望している。トウキクはこの大睦でも異質な地域だ。貴族という一部の人間を中心にした階級社会を形成している。

 地位や身分を重視すると同時に異民族に対して偏見、蔑視の傾向がある地域だ。

 だが、今回の相手は魔族だが王族である。拒否する理由にはならないはずだが、許可がなかなか降りなかった。では、何故か。


 貴人は植物学者で魔霊樹に興味を持っており、甥の方も魔霊樹に興味を持ち植物学を研究中である。 


 トウキクには魔霊樹の研究及び次代の魔霊樹の育成施設がある。そこの見学が一番の目的だという。だが、その施設の所有者である神殿が難色を示している。『魔霊樹は神聖な存在であり、ただの植物と考えられては困る。例えそれが研究のためであっても』というのが理由である。


「トリスタの知人から何とかならないかと頼まれてね。私の所まで話が来たわけだ」

「はあ·····トリスタさんの知人ですか」

「ジュノくん、その知人だけど、今ヒナちゃんが魔法の指導をしてもらっている大学の教授なんだよ。神殿の催事の時会っただろう?」


 そういえば、妙に背の高い髪の長いイケメンが二人いたな。紹介されなかったから話どころか挨拶もしなかったけど。


「あれがスーリヤ教授と魔族の王子フィノルド様で、今回の依頼は王弟で彼の叔父であるクリストバル・ダラス様からなんだ」


 トリスタさんの人脈って·····


 何だかよくわからないまま、ついでのように俺とヒナ、その魔族の王族、従者と護衛を兼ねた警備隊からの2人、計6人でトウキクに行くということになった。

 トウキクにいる警備隊支部の文官が一人案内役をしてくれるという事だが、トウキクに入るまでの事務的処理を俺がやらなくてはならない。無茶振り過ぎるでしょう隊長!


「ヒナの保護者役のリナリナさんは行かないんですか?」

「リナリナは理由があってトウキクにはいけない。ジュノ、君はまたヒナさんの護衛兼世話係と言う事で頼む。スギシタにはレトとサライが付く」

「····わかりました。それと6人分のチケットと宿の手配ですね。警備隊から行くのは誰ですか?」

「ん~~、ユシャの関係者だ」


 誰なんだ?トリスタさんが目を逸らした。何か訳アリの人物とかやめて下さいよ。トウキクは余りいい思い出は無いんだけれど、仕方が無い。




 トリスタさんからヒナに朗報!


「えっ!私もトウキクにいけるんですか!」

「例の魔族の人達とジュノくんと君、あと2人の計6人だよ。ユシャさんの事は公にはしてないから、ヒナちゃんは魔族の方達の付き添いで同行するという形になってる。ジュノくんは貴族の招待があるし、向こうで別行動になるかもしれないしね」

「トリスタさんは行かないんですか?」 


ユシャさんの所へは私一人でいくのかしら?地図でもくれるんだろうか。


「あ〜ちょっと用があってね。ヒナちゃん僕と一緒に行きたかったぁ?」

「そうですねえ。·····どっちでもいいかな」

「え〜酷い!ヒナちゃん期待させて落とさないでよ」

「やっぱり隊長もトリーにヒナを任すのは心配なのね」

「リナリナさん酷い!」


トリスタさん、リナリナさんには頭が上がらないんだね。



 








 トウキクは貴族がいます。悪役令嬢はいるのか?断罪はあるのか?婚約破棄?それって美味しーの?

 私も書いてみたい気もします。が、こちらを頑張ります。次もお読み頂けると嬉しいです。

 

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