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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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2章40 ユシャさんに会いたい

 久々の更新です。また随分と間が開いてしまいました。後少しで2章が終わります。ひとつよしなに。


 話を聞きたい人はまだまだいる。

ニニカにいるカジャク師匠や学校の先生達、もちろんオルガさん達にも。

 ユシャさんのお父様であるニコラスさんとか会えるなら是非色々聞きたい所である。


 近くにいて色々知っていそうな人って·····?


 警備隊のエルフォンスさんとか?

ほとんど話したことないから忘れてたけど、警備隊の偉い人だから賢そうだし知合いもたくさんいそうじゃない?

 でもアポとれるかなあ····


 「エルフォンス隊長?今忙しいんじゃないかしら?ちょうど期末の締めの時期だから書類仕事に忙殺されてる可能性があるわね」

「書類仕事されてるんですね····」


 おばあちゃんことリナリナさんによると今は締めの時期で色々提出すべき書類があって大変なのだそうだ。しばらくはアポ取るのは無理みたいだ。残念。

 地道に図書館で調べてみるしかないかな。


 

「ヒナちゃんいる?!」

「トリスタさん?」

「トリーどうしたの?そんなに慌てて」


リナリナさんとご飯食べてたら突然トリスタさんがやってきた。丁度いいや。例の件聞いてみよう。


「トリスタさん、あの···」

「ユシャさんがいたよ!」

「え?」

「ユシャさんの居場所わかったんだよ」


 マジっすか?!なんなの、あの人は!散々心配させておいて。連絡遅すぎ!


「ユシャさんどこにいるんですか。皆を心配させて。一発殴ってやる!」

「ヒ、ヒナちゃん落ち着いて」



 なんと、ユシャさんは今、トウキクにいるらしい。しかも怪我をして動けない状態だと言う。

 無事に逃げ切れた筈じゃなかったの?ユシャさんて確か超級魔導師とか言って一番上、つまりトップクラスの強い人だよね。この世界の生き物で一番強いとか言う竜人と戦って勝ったとか言ってたよね。一体なにがあった?


「詳しい事はまだ分からないけど、ニコラスさんから聞いたんだ。コーリンさんが····えーと、ユシャさんのお父さんとお兄さんなんだけど、ヒナちゃん知ってたっけ?」

「知ってます」

「そのコーリンさんがユシャさんを見つけてトウキクにあるニコラスさんに知らせたんだけど、暫く動けない状態らしい」

「ユシャさん怪我してるんですか?!」

「あー詳しい事は良く分からないけど命に別状はないそうだ」


 追手に凄く強い人がいたんだろうか。何か突発的な事故があったとか?悪い人達の罠にハマっちゃったとか?動けないなんて大怪我じゃないの。

 う〜今すぐ会いに行きたい。命に別状はないなんて言い訳にもならないわよ。心配するなってのが無理!無理過ぎる!


「トリスタさん、トウキクに行きたい!今すぐトウキクに行きたい。どうやったらトウキクに行けますか!」

「ヒ、ヒナちゃん?」


 詰め寄る私にトリスタさんはタジタジだ。リナリナさんがトリスタさんに声をかける。


「トリー、何とかならないの。貴方なら何とかできるんじゃない?」

「リナリナさ〜ん。そんな無茶苦茶な。簡単に言わないで下さいよ。連れて行ってあげたいのは山々だけど、俺が表だってヒナちゃん連れてトウキクに行く訳にはいかないでしょ」

「まあ、トリーの仕事の性質上動きにくいわね。それに年頃の女の子と二人きりは不味いし······」

「リナリナさん、暗に俺の事信用できないって言ってないですか?俺の事誤解してないですか?俺はいたって紳士ですよ」

「私が行けたらいいけど·····行っていいかは隊長に確認してみないとだけど、厳しいわね」

「俺の事無視っすか!」

「ワタシもトリーの事色々言えない立場なのよね。昔、トウキクでの仕事でハニートラップ仕掛けてヤバいことになった事があってトウキクにはちょっと行きにくいのよね。ふふふ」

「えっ!」


 リナリナさんてそう言うキャラだったの?スパイでバリバリやってたんだ。じつはリナリナさんが一緒に行ってくれるかもと少し期待してたんだけど無理?


「はっ、もしかして今、私のそばにいてくれてるのもスパイ活動の一つということですか?」

「今は私はエルフォンス隊長に雇われてるからスパイではないわ。建前はヒナちゃん、つまり異世界人護衛、及び監視。まあ、その傍ら市井の情報収集とかもやってるけど。あ、でもヒナちゃんといるのは楽しいからあまり仕事してる意識は無いけど、トウキク行きは隊長次第ってところね」


 うーん·····私って監視対象だったんだ。


「ヒナちゃん、難しく考えないで。ユシャさんに頼まれた隊長がヒナちゃんの保護をするための大義名分として考えた事だから、ああ見えて隊長もヒナちゃんの事気にかけてるのよ」

「なんか逆に申し訳ないです·····」


 私がリナリナさんとなんだかんだやっている間、何か考え込んでたトリスタさんがふと思いついた、という感じで顔を上げた。


「何とかなるかもしれない」

「「何が?!」」

「あ、ちょっと時間くれる?調整して、それから連絡するから」


 私がトウキクに行けるようにトリスタさんが奔走してくれてる。

 そのトリスタさんも絡んでジュノさんに問題が起こっていた事をまだ私は知らなかった。

 ルーはたまに夢に現れる。ユシャさんの事を話す事は少ないけど、怪我をしたらしいという話はしておいた。


「へー、ユシャったら油断してたんじゃないの?自信過剰なんだから、自業自得よ。いい薬になったんじゃない?大丈夫よ。殺しても死なないから」


 なんと厳しいご意見。身内のせいか意外と容赦無い。



 中央は季節の変化が乏しい。それでも気温が少し下がり収穫が終わった畑や野山は木々が色付きつつあった。気候の制御は中央では他の地域ほど細かくやっていないようだ。それでも警備隊の広い敷地の芝は庭師の魔法で青々としている。その警備隊の芝生の上で黒髪と白い髪の男が激しく剣を交えながら話していた。


「ねえラク、ユシャは無事らしいけど大丈夫なのかなあ?」

「ん〜、大丈夫なんじゃないか?」

「冷たくない?一応ユシャには世話になってたんでしょ?」

「だから、エルに頼んである。お前がちゃんと出来ないとこの作戦も台無しなんだからな。ほらアルク、もっと真面目にやれよ」

「ぶ〜、わかったよ」


「あんなやつらこの隊にいたっけ?」

「最近良く見かけるよな。目茶苦茶強いけど何者なんだろうな」


 見慣れない二人の男を見て隊員は首を傾げた。

 聖獣アルクとラクシエルは人型となって隊員のように普通に警備隊で生活していたのだった。





 


 無理矢理トウキクに行く予定です。

頑張れトリスタさん。パザさんかしばらく出せないので残念。杉下さんはルセラ様グッズ収集始めたようです。ご無沙汰な他の方達の様子も書きたいですが、遅筆でなかなか進みません。では、また。


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