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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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2章39 探し人の情報を求めて

 本日の投稿でまた少しお休みします。

 前回程は長く空けないつもりではいますが、不定期更新です。


『館内ではお静かに』


 図書館の壁に貼られた文字を見て、どこの世界にもこういう場所で静かにできない人がいるものかしらと思いながら奥に進む。 


 ロビーを抜け、入口で認証魔道具に学生証を提示して中に入る。駅の改札かいな。フィン様は既に魔力を登録してあるのでフリーパス状態。よく図書館にきているらしい。パザさんはフィン様が従者登録してあるので一緒ならOK。


 このフロアは一階から三階まで吹き抜けで階段があり壁側にはギッシリ図書が置いてある。一階は、イスとテーブルがありここで本を読むことが出来る。入口の横には司書らしい人がいてカウンターで貸し出しの受付をしている。専門的な書籍はそれぞれの分野に別れて部屋があるそうだ。


「ヒナさん今日は何を調べるのですか?」

「えーっと、フィン様は青の賢者って聞いたことありますか?」

「青の賢者?いえ、ありません。どういう方なのですか?」

「詳しくわからないんですけど、知り合いにちょっと探す様に頼まれまして」


 下の大地から来たフィン様が知らないのは当たり前か。先ずは人物辞典から見てみよう。


 フィン様はこちらの文字が読めるので手伝いを申し出てくれた。何でも下の大地のヒト族の共用語と同じ文字なのだそうだ。パザさんはヒト族の文字は読めないそうだ。『魔族の文字だけなら読めるのですが』と申し訳無さそうに俯く。いや、パザさんそれだけでも凄いと思うよ。


 青の賢者····賢者と言うくらいだから、高名な魔導師とか伝説の魔導師とかかな?まず、著名な魔導師を調べて、その中に青の賢者と呼ばれる人がいないか探す。



 ·······いない。次、伝承やそれぞれの土地の名士、有名人、著名人。

  ·····いない。まあ、そんなに簡単に見つかるとは思ってなかったけどさ。


 ニコラスさんとユシャさんも魔導師名簿みたいな本に載ってた。

 それから創生主?何々、この大陸を作ったとされる大魔導士。顔も名前も出てないな。今も神殿の奥にいるってまだ生きてんの?!いったい何歳よ!

 

 緑の護り手とか金の聖獣も情報なし。基本の辞典(アイウエオ辞典みたいなの)でも探してみたけど手掛かりなし。

 閉館時間が来たので帰ることにする。 


「フィン様、パザさん、付き合ってくれてありがとうございました」

「また、いつでも声をかけて下さい。私も気に掛けておきます」

「ワレも気に掛けておきます」


 有り難いな。本当に私の周りには優しい人がいっぱいだ。


「あ!」


 そうだ。あの人にも聞いてみよう。

 噂や昔話とかも調べてみるのも良いかも知れない。そういうのよく知ってそうな人その1。

 トリスタさん!

 ん?んんっ?トリスタさんてどこに行けば会えるんだっけ?

 考えてみたら私、トリスタさんって向こうから来てくれる時しか会ってなくない?

 アドゥーラに所属してること位しか知らない。うわぁ、いっぱいお世話になってるのにトリスタさんのことまるで知らないんだわ。帰ったらリナリナさんに聞いてみよう。


 今日はまだ時間があるから会いに行くことにする。きっと情報通に違いない人その2。

 ライザさん!ユシャさんのお祖母様。亀の甲より年の功·····決して年齢が上だからと言う理由だけじゃないからね。あのお店の人達も意外に色々知ってそうだしね。


 えーっと確か、こっちから入って、この転移陣を通って····

 あれ?確かにこの近くのはずなんだけど、似た通りがいくつかあって迷ったみたい。お店の名前なんだったっけ?


「おや、君可愛いね。何処のお店の娘?」

「え?私?」


 可愛いって可愛いって言われた〜!やだ、嬉しい。ダメダメ、ヒナ!こんなナンパ野郎に関わってたら危ない。


「名前教えてよ。これから出勤?」「いや、あの、ちが···」

「へえ、魔力隠蔽か。結構魔力あるみたいだね。君、神殿に入らないかい。白の巫女にならない?」

「はあ?」


 何だ何だ?この人は。ただのナンパ野郎だと思ったけどちがうのかな?

 白の巫女スカウトか?


「あ、えーと急ぎますので、また今度」

「仕事か。お店の名前だけでも教えてよ。僕は中級神官のナイジェル。気が向いたら神殿においで。僕の名前を出せば入れるから」

「中級神官のナイジェルさん····」

「で、君は?」


 名前言わない方が良いよね。えーと、えーと····


「私に会いたかったら「ライザの店」に来てね(ニコッ)」


 うわっ!思わずライザさんの所の名前、急に思い出して言っちゃった。「ライザの店」って名前そのまんまだったよ。

 増えて来た人混みの中に慌てて紛れ込んだけど、迷ってるうちに時間が遅くなってしまったようだ。街の灯りが灯り始めてる。

 

「あら?あんた。ヒナ?」

「え?リビー····さん?」


 偶然にもライザさんの所の従業員リビーさんに会えた。助かったー。

 リビーさんはお店で出す料理の足りない材料の買い足しに出てたそうだ。


 お店に着いて、神殿のスカウトに絡まれていたことをリビーさんにバラされライザさんに叱られてしまった。


「まったく、若い女の子一人でなんて。こんな所一人でうろつくのはお店の子か、美人局か不良だよ」

「ごめんなさい······」


 この世界にも美人局とか不良って言葉あるんだ。


「ヒナ、どうせならトリスタに連れてきて貰えば良かったのに」

「それが、トリスタさんの連絡先知らなくて」

「ええっ?そうなの!?」

「なんだい。トリスタはユシャに遠慮してるのかい?」

「いや、たまたまだと思います」


 時間が晩くなっていたので強制的に帰宅となってしまった。

 リビーさんが家の近くまで送ってくれたけど、申し訳なかったな。お仕事の邪魔しちゃった。


 なんか、私って空回りしてばっかだな。······凹む。



 

 


 



 



 

 

















 


 

 情報を持ってそうな人は、他にもいますが、ちょっと距離が····

 ニニカとかテイファーンはユシャさんがいないと厳しいのです。

 来て下さりありがとうございます。


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