2章37 夢の中でクイズ
こんばんは。本日も更新できました~。ルセラ来ました。よろしくです。
何故、水竜のアリアさんがこの石を持っていて、何故私にくれたのか?
しかも、これは私達が召還された時に現れたあの石とそっくり。
「レトさん、この石ってどういう物なんですか?」
「レト、ジュノ、これは何なんだ。知ってるのか?」
レトさんとジュノさんが私達の勢いにドン引きである。
「お、落ち着けよ二人とも。実物を見るのは初めてだけど多分、妖精の石だと思う。魔力のそんなに多くない俺でもこの石から強い魔力を感じる位だから。妖精の石というのは魔力が固まって出来る魔石の一種だと言われてるんだけど、かなり魔力量と魔力レベルの高い者でないと作れないらしいぞ」
「俺も妖精の石は見るのは初めてだけど、ユシャさんが魔石を作るのを見たことがある。」
「もしかしてユシャさんが作ったものなの?」
「いや、ユシャさんじゃないと思う。ユシャさんは妖精の石の作り方は知らないって言ってたから。『妖精の石は魔石作りが基本になっているが、妖精の石を作る技術は失われていて今は作れる者はいないだろう』って言っていた」
あの石はルーがくれたのよね?てことはあれはルーが作った妖精の石だったの?ルーは作り方知ってるの?ルーじゃなかったとして·······
じゃあ、この石は一体誰が作ったの?
「ヒナちゃん、俺達またどこかへ飛ばされるのかな?」
「いや、それは無いんじゃないか。アリアがわざわざそんな危険な石を渡すとは思えない」
そうよね。でも何故アリアさんがこの石をもっていたんだろう?
「ケント、ヒナさん。また改めてアリアに詳しく聞いておくから。アリアってばなんか満足して湖の底へ帰っちゃったし」
よくわからないけど、せっかくアリアさんがくれたので有り難く頂くことにした。レトさんもそれで良いってい言ってくれてるし。
でも、絶対他の人には見せないようにと念を押された。魔力は溜まってるけどそれだけみたい。
こういう時こそユシャさんに相談したいのに。早く帰ってこーい。
帰りはジュノさんに送ってもらった。その道すがらジュノさんを問い詰めて苛ついていた理由を聞き出した。
ジュノさんのお母さんの事だ。
ジュノさんは父親の顔をしらない。
ジュノさんのお母さんはジュノさんを連れ再婚していたが、新しい恋人ができ離婚、ジュノさんを置いて出て行った。元家族に孤児院においやられていたジュノさんだったが、縁があってユシャさんに引き取られて教育を受け、警備隊に就職、今に至っている。
さて、今回、どうやって居場所を調べたのかジュノさんに手紙をよこした。
現在、東の地域トウキクの貴族と結婚してそこに住んでいる。今更だがジュノさんに会いたいと言ってきた。それも、ジュノさんの弟妹がいて会いたがっているから来てくれ、だそうだ。
「ほんっとに今更だよね。人を何だと思っているんだって話だよ」
確かに。でも、気にしてるんだよねジュノさん。少しは会いたいって気持ちが有るから苛ついてるんじゃないかな。
「あの女の事だから何か下心があるはずだ。無視するつもりだけど、警備隊に迷惑がかかるようなことがあったら·····」
うん、建前と本音、複雑だ。
「悪かった。ヒナにまで心配かけて。忘れてくれ」
「何言ってんの。友達じゃない。気にしないで」
「え?俺とヒナって友達だったの?」
ガ〜〜〜ン!私のショックを受けた顔を見てケラケラ笑い出した。失礼な!
でも、元気が出たなら良しとしよう。
「冗談だよ。じゃ、またね」
「うん、また」
ジュノさんは私の前ではかなり素を出してると思うけど、彼の抱えてる物は私では計り知れないんだろう。うん。友達だもの、暖かく見守っていこう。
*********
「ヒナ?ヒナ?聞こえる?ヒナ!」「わあっ!ビックリした」
かなりクリアなルーの声。と、言う事は、これは夢の中。神殿から距離が近いからかリアルな映像と音。
「ヒナ、久しぶり」
「ああ、ルー催事以来ね。もう忘れられたかと思ってたわよ」
声も姿も催事で見た二十歳くらいのルーだ。
催事の前後、ずっと監視されていて私に会いに来られなかったそうだ。
例の言葉について聞いてみた。あの白の聖獣とか黒の聖獣とか言うヤツ。
「ごめんなさい。詳しい事は今の私の口からは言えないの。7つの鍵についてはあの歌に潜ませることでしか私は口にする事ができないの」
「うーん。つまりはあの7つの鍵とか言うのを探せばいいのよね。じゃあ、私がこれから言うのを聞いて○Χで答えて」
ルーの手が丸を作った。それも口じゃ言えないんかい。
「白の聖獣はアルクくん、黒の聖獣はラクシエルさん」
『◯』
「竜の聖獣はクーリー」
『?』
「えっとね、エアドラゴンとかいう種類の竜らしい」
『◯』
「異世界の乙女って私よね」
『○』
後は全然、心当たりもないのよね。
「後の鍵が全然わからないの。青の賢者って私の知ってる人?」
「私も知らない」
「え〜〜っ!そんなあ」
後は、金の聖獣と緑の護り手。
金の聖獣だから金色よね。片っ端から金色の生き物情報を探すか。緑の護り手ねえ。緑と言えば植物だから······
「緑の護り手はドライアド(木の精霊)?」
『Χ』
「マジかぁ〜。じゃ植物には関係してる?」
『○Χ』
「それじゃ、金の聖獣は本当に金色?」
『○Χ』
「わからないの?」
『○』
「か〜!で、青の賢者は人間?」
『○Χ』
「はぁ?どっちなの?」
なんか疲れた。呑気にルーとクイズごっこやってる場合か?
「情報は探せばあるはずよ。お願い。頑張って探して。ユシャにも協力してもらえば早く見つかると思うわ」
「そのユシャさんだけど、まだ帰ってこないの。ルーにはユシャさんがどこにいるかわかる?」
「え?まだ帰ってないの?」
「グラドラの大穴に飛び込んだって聞いた」
「あそこは厄介ね。魔力が絡んで不安定な場所だから、察知できないわ。でもユシャのことだから、きっと大丈夫よ。それに·····あっそうだ。パパなら分かるかも」
パパ·····ルーからそんな言葉を聞くとは。ルーのパパってナニモノなの。
「ルーのパパって何してる人なの?ユシャさんの知り合い?」
「ユシャの知り合いっていうか製作者っていうか、ニコラスって名前聞いたことない?」
ん?ニコラス?
ああ、ユシャさんのお父さん·····って、え?パパ?
「えーーーーーーーーっ!!??」
「あら、知らなかった?ユシャ言ってなかったかしら。コーリンとユシャ、私は兄妹よ」
聞いてないよーー!
読んで下さりありがとうございます。ルセラは知らないけど実は女1男3の4人兄弟です。正確には兄妹弟なのですが···
プチネタバレ。