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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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2章29 まるで○○みたい

 遅くなりました。本日は2話投稿しました。こちらが1話目です。

 宜しくお願いします。


 シークレットミッション?


「何ですかそのシークレットミッションて、ユシャさんはここに来ていないんですか?」

「あ、ヒナちゃんその服可愛いね。凄く似合ってるよ。先輩が選んだの?流石だね。」

「トリー調子がいいわね」


 トリスタさんリナリナさんにトリーって呼ばれてるんだ。仲良さそう。

 でも、トリスタさんにユシャさんの話スルーされた。なんか誤魔化された?


「ヒナちゃん、こんばんは」

「杉下さんこんばんは」

「今日はいつもと違う服装だね。そういう服も良く似合ってるよ。凄く素敵だね」

「あ、ありがとうございます。杉下さんもカッコいいですよ」

 

 杉下さんとジュノさんもいつもと違うちょっとよそ行きな感じの服を着ている。二人とも凄くカッコいい。他になんと表現すれば良いのか、自分の語彙の少なさにガッカリだよ。


「ジュノさんも素敵ですよ」

「なんだ。その取ってつけたような言い方は。はいはい、僕はオマケでいいですよ」

「なーに拗ねてんですか。ちゃんと褒めてるのに」

「ヒナちゃん、ジュノ、二人共いつの間にそんなに仲良くなったんだい?」

「「そんなことないです!」」


 声がハモってしまい杉下さんに笑われた。ジュノさんは焦ってたみたいだけど、杉下さんはそんなに気にしてるとは思えないんだけど。


 以前神殿に来た時見たあのランウェイのある丸いステージの周りは沢山の花やキラキラした飾りでいっぱいデコられていた。

 前の方はアリーナ席なのか?既に沢山の人が集まっている。その後ろは階段状の客席になっている。オールスタンディングなので椅子などはない。

 私達は階段状の所に上がる。前後で2列に並べる。

 フィン様とスーリヤ先生で前後、私とリナリナさん、杉下さんとジュノさんにトリスタさん。

 

「ルセラ様がお出ましになるなんて信じられない」

「もう私、昨日から興奮して眠れなくて大変よ」

「新しい巫女見習いのネリダちゃんは···セクシーだぜ」

「俺の押しの巫女見習いのナディちゃんは超可愛いんだ」


 それぞれ期待に胸を膨らませてるのが分かる。


「やっぱりアイドルのライブコンサートにしか思えない」


 杉下さんが呟いている。同感です。

皆が持ってるグッズ販売コーナーで売ってたスティックが光ってる。魔石がついてるのか魔力を感じる。

 つまり、アレを光らせて応援するってことかな。値段結構高かったよね。あれクズ魔石を固めただけだよ。なんか色々魔力関係を見て分かるようになってきてる私が怖い。

 しかし神殿って商魂逞しいな。今日の催事のメモリーストーンの予約も受け付けてた。


 大分周りが暗くなってきて照明が入る。ステージが照らされデコレーションされたものが輝きを増す。

 スタッフらしき人達が数人ステージの前に立ち、観客が前に出過ぎないよう調整してる。

 ライブイベントあるあるだ。なんかボードみたいな物が浮いていて人が乗っている。それが結構数がある。警備?監視員みたいな物何だろうか?


「あちこちにスタッフがスタンバイしてるみたいですね。もうすぐ始まるんでしょうか」


 客席は既に満員だ。ざわざわとしているけど妙な緊張感もある。

 ステージの隅であれこれ指示を出している人がいる。


「あそこに居るのはステージ監督だな。神殿には巫女見習いを下の大地でいうアイドルにして神殿の維持費の足しにしているんだ。寄付とか寄進よりずっと実入りがある。だから巫女見習いは歌や舞の練習は厳しいし、巫女になるための勉強もしなければならないから巫女見習いは常に多忙だ」


 トリスタさんが一人ごとのように語る。この世界のアイドル巫女見習いもきっと大変なんだろうな。



 ステージと客席の常夜灯だけ消える。いよいよ始まるらしい。ちょっとドキドキ。


 ステージ中央にスポットライトが当たる。上空で板のような物に乗って浮いている人達が魔法で光をあてている。

 あの人達って照明係だったのか。

中央に美しい女の人が立っている。


「皆様、ようこそ。今宵の催事は特別な物。魔霊樹様の慈愛に感謝して魔力をお捧げ下さい。そして今宵の祀りにはルセラ様がご参加下さいます。それだけでも今宵が特別な夜であるとお分かり頂けると思います」


 う、前説長くないか。女の人が大きな魔石を掲げた。皆が手を彼女の方にむける。


「魔力を捧げよ!」


 いきなり手から魔力が吸い取られる。

な、何事?!(ヒナちゃん抵抗してはダメ。大丈夫よ、すぐ終わる)

 リナリナさんが小声で教えてくれる。魔力をいくらか吸い取られて、それは終わった。 


「それでは皆様、存分にお楽しみ下さい!」だぁ~


 いきなり強い光に覆われたかと思ったらステージには十代前半と思われる女の子が並んでいた。音楽が流れ出す。

 ウオーッという歓声が響く。20人位居るだろうか可愛い歌声と共に踊りだす。

 アイドルだぁ~!やっぱりこれアイドルのライブだ。

 次々とグループが替わりながら歌と踊りが披露される。中には大人のグループもいてそのグループは歌や踊りのレベルが高いのがわかる。

 推しの名前を叫ぶ声、歓声、悲鳴のような叫び声まで聞こえる。

 ライトが七色に変化しステージを照らす。魔法を駆使しての派手なライトアップ。なかなか華麗で元の世界のそれに負けてない。


「凄い····驚きましたね杉下さん」

「ああ、魔法でこんな事ができるなんてジュノは見たことあるの?」

「いや、僕も初めて来たからビックリした」


 フィン様やトリスタさんは下の世界のイベントとか見たことがあるのかしら。動じてない感じ。


「ヒナちゃんルセラって人はまだ出て来てないんだよね?」

「はい、まだですね。もうすぐかな?」

「ケント、ルセラ様のこと呼び捨てはダメだよ。周りの人に聴こえたらボコボコにされるぞ。それと声はもっと小さく」


 歓声で声は聞き取りづらいけどルーはカリスマ的存在らしいから、気をつけないとヤバいですよ、杉下さん。


「お待たせ致しました。白の巫女ルセラ様がお出ましになられます。皆様、魔力をお捧げ下さい。今回はルセラ様の有り難いご配慮で神殿前にもお声が届けられます。神殿前に集う皆様、共に魔力をお捧げしましょう!」

 

 神殿の外からもウオーッ!という大きな声があがった。ここぞとばかり魔力を集めてるみたいだけど、そんなに魔力集めてどうするつもりなんだろう。


 中央に光が集まり弾けた。ルーだ。

 以前メモリーストーンで見た姿より大人っぽくなってる気が····20歳前後くらいに見える。

 さっきまでジュノさんとヒソヒソ話していた杉下さんが静かだ。怒ってるのかな?

 ん?····あれ?




 


 

 1話の予定でしたが、まとめきれず2話になっております。

 ひとつよしなに。

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