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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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2章26 予想外と想定外


予定より少し時間が遅くなりましたが投稿致します。よろしくお願いします。


 新生活。

 何だか心踊る響きだと思うのは私だけじゃないと思う。確かに不安とか戸惑いもあるだろう。

 でも、新しい事に出会えそうな予感とかってワクワクしてこない?


 元の世界で高校入学のため一人暮らしを始めた時の事を思い出す。

 大変な事も沢山あったけど、楽しい事も沢山あった。

 毎月の家計のやりくりとか大変だったな。


 でも、今回は一人じゃない。リナリナさんという強い味方が一緒だから、大丈夫。

 でも、ユシャさんから

「ヒナを甘やかさなくていい。ビシビシ鍛えてくれ。ニニカでは家事もしていたから、どんどんやらせてくれ」


 なーんて言われて、リナリナさんは

「心得ておりますよ。お任せ下さい。淑女としてマナーなどもしっかりお勉強していただきましょう」


 ですって。どういうことですか。淑女としてのマナー?何それ。それって美味しいの?庶民の私に必要ですか?


「あの、もしかしてリナリナさんて生まれは貴族だったりとかします?」

「いえいえ、生まれは庶民ですよ。ただ、仕事上必要だったので、その手のこととか他にも色々お勉強したの、ふふっ」


 てへぺろ、な感じで言われても。返す言葉が迷子なわたし。アドゥーラのどこの部署の仕事に淑女のマナーとか必要だったのかな?接待係とか?コンパニオン的な?


「ヒナちゃんは聞いてなかったかしら。私はトリスタと同じ所にいたの」


 はい?トリスタさんと言えば、情報集めが得意で、実は顔も広い。

 待てよ。情報を集めると言えば?

······ス···パ··。

 変な汗が出て来た。まさか、リナリナさんが?


「あの、単刀直入に聞いていいですか?」

「あら、やーね。そんなに改まらなくていいのよ。それからリナリナさんじゃなくてお祖母ちゃんて呼んでくれなきゃ」

「じゃ、じゃあ···おば··あ·ちゃん。··は諜報員(スパイ)だったの?」

「ピンポーン」


 いつものリナリナさんじゃない!落ち着いた雰囲気の普通の『お母さん』みたいな感じだったけど、ちょっとハッチャケたお茶目なおばちゃんになっている。


 ある時は慎み深い可愛い新妻、ある時は男を惑わす妖艶な美女、そしてある時は切れ者、隙なしの敏腕美人秘書···とかいう感じ?え?ライザさんとも知り合い?まさかライザさんも·····?


 トリスタさんとは短期間だが、同時期に在籍した事があり、教官として指導をしたこともあるそうだ。アドゥーラ広報部の中の分室がそういう機関らしい。

 大陸各地の情報や不正調査から下の大地の動向まで、あちこちの様々な事を調べていたそうだ。

 いいのか?それ、私にバラして。


 最初は治安を守る騎士に憧れてアドゥーラに入ったけれど、適正、スキル等から広報部からの熱心な誘いがあり移ったそうだ。

 気軽に移ったものの、色々な知識や戦闘スキル、様々な技術など身に付けなければならない事が多く少し後悔したとか。マナーやダンス等もその一環として覚えたそうだ。

 と、いう事はトリスタさんも····意外とできる人なのね。チャラいお兄さんだと思ってたけど、やる時はやる人なんだ。


「当時はまだユシャさんはアドゥーラに協力はしてなかったのよ。今でもアドゥーラというより第3警備隊に協力、というかエルフォンス様に協力してるのよね」


 その頃はユシャさんを引き入れるためにあちこちの組織が暗躍していたそうな。そしてそれは今も同じでアドゥーラの中の違う部署がスキあらば引き抜こうと狙っているとか。

 そう言えば、ユシャさんは私と出会った時、アドゥーラかサルタイラか?とか何とか。


「あの部署はね。当時、新人には毎回ユシャさんの攻略をしてくるというミッションが課せられててね。私もその指導をしたりして····男女関係なしの命令だったから大変だったのよ〜。新人もベテランもみんな返り討ちされてたからフフッ···」


 マジっすか····


「じゃあ、トリスタさんも···」

「そうよ。傑作だったわ。でも、あの子の場合、成功と言ってもいいかもね。今は凄く仲いいし」


 いや、仲は良いけど結構こき使われているみたいなんですが····



 夜は近くの商店街で買い物をして二人で料理して夕食。ユシャさんと暮らしたあの頃が少し懐かしく感じるけど、今は今でいいな、と思える。

 ···強がりじゃないからね!


 明日はいよいよ神殿の催事。催事は夕方からなので、午前中は大学にいく。

 リナリナさん····おばあちゃんは情報収集も兼ねて近所の小さな食料品店で短時間のお仕事。いわゆるパートタイマーです。

 私もアルバイトとかした方がいいかな。




 ルーから連絡がない。私が催事に行くのはわかっているはずだけど、会えるのかなあ。会えるのは会えるんだろうけど話するのは難しそう。今夜、夢に出てくるのかも。


 なんて考えていたら眠れなくて······結局眠りについたのはかなり遅い時間だった。


 




    *********

 


 マズイ。非常にマズイ。ずっと自由な時間がない。あの子とのコンタクトができない。催事が終わってしまったら、もう無理だ。

 私が○○○から離れていられる時間には制限があるのに。

 催事の準備と称して、衣装係だの世話係だのを付けられてしまった。

 監視してるの見え見えだっちゅーの!

 ン十年ぶりの歌と舞の練習から始まって新しい衣装の仕立てだとか宝石の選定とか色んな理由を付けられて一人になる時間が無い!寝てる時でさえ見張られてるのがわかる。あの子に連絡出来ないじゃないの!


 頼みの綱はユシャだけ。

ユシャならきっと来られる。昔とは色々と様子が違ってても、大丈夫。彼女とあの方が助けてくれるはず。


 ここは、ユシャのお母様の思いが溢れている。だって、ここはユシャが生まれた場所なのだから。


 



 



 まだ、色々と表現に納得出来ないまま見切り投稿しちゃいました。また、手直し入るかもです。

 リナリナさんは今の見た目は優しそうなおばちゃまです。変装したら凄いんです····ってことでヨロシク。

ルセラはユシャに何かを託そうとしている?

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