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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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2章19 魔力が減る?

本日2話投稿します。

こちらは1話目です。


 手短に私がこの世界に召喚されてから今までの事を話してみた。

  言い忘れた事もあるとは思うけど、必要かどうかはユシャさんが判断するでしょ。


「つまり、サルタイラのカエサルがヒナさんを狙ってるって事?」

「そうみたいです」

「ああ、カエサルに二人セットで勧誘された」

「サルタイラは前からユシャのこと狙ってたからねえ」


スーリヤさんて話し方がなんだかほわほわしてる。

 ずっと黙って聞いていたフィン様が不思議そうな顔をして訊ねる。


「浮遊大陸のヒト族ってみんな魔法使えるんですよね?何故、サルタイラという団体は魔法を持たない人を嫌悪しているのですか?下の大地のヒト族が来るのが気に入らないという事ですか?」


私もサルタイラについてはよくわからない。自己顕示欲が強いのか、ただ魔法が使えない人を見下してるだけなのか?

 スーリヤさんが口を開いた。


「浮遊大陸の人間は、この何百年かの間に魔力が減ってきているんですよ。理由は分かりませんが、なんでも昔は私達位の魔力量のある者はザラにいたそうです。でも、今は魔力量の少い人は沢山いるし、魔法レベルも低い人が増えています。ですからサルタイラ以外にもそのことを嘆く古い方達はいますね」


「そうなんですか?!確かにユシャさんやエルフォンスさん、トリスタさんも魔力多いですよね。でも、私なんかは、生活に支障無ければいいんじゃないかって思ってしまうんですけど?」


 もちろんスーリヤさんやフィン様もかなり多い。警備隊の使用人の人とかは確かに少ない。でも、魔力量に差があるのは当たり前で個人差があるんだと思ってた。


「魔力が多い人でないと重要な仕事には就けないんですよ。神殿関係や公的機関とか、魔法を教える立場の教師とかね。

 サルタイラは魔力が減り上級魔法が使えなくなった人達を堕落民とか落伍者と呼んでいます。それと、サルタイラは近年、仕事や観光でやってくる下の大地の人達を排除したいと思ってるというのは聞いています。選民意識が強いのかもしれないですね。」


 スーリヤさんがなんだか悲しそうに見える。


「魔族の中でも同族で魔力の少ない者を見下す人がいるのは同じですが、排除しようなんて考えたりはしてないと思います」


 フィン様は魔法の使えない獣族のパザさん達をも大切にしている。主従関係とはいえ、認めているんだなあって感じる。カエサルって人、器が小さいんじゃない?魔力少ないからって排除しようだなんて。


 でも、知らなかった。

 浮遊大陸の人の魔力が少なくなってる···これってエネルギー問題では?つまり、私の中では魔力と言うのは電気みたいな物ってイメージがあるから。


「魔力少なくなっちゃったら生活は大丈夫なんですか?」

「生活魔法はそれほど魔力は必要無いから日常生活には不自由はしてないみたいだよ。ただ、最近はなんでもかんでも魔法道具に頼ってて、生活魔法も余り使わなくなっている。逆に魔法道具に頼りすぎて結局魔力が足りなくなることがあり魔石を購入したりしている人もいるとは聞いたよ。便利なんだか不便なんだか分からないな」

「そうだな。それに関しては俺も気になっている」


 ふぅん。そう言えば、杉下さんは街へ行く時は、魔力を込めた魔石を持っていってる。あちこちで魔力が必要みたいだ。


 魔法道具は使用目的が決まってるけど必要な魔力は少なく、生活魔法は魔法道具より魔力は必要だが、アレンジがきき色々できるらしい。

 私はまず生活魔法を覚えたい。


 確か、杉下さんが使っている魔石はエルフォンスさんが作ったと聞いた。

 ユシャさんもたまに、作った魔石をニニカの雑貨屋で売って貰っていた。

 魔石には魔法使いが作る物とモンスター(魔物)を倒すと手に入れられる物、材料とか作り方は知らないけど合成で作れる物があるそうだ。

 下の大地はモンスターの魔石と合成した魔石が主流らしい。


 毎日の生活で目一杯魔法道具を使ったら魔石何個必要なんだろう?魔石っていくらなんだろう?電気代ひと月分位?


 そう言えば、ユシャさんは自宅で余り魔法も魔法道具もは使ってなかった。何でだったんだろう?


「生活魔法道具ですか。元々、魔力のないヒト族が、生活道具のエネルギーに魔力のこもった魔石を使うことを考えついて出来たらしいですよ。」

「フィン様、魔族も同じ様な状態なんですか?」


 魔族は基本ヒト族より魔力が多いと言われている。きっと魔族の国でも魔法道具は浸透しているだろうから、同じ様な事が、起こったりしているのでは?


「確かに、魔法道具はかなり普及しています。ただ魔族は魔法が使えないと一人前とは認められませんから、子供のうちから訓練して魔力を増やしたり、家庭教師をつけたりしますし、学校でも学んでいます。上級魔法が使えるというのは魔族では高いステータスですから、ある程度、魔法が使えないと結婚も厳しくなります」


 結婚まで?!

 魔法に対する考え方の違い? 

 魔法を使えることを昔の人は誇りに思っていたということだが、段々その気持ちが廃れて来ているのだろうか? 特に中央など都会でその傾向が強いらしい。

 魔力がある程度あれば魔法道具があるから生活に困らない。だからわざわざ魔法を覚えなくてもいい。そんな感じ?

 


「ところで、ヒナさんと一緒に召喚されたという人間はどうなの?彼も魔法は使えるの?」

「杉下さんは魔法は使えません。それとルー···ルセラさんが召喚しようとしたのは私だけみたいですから」

「その彼は巻き込まれただけ?一度に、二人も召喚出来るものなの?」

「さぁ····」


「その事については、少し気になる事がある」


 ユシャさんは、ニニカに住んでいる異世界人、雨宮さんについて話し始めた。




 

 


(※若い子たちとは200歳位以下の人をさしています)

久しぶりの投稿です。

色々と気になり何回も見直し手直ししております。

また直すかも。


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