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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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2章16 また別の再会

 いつも来て下さってるお客様ありがとうございます。

 初めての方もありがとうございます。よろしくお願いします。



 朝食の時間でーす。今日は杉下さんとジュノさんが一緒です。


「ヒナちゃんおはよう」

「おはようございます杉下さん」


 杉下さんは今日も爽やか青年です。なんか眩しいです。


「ヒナさん、おはようございます」

「おはようございますジュノさん」


 ジュノさんは今日もクールビューティです。あれ?私を見て驚いた顔してる。


「「どうしたの?!眠れなかったの?」」


 二人、声が揃ってますよ?

二人にそんな驚かれてしまうほど私の顔は睡眠不足に見えるんでしょうか?

 寝るには寝たんだよ。ただ夢のなかにルーが出てきて、ずっと話してたから、確かに全然寝た気はしないんだよね。


「ケント、今日はヒナさんにはゆっくり休んで貰おう。」

「そうだね。まだ旅の疲れも取れてないのかもしれない」

「大丈夫ですよ。私元気ですし、ちゃんと寝てますから」


 二人とも私、そんなに疲れてる訳でも睡眠不足でもないんですよ~。


(ジュノ、やっぱりヒナちゃんには刺激が強かったんじゃないかな?)

(そうですねケント。トリスタさんには僕からキッチリ言っときます)


 お〜い。聞こえてるよ。もしかして、ライザさんの所のこと?あれくらい許容範囲だから。あっちの世界では、テレビでも小説や漫画でも、もっと凄かったんだから。BLだって読んでたんだから。


 BL······うほっ、杉下さんとジュノさんいい感じじゃね?そう言えば、レトさんとサライさんとか?


 あ、少し元気出てきた。




 ヒナの思考が、彼等の想像もつかない方向に向いていた事は誰も知らない。




 ということで(どういうことだ!)数日は警備隊の敷地内で散歩したりドラゴン愛でたり、たまに厨房へお邪魔してあちらの料理作って喜ばれたり、のんびり過ごしてました。


 ルーの参加する神殿イベントは2週間後だ。

 ユシャさんは殆ど毎日どこかに出掛けていく。そんなある日。


「明日、出かける」

「そうですか」


 今更ユシャさんが出かける宣言。毎日出かけてるのになんの報告ですか。


「お前も行くんだ」

「へ?」


 私も?どこヘ連れて行くつもりなの。一緒に観光にいくとは考えられない。


「あの〜どこに行くんですか?」

「いい所だ。楽しみにしてろ」



日付けはあっと言う間に変わって、今日と言う名前に変わった明日です。

 警備隊の獣車を借りてユシャさんとお出かけです。

 なんと二人乗りのオープンカー(屋根無し獣車)ですよ。二人並んで座れる御者台に後ろの荷台にはいくつかの麻袋。

 ·····警備隊内の荷物運び用ですよね、これ。

 街の中を走ると、すれ違う人達がチラチラとこちらを見てます。 

 マジ無いよね〜。荷運び用の獣車は本来こんな場所走らないから! この獣車でオサレなメインストリートをゴトゴト走るなんて若い娘にとってはちょっとした羞恥プレイでしかないから!

 転移陣使えばいいのにって思うんだけど、「俺が転移陣使った形跡残したくない」とかなんとか。訳解んないでしょ。



「もうすぐ着くから我慢しろ。他に空いてなかったんだ」

「はい···」


「そう言えば、トリスタ達とライザの店にいったらしいな」


ギクッ


「ジュノに聞いた」


 あのユシャさん大好きっ子め!チクったな。後で、虐める!


「そんなに俺の事知りたかった?」

「いや、その成り行きといいますか·····別に私が行きたいと言った訳じゃ····」


 ユシャさん明らかに面白がってますよね。怒ってはいないみたいだけど。


「ま、いいけど」


 いいんかい!



 間もなく長い塀のある道に差し掛かった。第3警備隊の塀よりは低いけど、ここもかなり広い所なんだろう。


 門の前に来た。なになに?〘ヴォイス中央大学通用門〙

 大学?裏口入学ですか!




 来客用駐車場に獣車を置き、管理人に用向きを伝え獣車の世話を頼む。麻袋の中身は獣車を引いてきた子のご飯だったようです。


 私達の他にも何組か来客があるようで、獣車を引いて来た子達が水飲み場で寛いでいる。


「ヒナ、行くぞ」

「はーい」


 ユシャさんに着いて歩いていくと、立派な建物の横を抜けて中庭に来た。広いな。

 あちこちに、緑の木々とベンチ。学生らしき人達が芝生に座ったり、本を抱えて話しながら歩いていたり、私の世界の大学のキャンパスもこんな感じなんだろうか。


 あちこちに何組か人が集まって話をしている。

その集まりの中心にいる人は皆、青緑のローブを着ている。


「あの青緑のローブを来ているのは大学の教授だ。目的の人物は····あれだ」


ユシャさんが向かう先には同じく青緑のローブを着た藍色の長いストレートヘアの人。予想に違わず美人さんです。

 学生達に質問攻めにあっているようだ。


「スーリヤ、いいか?」

「ああ、ユシャ、いらっしゃい」


 周りの学生が騒めく。ユシャさんの名を聞いて驚いてるみたいだ。ユシャさん有名人みたいだからね。


「悪いな、来客だ。皆、今日はここまで。明日は2時限目にクラスがはいってるから、質問はその時に」


 学生達が名残り惜しそうに離れていく。人気の教授なのか、ユシャさんが気になるのか。


「スーリヤ、時間は大丈夫なのか?」

「ああ、研究生がいるが信用出来る人物だから心配無いよ。まずは私の研究室へいこう」


 二人が先に行くので私はちょこちょこと追いかけて行く。コンパス違い過ぎ!


 この人達、まともに女の子と付き合ったことがないに違いない。女の子に対する気遣いってものができてない。


「あ、悪いヒナ。すぐそこの建物だから慌てなくていいぞ」


 あれ?聴こえたかな、心の声が。




 中庭から離れ少し奥に行くと二階建ての建物。見た目は古く、レンガで出来ているようで、壁にはそこかしこにツタが張り付いている。なんかノスタルジック。


 入口らしい扉がいくつかあって、二階建てで、おしゃれなマンションみたいだ。扉には、それぞれ、ネームプレートがついている。これ、それぞれが研究室みたいだ。


 キョロキョロしてたら二人は先に進み、ひとつの扉を開けた。


「さ、どうぞ」


 ここがスーリヤさんの研究室らしい。中に入ると小さな待合のようなスペースがあり廊下へと続いている。


「この先の3番目の部屋にいくよ」

「ほら、ヒナそこだ」


 ユシャさんが言った部屋の前には小さな影が···あ、あれは·····


「パザさん!」


 


 



もっともふもふが書きたいのですが、もう少し我慢。パザさんやっと出ました。クーリーのことももっと書きたい。あの子はつるつるですけどね。

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