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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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2章13 魔霊樹と神殿

 おいで下さってありがとうございます。引き続き楽しんで頂けますように。


あれ?トリスタさんのお仕事って?確かアドゥーラにお勤めですよね。公務員とかサラリーマンみたいなかんじじゃないのかな?

なんで固まっちゃうの?聞いちゃいけなかった?


「······」

「?」


ジュノさんは無表情。杉下さんはトリスタさんとは初対面だから知らないみたいだし····あれれ、実は裏のお仕事だったりする?SPとか、工作員とか。


 (トリ、ヒナちゃんお前の仕事知らないのか?)

(う〜ん、どうやらユシャさんは言ってないみたいだねえ。知ってるかと思ってたんだけど···なんで言ってないのか···)


 二人のひそひそ話、聞こえてますけど?私が知っちゃいけないってことだったのかな?


「一応、アドゥーラの広報課という部署に所属してるんだけど、ヒナちゃん、まあ、色々と大人の事情がありまして····帰ってから教えてあげるよ」

「ご、ごめんなさい。こんな所でしていい話題じゃなかったみたいですね」

「トリスタ、バカ正直に全部言わなくていいんじゃないのか(小声)」

「あ、そうか。そうですね先輩」


 トリスタさんは私が知ってると思ってたので少し驚いただけだと、逆に謝ってくれた。

 逆に気を遣わせてしまった。申し訳ない。かなりヤバいお仕事なんですかねえ。


「以前、ユシャさんがヒナちゃんには余り余計な情報知らせない方が良いって言ってたな。そうか、そうだよな」


 トリスタさんが何か呟いていたけど、よく聞こえなかった。何だろ?

 お仕事のこと聞かなきゃ良かったとマジ後悔。あんなに焦らせるとは思わなかった。




 ヤクトさんが息子さんの勉強になるからと、私達の買い物についてきて、なんとも賑やかなショッピングタイムとなった。


その後、ヤクトさん達のお勧めの店に行きランチをご馳走になった後、別れた。ご馳走さまヤクトさん。



「次は神殿を見に行こう」


 神殿?トリスタさんの言葉に反応してしまう。ルーが居る所!

 首都観光の目玉であり、この大陸クレッシェンドのシンボル魔霊樹のある場所。魔霊樹を中心に円形に広がる神殿の建物はそれは美しく、土産物の絵や置物は大変人気なのだそうだ。


 『ヒナちゃん、そういうのに興味あったんだ』

『いや、折角だから話のタネに見たほうが良いかなーなんて····杉下さんはどうなんですか?』

『神社仏閣は余り興味は無いけど、ここの神殿は見てみたいかな』


杉下さん今まで神殿には来てなかったんだ。初神殿ですね。楽しみ。


 ジュノさんは街なか以上に人が混んでる事があるから余り行きたくないとボヤいていたけど、トリスタさんに押し切られてついてきた。





 なんだこれは!


 めっちゃ広いしでっかいし豪華絢爛って言葉がよく似合う。神殿と言うよりどこのマハラジャの宮殿だー!

 しかも魔霊樹でっか!異常にでっか! その迫力に圧倒されてしまう。

 



 商会に一番近い転移陣から観光が許されている神殿の入口、正門前に転移した。

 そしてその正門前で、私と杉下さんはポカンと口を開けてその巨大な魔霊樹と神殿を見つめること数分間。(後で聞いたら2分位だったらしい)


 その時の感想が先程のセリフ。


「そんなに感動してくれるなんて連れてきた甲斐があったよ」


 トリスタさんが満足そうだ。

 感動?確かにおどろいたし、感動なのかな?この奥にルーがいるんだと思うとなんか不思議。


 ジュノさんが門の横のチケット売り場で入場料を払ってくれた。

 やっぱり有料だったか。あちらの世界でも、大きい有名なお寺とかは殆ど有料だもんね。


「二人とも呆けてないで中に入りますよ」


ジュノさんに急かされて門を潜る。

白い半円型の門は黒い格子の扉があり、チケットを見せて開けてもらい中に入る。


思ったよりしっかり出入りを管理してる。


 参拝気分で周りをキョロキョロしながら歩く。

 私達と同じ観光客らしい人達が沢山いて参道は広いけど結構な人出だ。


 参道の両脇に綺麗な噴水池があり正門から神殿前広場までは、背の高い魔霊樹に似た緑の葉の背の高い木が等間隔に並んでいる。神殿前の広場は花壇がポツポツあり鮮やかな色の見たことない花が咲いている。


 神殿の入口はギリシャ神殿みたいな大きな柱が並び、その奥に扉がいくつかある。

 その神殿前の広場にも観光客らしき人達が沢山いる。

 そしてその人達が集まっているのはなんだかイベントグッズを売っているような屋台っぽいコーナーだ。

 商魂たくましいな神殿。


「今日は巫女の祈りの舞がないから、人出は少ない方だよ」

「トリスタさん、なんですかそのイベントは?」

「ここの広場で定期的に巫女見習い達が魔霊樹に歌や踊りを奉納するんだ。あそこの舞台でね」


見ると神殿のある場所から伸びたランウェイみたいな通路の先に丸いステージがある。


『···杉下さん、あれって』

『ヒナちゃん、みな迄言うな。聞いた話によると、巫女とか巫女見習いは僕らの世界のアイドルにあたる存在らしいんだ』


 そう言えば、ルーを初めて見た例の映像は、アイドルのライブイベントのようだった。


 突然、建物の中から一人の男の人が出てきて。掲示板らしき物に紙を貼っていった。

 何人かが吸い寄せられるように集まったと思ったら、急に歓声が上がった。


「多分、新しい催事の告知でしょう」


ジュノさんは、巫女とかは余り興味無いみたい。


「ああ、あれでイベントの告知するんですね」

「それにしては騒ぎ過ぎだな。何かあったかな?」


トリスタさんが見に行こうとしたけれど、後から後から人が集まって前にいけない。私なんかは魔法で何とかできないかと思うけど、神殿内は神殿関係者以外は魔法使用禁止だそうです。


 ジュノさんが通りかかった人に声をかける。おや、ジュノさんも驚いている。よっぽどの事があったのか?


「大変です!凄い事です!」


 えっ?クールなイメージのジュノさんが興奮してる。


「次の催事に白巫女のルセラ様が参加されるそうです!」

「ええっ!」


 ルーが出る?


「それってそんなに凄い事なんですか?」


 杉下さんが尋ねる。

 確かにルーも巫女だし、出てもおかしくはないと私も思う。


「白の巫女になったら神殿の奥深くで暮らし一生魔霊樹のそばに居て、外に出られない決まりなんですよ。だからこれは、異例中の異例です」


 あ、そう言えばルーの映像見た時先生がそんなような話をしていたようなしていなかったような······てことは、約100年振り?


 もしかしたら生のルーに会えるかも?!







 トリスタさんは所謂、公務員ではありますが、特別任務があります。それ以外は結構自由に動いています。

神殿はインドや東南アジアの世界遺産をイメージしています。プラス私の勝手な想像で出来てます。

 趣味てんこ盛りの物語、ご都合主義でごめんねごめんね~

 多少暑さにやられてるかも·····

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