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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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2章10 彼の事情1(ジュノ)

本日は2話投稿です。1話目!


  (ユシャ視点)


 今日はトリスタがヒナ達を街に連れて行くことになった。

 ジュノも一緒に行くという事だが、大丈夫だろうか。いいヤツなんだが、問題がある。それと、ここの他の隊員と同じく、俺を過大評価している。俺に夢見過ぎだ。

 だいたい周りが騒ぎ過ぎてこうなったのだが·····


 ルーが何を考えてるかも気になる。ヒナを巻き込んだ理由とか、追求しないと。

 それと、コーリンも絡んでいるのだとしたら······目的が全然見えない。

今更だが、もっと二人と話をすれば良かったと思う。

 エルとトリスタには迷惑をかけてばかりだ。


······ヒナはケントと一緒にいる方がいいとは思う。しかし、ヒナはニニカを気に入っているし、友人もできたと喜んでいたからニニカに戻りたいのかもしれない。

 どうする····。

 





************




 朝食を終えた私達は談話室に移動した。

 前準備として、トリスタさんの魔法で髪の色と目の色を変えて貰うためだ。

杉下さんも街に行く時は隊員仲間にお願いして髪と目の色を変えてもらっているそうだ。


 変装魔法は化粧魔法が出来るようになれば、すぐ出来るようになるらしい。ニニカのお姉さんたちこそ、その道のプロフェッショナルなのだ。


 それにしても、私ってばニニカでは雨宮さんもいたし皆が普通に接してくれていたから、気にすること無く過ごしていた。

 スタラーダでは、観光客にも黒髪は結構いるので目立たなかった。


 でも、首都では黒髪、黒目は殆どいないし珍しいので注目を浴びてしまうのだそうだ。そこで変装魔法なのです。


 玄関に行くと、ジュノさんが待っていた。

 

「お待たせしました。おはようございますジュノさん」

「いえ、おはようございます」

「ごめんジュノ、遅くなった」

「ケント、気にしなくていい。来たばかりだ。今日はトリスタさんに魔法かけて貰ったんだね」


 明らかに態度に差がありますねえ。まあ、殆ど初対面の人間と、しばらく一緒に暮らしてる人間とじゃ対応に差があるのは仕方ないのかもしれないけど、モヤモヤする。


「じゃ、行くか。もう少しで乗合獣車がくるだろう」


 町に行くには転移陣か乗合獣車を使う。今日は乗合獣車で行く。

 門のすぐ前に停留所があるのだ。


 ジュノさんがエルフォンスさんとユシャさんから今日の軍資金を預かっていて支払いは全部そちらから出してくれるという事だ。ラッキー!


「俺の分もいいの?」

「もちろん。ケントの分もありますよ。足りない物があれば今日買うようにということです」

「俺は?俺は?」

「トリスタさんは食事代だけですが、預かっています」

「買い物はダメなの?そう、お酒もダメなんだ。ジュノくん可愛い顔して厳しいな〜」

「な!顔は関係ないでしょう!」


 トリスタさん残念そう。何か買いたい物あったのかな?でも、さすがに昼間からはお酒は遠慮して下さい。


 ジュノさん、トリスタさんや杉下さんとは普通に喋ってるよね。

 やっぱり私のこと嫌ってる?ちょっと凹むぞ·····



4人で門まで歩き、乗合獣舎を待つ。この停留所を使うのは、だいたい第3警備隊の関係者だそうだ。

 通いの使用人や下働きの人がいるらしい。


乗合獣舎から何人か降りてきた。杉下さんやジュノさんと挨拶してる。

知り合いみたいです。あ、警備隊の宿舎で働いている人だって。


 乗客は私達4人だけだった。

 私の隣に杉下さん、反対側にジュノさんとトリスタさん。

 うっ····私の向いにジュノさんて、気まずい。


 トリスタさんが杉下さんに、どこに行くかとか今日の予定について話している。ジュノさんは窓の外を見ている。仲間に加わる気はないんだ。


 ジュノさんは、格好良いというより綺麗な子だ。美人っていうのかな。さすが、横顔も綺麗。近くで見ると本当に綺麗な男の子だ。


 ユシャさんにはめちゃ笑顔で話しかけてたよね、あなた。

 まさか、ユシャさんにマジらぶ?

だから、側にいる私に対して素っ気ないって言うか完全無視なのか?

 うわっ萌えっ!脳内がBL仕様になってしまった。


 一人、妄想の世界に浸ってたら、トリスタさんがジュノさんに声をかけた。


 「なあジュノ、ヒナちゃんは大丈夫だろ?」


 はい?私のこと?大丈夫って?


「ト、トリスタさん!」


ジュノさんが真っ赤になってる。何の話してるんだ?杉下さんが、困ったように顔を背けた。


「ジュノは女性が苦手なんだ」

「トリスタさん!今それを言わなくてもいいでしょう!」


え?え?え?えっと、苦手ってもしかして女性恐怖症とか、女性不信とか?


「ジュノ、ちゃんと説明した方がいい。お前のヒナちゃんに対する態度を見てたら誤解するだろう?」


「·······わかりました」


 えーっと。何なんでしょうか?


「あ、あの、ヒナさん。昨日からの僕のあなたに対する態度は非常に何ていうか失礼だった事は自覚しています。あの·····ごめんなさい」


·····謝られてしまった。


「僕は女の子が怖いんだ····」


 

 はい?····目が点·····






余り触れていませんがヒナちゃんBLも嗜んでました。

ガッツリって程ではないですが腐女子です。

ジュノさん女装が似合いそう。

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