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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第2章
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2章7 美味しい魔力

 今回は、出演者が多めです。ほとんど喋らない人もいますが。

見直しに時間がかかってしまった。休みでよかった。

 でもまた、改稿有るかも。


つまり、エアードラゴンのクーリーは私の魔力を嗅ぎつけて『わあ、美味しそうな魔力がある〜(はぁと)』と脱走した···と?


杉下さん達が『どういう意味?』って顔してるよね。

杉下さんはもちろん、サライさんレトさん、それにジュノさんも私に魔力があることは知らないはず。


 だって異世界人には魔力が無いのが定番なのだから。

雨宮さんや杉下さんにも無いなら私にも無くて当たり前。

なのにユシャさん何ぶっちゃけてんの!

 ユシャさん、自分の失言に気がついてます?私、杉下さんにまだルーの事も話してないんですよー。


「私のせいだ。すまない」

「「「「「えっ?」」」」」


何故か、エルフォンスさんが謝ってますけど〜!


「隊長、何ですか?」


 サライさんツッコミ早い!

 エルフォンスさんが、杉下さんや私に分かりやすいように説明をしてくれた。


 エアードラゴンは実は精霊や聖獣に近い生き物で、魔力または魔素を食べる。

 大人は雑食で、魔素の他、普通のドラゴンの食べ物も食べられるらしい。

 しかし、子供の頃は魔力しか受け付けない。未熟な子供の身体だと魔素を取り込んでも、すべてを魔力に還元できないからだ。

そのため子は親から魔力を食事として貰う。母乳代わりか?

 これは第3警備隊のみが今回知った情報で、実はまだ外部には発表されていないそうだ。


 そして、最初にクーリーを引き取った部署では、それがわからなかったのだ。

 クーリーはここに連れて来られた時にはとても衰弱しており大変危険な状態だった。


これは私が知っていい情報じゃないと思うんですが、いいんですか?


「クーリーは魔法研究室のドラゴン研究者が預かってたんだが、どうしていいかわからないまま、クーリーがどんどん弱っていったんで、うちならドラゴンの扱いに慣れているだろうと言って連れてきたんだ。おせーんだよ。連れてくるなら最初から任せろよってんだ」


レトさんお怒りです。


「扱いに困って、うちに押し付けたんだ。最初に見つけて保護したのはうちの隊員だったのに、色々理由こじつけて無理やり連れて行ったのは向こうなんだ!それを、あの子があんなになるまで·····」


ああ、サライさんもかなりお怒りの様子。


「レトがいなかったらあの子は生きていなかったかも知れない。凄く痩せているのに、何を与えても吐き出して水さえも受け付けなかった·····」


 そんな危険な状態だったなんて。

レトさんて若そうだけど凄いんだ。思わず尊敬の眼差しを向けてしまう。

 それなのに、元気になったら、また寄越せって?レトさんも一緒に。

 


「アイツが『お腹空いた。魔力ないと死んじゃう』って言うから、やっとわかったんだ。魔力を食べるって。今までエアードラゴンの生態なんて、まるっきり知られて無かったんだから当たり前っちゃあ当たり前かもな」


「え?言ったって?」

「レト、ドラゴン喋ったのか?」


私と杉下さんが思わず疑問をぶつける。

他の皆は知っていたらしく、あ〜あって感じになってる。

レトさんが思わず口元押さえてヤバッて顔してる。


「仕方がない。ケント、ヒナ。二人ともここだけの話にしてくれると助かる」


 杉下さんと私はコクコクと頭を上下する。

やっぱり聞くべきじゃない話だったのね。


 エルフォンスさんが再び話し始める。


「サライとレトはテイマーが多い一族の出身なんだが、その一族には、稀に特殊スキル持ちが生まれるそうだ。レトはその特殊スキル持ちだ。彼のスキルはドラゴンと会話できると言うものだ。ただ、公にはしていない」


う、羨ましい。そんなスキルがあるなんて。テイマーって動物を飼い慣らして使役する仕事だったっけ。


「最初は世話をしていたレト達隊員が魔力を与えていたんだが、激務がつづいて隊員達の魔力が少なくなっていた時·····」


少なくなっていた時····


「·······私が魔力を与えた」


はあ?


「仕方無いだろ!ここで一番魔力が多いのは俺なんだから!」 


エルフォンスさん一人称が俺になってる。

······なんか、最初のイメージと違うな、エルフォンスさんて。


「クーリーが隊長の魔力って多いだけじゃなくて美味しいって言ってた」


 レトさんの言葉になんか納得。麗しい方は魔力も美味しいのか。


「でも、一番美味しいのはユシャさんだって言ってたよ」

「レト!つまんない事バラさなくていい!」


へえ〜、ユシャさんもあげたことあるんだ。だから、懐いてるんだ。

 そしたら、私も魔力あげたら懐いてくれるのかな?ヤバい!試したい!


「だったらやっぱり悪いのはユシャだろう。ユシャが来たのを嗅ぎつけて脱走したんじゃないのか?」

「な、エル。お前が最初に魔力やったから口が傲ったんだろうが?」


あ、二人だとこんな風に会話するんだ。


「隊長、ユシャさん。もう良いですから、俺達の監督ミスです。すみませんでした」


最後は何故かサライさんが謝って終わった。

サライさん大人〜。


おかげでユシャさんの『ヒナのせい』っていう迂闊発言は有耶無耶になった。


一応私は魔力を抑える魔具を着けている。ニニカだと私が魔力持ってるのは暗黙の了解だったけど、他所では不味いということで、ユシャさんからバングル型の魔具を渡された。


 最初の頃は魔力も少なくて、誰にも気にされなかったけど、今の私の魔力はあの頃の10倍以上になってる。


······ということは、クーリーは私の魔力目当てで脱走したって言うのが正しいのかな?魔具にも関係なく離れていても魔力の味とかって分かるもんなのかしら?食欲の為せる技? 

クーリー恐るべし。食いしん坊ドラゴン。



食事の後、ユシャさんはエルフォンスさんと話があるからと別室へ。


ジュノさんは食事が終わると宿舎へ帰ってしまった。

 やっぱり私ってジュノさんに嫌われてる?


私と残りの三人は応接室を借りてしばらくドラゴンの話や杉下さんがここに来たばかりの頃の話をした。


トリスタさんは私達が部屋に帰る時間になっても来なかった。

お仕事忙しいのかな?

残業とか?うわ!ここの世界でもそういうことあるの?お疲れ様です。


ユシャさんとエルフォンスさんは、まだ話してるみたい。仲がよろしいことで。


·······決して嫉妬してるわけじゃないからね!










 実は、エアードラゴンは聖獣に近い存在の為、今のヒナなら会話できます。

 レトくんのはスキルです。今の魔力はヒナの方が上です。

 このメンバーだとヒナの魔力はユシャさん、エルフォンスさんに次いで3番目になります。

 ちょっとネタバレ。


読んで下さってありがとうございます。 m(_ _)m

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