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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第1章
46/114

黒幕登場

投稿予約していましたが、出来てなかったのであせりました。

あの方が出てきます。


つまり、ビオラークラを誰かが飼っている?誰が?何のために?


「ああ、お待たせしました。楽しんで頂いてるようで良かった」


突然、上の方から聞いたこと有るような無いような男の人の声。

別に楽しんでないって!


『ヒナ、誰あれ?知り合い?』

「ううん、知らない人」


見たこと有るような無いような男の人が現れた。ビオラークラの上から?

···ちゅうか、お前が黒幕か~!


「そう言えば、あの時名乗っていなかったですね。カエサルと申します」

「私達どこかでお会いしましたっけ?」

「西の小さな町のお祭りでお会いしましたが、ご記憶でないと?この私の様な美しく気高い貴人を忘れてしまうとは美意識に欠けているのではありませんか?」


なんちゅうナルシーな男の人なんだ。ん?お祭り。

あ、そうだ。


「あの時のナンパ野郎!」


ユシャさんのお兄さん(多分)と一緒にいた顔の濃い人だ。

ユシャさんのお兄さん(多分)はホテルの屋上ビュッフェで吟遊詩人として歌ってた時ガン見してたから覚えた。


「ナンパ野郎だと?!失礼な!」

「カエサル様落ち着いて下さい。僕のクレメンティーナが怯えてしまいます」


あ、もう一人いた。

ていうか、二人ともビオラークラの上に乗っている。

やっぱり飼われてたのよね?ペット?


「あの、クレメンティーナと言うのはもしかして、その、あなた方の乗ってるクラゲ、じゃなくてビオラークラのこと?」


カエサルとかいう人の後ろにいるもう一人の男の人が嬉しそうに答える。


「そうだよ。僕のクレメンティーナは美しくて立派だろう。今、卵を抱いているからとてもデリケートな状態なんだ。余り刺激しないでくれないか」

「私は迷い込んだだけです。すぐに帰りますので、出口を教えて貰えますか」

「ああ、それなら·····」

「いやいや、お帰りいただくわけにはいきませんね。貴女は私がここに招待したのですから。タヤ、もうお前は黙ってなさい」


うん、なんとなくそんな気がしてた。間違いなくあなたが黒幕ですね。あのアサシンレディのボスでいいのかな。

じゃあ、ユシャさんのお兄さんはこの人達の仲間?


「私に何の用があるんですか?」

『ヒナ、こいつ強いよ。ヤバいかも』


ジャオさんがかなり彼を警戒している。向こうはジャオさんが精霊であることを認識していないのか全然気にしていない様子。


「私の元に来るがいい。高待遇でむかえてやる。何なら私の妻にしてやってもいいぞ」


は?何言ってんですか突然。


「嫌です。何故、私を?だいたいあなたは何がしたいんですか。私はあなたのこと全然知らないし、いきなり、こんな所に誘いまれて怒ってるんです。一体どういうつもりなんですか?」


彼は私が彼のことを知らないとは思わなかったようで、驚いたような顔をしている。


「ユシャ殿は貴女には何も知らせていなかったのですか。ニコラス殿に会ったから話は通じていると思っていたのですが·····ふぅむ、それは失礼しました」


ユシャさんとはお知り合いなんですか。


「それでは、改めて自己紹介を。私はカエサル・モルダラーハ。魔法研究組織サルタイラ党代表。中央議会下院議員であり東の貴族モルダラーハ家の次期当主。中央魔法大学を優秀な成績で卒業し····(中略)····です」


なんて長い肩書なの······


「私は魔獣使いのタヤといいます」

「お前は名乗らなくていい」


タヤさんて魔獣使いなんだ。というかモンスターおたくみたい。


そう言えばサルタイラって····聞いたことがある。確かユシャさんのこと勧誘してたんじゃ?確か最初に会った頃、私をサルタイラとかの回し者じゃないかって疑ってたし。


「あなたの狙いはユシャさんなんじゃないの」

「もちろん、ユシャ殿は喉から手が出るほど欲しい人材だが、貴女に会って、ユシャ殿と貴女両方欲しくなったんですよ。ユシャ殿は何故か貴女をとても大切にしているようなので、貴女を手に入れればユシャ殿も手に入ると思いましてね。」


いや、ちょっと違う気がするけど、まあ訂正はしないでいいか。面倒くさいし。


「ユシャさんは凄い魔導師らしいからわかるけど、なんで私なの?私なんてユシャさんの囮にはならないですよ?美人でもないし、ロクに魔法だって使えないし、女として認めても貰えてないんだから」


「ふっ、貴女には自覚がないらしい。その魔力量、前より増えていますね。この世界に短い時間でそこまで増えるなど普通なら有り得ない。そしてその美しいオーラ、まるで白の巫女でも最高峰と言われるルセラ様を彷彿とさせる。貴女はとても貴重な存在なのですよ」


ルーの所為か!

わかる人には分かってしまうってことなのね(汗)私はルーの力がなければ普通の女の子なんだから。あ、自分で色々言っといて、ちょっと凹んできた。


「ユシャ殿も間もなく来るだろう」「え?ユシャさんが?」

「子供が3人も行方不明なんです。探しに来るのは当然でしょう」


そうだった。アベルくんとオリオンくん。大丈夫だったかな。つまり、彼らは私のせいでここへ来ることになったのか。


「いくつか質問したいんたけど」

「私に答えられることならば。ああ、でも言いたくない事は答えませんけれど」

「それでいいです」


ユシャさんが本当に来るなら私は捕まる訳にはいかない。人質にされるなんてあり得ない。話をして気をそらして距離を取っておこう。


「私の友達は無事なの?」

「あの二人は洞窟の途中で眠って貰っていますよ。もちろん無傷です。彼らも大人になったら、うちに勧誘したいくらい優秀な人材ですからね」


途中ではぐれたとか思っていたけど、故意に引き離されたんだ。でも、無事なら良かった。


「それと最初に聞いたけど答えてもらってない。何がしたいの?」

「う〜む。それに答えるのは貴女達が私の仲間になってくれたらっていうことで」

「えーっ!ケチ!」

『ブギュルルル』


え?私の声に反応したのかビオラークラが鳴いてビックリした。


「クレメンティーナ落ち着いて。カエサル様まだ終わりませんか?知らない人がいるのでクレメンティーナが興奮してます」

「煩いぞタヤ。ほら、貴女はヒナとかいいましたっけ?早く返事しないとこいつの餌になってしまいますよ」

「ひえっ!クレメンティーナに人は食べさせないで!」

『ヒナ、僕もうダメ······』

「ジャオさん!」


ジャオさんの限界が来たらしい。私達を乗せて浮かんでいたシャボン玉はパチンと消えジャオさんも私の中に戻った。

当然私は下に落ちるわけで···


「きゃあ!」


さっきまで、ジャオさんの水魔法のシャボン玉を風魔法で移動させフワフワとビオラークラの脚攻撃を避けていたけれど、気がついたら高さが2~3メートル位まで浮き上がっていた。

これは落ちたら痛い!下は岩だし!


思わず目をギュッと瞑る。まだまだ魔法に不慣れな私は咄嗟に術なんて使えない。


『フロート(浮遊)!』


あれ?浮いた。というか、その声は。


「間に合ったな」

「ユシャさん!」

「ユシャ殿!」


ユシャさんが···来てくれた····


浮いていた身体がゆっくりと下に降り、足が岩場に着いた。何よ、ヒーローかよ!タイミング良すぎ!


「ユシャさん!」


足が下についたのでユシャさんに駆け寄る。

なんか、ユシャさん服ボロボロなんですけど?まあ元気そうではあるけど、顔も汚れてるし、ホコリまみれっぽい。


「ユシャさん一体何があったんですか?あの····大丈夫ですか?」

「お前よりは大丈夫だ。ここに着くまで随分とご丁寧なもてなしが用意されてたので少し時間がかかった。セコい罠がた~くさん用意されてたからな」


うわっ、実はめっちゃ機嫌悪い?

後でお説教間違いない。


「ユシャさん、ごめんなさいごめんなさい。私がアベルくん達を止められなかったから」

「心配するな。二人とも無事だ。しかも操られていた。ヒナを連れ出す様、指示をされていたようだ」


そうだったんだ。でも、私のせいで皆を危険な目に合わせてしまった。


「カエサルどういうつもりだ。ヒナを巻き込んで何をする気だ。しかもこんな所でモンスターまで飼ってるとはな」

「それは貴方達が仲間になってくれたら色々お教えしますよ。彼女と一緒に私の元においでなさい」

「断る!」


即答ですねユシャさん。カエサルさんの事嫌いなんですかね?彼、ちょっと傷ついてますよ。


「こちらには、コーデリオン殿もいるんですよ。私達と一緒に世界を変えましょう。貴方達がいればその理想も叶う日が近くなると思うのですよ」


はぁ?世界を変える?随分大きく出たわね。


「ばかなことを···」

「あの、世界を変えるってどうするんですか?」

「もちろんこの世界を魔法で埋め尽くすんですよ」

「はいぃ?」

「魔法を使えない奴らなどいらないでしょう。この世界を我々魔法を使える人間が支配するのですよ。もちろん下の大地も含めてね」


何この人?魔王にでもなるつもりなの?世界征服夢見てるってか?

かなりイタイ人ですか。


「えっとタヤさんていったっけ?あなたもそう思ってるの。」

「おれは、今はクレメンティーナの子供が無事産まれてくれればそれでいい。カエサル様は子供達も育てて良いって言ってくれたんだ」


「それって···その子達世界征服の戦闘要員になるんだよね。それでいいのタヤさん?」

「···おれは···」

「バカッ!タヤ、気を抜くな!ビオラークラが!!」


『ブァオラァァァ!』


ビオラークラの脚が光り始めた。光の点滅が早い。

妊婦はストレス溜まりやすいって言うからキレた?

あ、産後か。

あの光は何かの攻撃の前兆か?


「不味い。俺の魔力は大分削られてるからヤツの放電を防ぎ切れないかもしれない」

「放電?!そんなに凄いものなんですか?!」

「雷魔法の強力なヤツが来るぞ『完全防御(パーフェクトガード)』」


凄い!バリバリと音を立てながら稲妻が洞窟内を走る。


「タヤなんとかしろ!」

「クレメンティーナ落ち着いて!卵が感電しちゃうよ〜!お家壊れちゃうよ〜!」


電撃が飛び交い洞窟の壁に当たり壊れた岩の欠片が降ってくる。

ユシャさんのガードに電撃や岩が当たっては弾かれている。

物理と魔法両方防げるみたいだ、凄い。


ユシャさんの後ろで私は隠れていることしかできない。ユシャさんはいつまでもちこたえられるのか?

私の魔力はまだ何とかあるけれど、防御魔法はまだバリアしか使えない。


「お願いだから落ち着いてクレメンティーナ!卵が、卵が!」


タヤさんが必死でビオラークラを落ちつかせようとしてる。

彼はホントにただのモンスター好きな人かも。

彼女も流石に自分の周りは気を使ってるみたいだけど、卵がいくつか焦げてしまっている。


バリバリバリッ!


再び大きな電撃が、こちらをめがけて飛んで来た。さっきより強力みたいだ!

ユシャさんのガードが揺らぐ。






お読み頂きありがとうございます。

次も早めに行けるよう頑張ります!

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