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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第1章
24/114

微・覚醒

戦闘シーンがあります。苦手な方はパスして下さい。

戦闘シーン難しくて何度も書き直しております。

再度書き直すかも。

文才が欲しい…

バアーン!


入り口扉がバリアごと壊された。


「「「キャアア!」」

「「うわぁ!」」

「来たわよ!」

「ヒナ、後ろへ!」


冷静なのはオルガさんとミーク。二人の構えはまるで戦士みたいだ。

男3人、女1人が店の中に踏み込んで来た。男の人のうち1人がユシャさんに変装していたようだ。似てるけど別人だとわかる。ちょっとお粗末なモノマネ師って感じだ。でも声は似てたかも。


「擬態魔法の一種で変身していたみたいね。何者なの?」

「お、お前ら、オルガに手を出したら許さないぞ!」


雨宮さん、威勢はいいけど足と声が震えてるよ···


「ここは私に任せて!皆は裏口から逃げて。マイラさんみんなをお願いします。」

「わかった。ミークあんたも気をつけて。」


ミークもマイラさんもなんかかっこいい!


「逃がさん!アースウォール!」


裏口はへ厨房を抜けないと行けない。厨房に向かう通路前に土の壁が出来た。結構魔法もレベル高いみたいだ。

マイラさんが魔法で壁を壊そうとするが簡単には壊れない。ミークはみんなを庇うように前に立つ。


この人達は、ユシャさんを装って私を外に連れ出そうとした。ということは私が目当てだ。だったら私がここを離れれば、みんなに危険はない。


「待ってミーク!お願い私と逃げて!この人達、私が狙いみたいだから!」

「ヒナ?」

「ヒナちゃんダメよ。みんなで一緒にいた方がいいわ!サンダーブレイク!」


オルガさんの魔法でなんとか壁が壊れた。でも、オルガさんキツそう。ただでさえお祭りの準備や片付けで疲れているのに、魔法を使ったりしたら負担が大き過ぎる。私のためにオルガさんやお腹の赤ちゃんや皆を危険に晒すなんて嫌だ。それに私でもこの人達が結構強いのはわかる。無理に戦わない方がいいと思う。

でも、私とミークが逃げるだけなら、何とかなるかもしれない。


「ミーク!お願い。」

「わかったわ、ヒナ」


ミークが頷く。直後、ミークは素早く前にいた男に蹴りを入れる。思わず怯んで避けた男の脇をすり抜けようと私の手を引いて走り出す。しかし、すぐその後ろにいた男が私の手を掴んだ!やばい!思わず掴まれた手に力が入る。


「そう簡単に逃がすか!」

「いやっ!」


バチバチバチッ!


「うわあ!ぐぇっ!」


掴まれた私の腕から電気のような青白い光が発生し、手を掴んだ男は後ろに弾き飛ばされた。

えーっ!?私何かした?


「逃がさない!」


今度は女の人が何か魔法を使おうとしている。


「させないわよサイレント!ストップ!」


オルガさんが魔法を使った。それって確か某ゲームにあった魔法を使えなくする魔法と動きを止める魔法だ。でも、今のオルガさんには、魔法の連打はキツかったらしく辛そうにしゃがみこむ。



「ヒナ今のうちに逃げるわよ。オルガさんマイラさん無理しないで下さいね。」

「二人ともダメよ!ヒナちゃん、ミークちゃん!」


私達は破られた扉から外に出て、祭りの運営委員会本部に向かった。オルガさん、迷惑かけてごめんなさい。




****




「(ヒナちゃん、いつから魔法が使えるようになったんだ?)」

「(そんなこと聞いてないわ。あなたと同じ異世界人だから使えないはずだけど、あれは魔法だったわね。ユシャくんが何かやったのかも?)」


ヒナとミークが逃げ出した後、すぐにそれを追って奴等は店から、出て行った。

残された雨宮とオルガはボソボソと内緒話をしていた。オルガは雨宮がイスを並べた代用ベッドに横になっていた。お腹の赤ちゃんは大丈夫なようだ。


「ヒナちゃんて凄い魔法使うんですね。マイラさん」


シャロンが片付けをしながら話しかける。


「えーっと、あの、私も全然知らなかったです。オルガさん知ってました?あれ、ひょっとして上級魔法じゃないですか?」


聞かれても、知らないとしか答えられないマイラはオルガに話を振る。


「あはは、そうみたいね(私だって全然知らなかったわよ。ユシャくんホントに何やったのよ)」


オルガも知らないので笑って誤魔化した。あれだけの強力な魔法をヒナが使うなど思いもせず、少し混乱していた。




***********



「待てえ!」

「待てと言われて待つバカはいないでしょう!」

「ヒナ、いちいち相手しなくていいよ」


変なツッコミを入れながら逃げる二人を、先程ヒナが弾き飛ばした男達も含め計4人でヒナ達を追ってくる。周りの家はモンスターを避けるべく固く扉を閉ざしバリアで更に補強しているようだ。誰も道に出ている者はいない。

戦える者は多分モンスターのいる最前線に出ているのだろう。どこかで戦っているのだろう、微かに声や音が聞こえてくる。

ミークに手を引かれ走りながら、ヒナはさっきの不思議な感触を思い出していた。

あの男の手が私の腕を掴んだ時、身体の中を何かが流れ腕から放出された。『私に触らないで』そんな事を頭の中で言った気がする。あれは、魔法?私、魔法を使った?

それより、ここはどのあたりなんだろう。追いかけられて入り組んだ路地に迷い込んだみたいだ。なにせ、ミークも私も、もともとこの町の住民ではない。町の奥まではよく知らない。


「あっ!」


さっきのユシャさん擬きが私達の前の道に、上から飛び降りて来た。家の屋根を渡って先回りしたようだ。後ろからも他の3人が追いついてきた。


「心配しなくていい。丁重に扱うように言われている。大人しくしていれば手荒なマネはしない。」

「何が丁重によ。人攫いの常套句ね。どっちにしたってヒナを誘拐しようとしてるんじゃない。」


ミークが私を後ろに庇うようにして後ずさる。ユシャさん擬きは既に変装(擬態魔法?)を解いている。

見たことない人だが、アラブ系の顔立ちなのを見て、今日声をかけてきた男の人を思い出した。まさか、あの人の仲間?


『君はルセラの親戚か何かか?』


ルセラさんを知っているようだった黒髪で濃い顔

のあの人。ルセラさんに何か関係がある人物なんだろうか?何故私を捕まえようとするのか?


「ヒナ、その家の陰に隠れて」

「う、うん」


私がすぐ後ろの家の前にある大きな柱の陰に行くと、ミークが攻撃にはいった。

構えたと同時くらいに素早く綺麗な高い回し蹴り。それは1人の男の顔面を捉え、男は吹っ飛ぶ。

ミーク、か 、カッコいい!


「ちっ、油断した。なかなかやるな。このメス猫は」

「普通の猫じゃないよ。リンクス(山猫)だ。ふんっ!」


すぐに拳を繰り出す。速い!しかし、今度は避けられた。敵も素人ではないのだろう。しかしミークは拳と蹴りでガンガン攻めていく。今度は彼等も避けたり攻撃をしてきたりしている。まるでカンフー映画を見てるみたいだ。ミークは攻撃しながらも、私の方に来ようとする女に風の魔法を飛ばす。ミークも少し魔法が使える。羨ましい···


「ウィンドカッター!」

「リフレクト!チッ。先にこの猫を早く始末しろ!」


防御魔法でミークの魔法を跳ね返した。あの女の人がリーダーなんだ。


「チェーンウィップ!」


敵の女の手から半透明の鎖が飛び出し、ミークを襲う。魔法の鎖か魔道具なのかわからないけれど、本物の鎖ではないみたいで伸び縮みしている。

ミークは体を逸らし避けるが、反対側の男が更に同じ魔法を使い、ミークの腕にチェーンを飛ばす。

今度は避けきれず、右腕にチェーンが絡みついてしまった。


「チェーンウィップ!」


もう一人の男も同じ魔法の鎖をミークに投げる。ミークは左腕にも鎖が巻き付いてしまい両腕が使えなくなってしまった。それでも、ミークは足を使い攻撃しようとしている。


「ドンムーブ!」「くっ!」


リーダーらしき女が新たな魔法でミークの動きを止める。


「ミーク!」

「本当に生意気な猫だな。」


ユシャさんに変装していた男が思いっ切りミークの頬を右左と殴る。

パシン、パシィーン!

女の子の顔に何てことするのよ! お腹に一発。ドスッ!顔、また腹部。ミークは鎖と動きを封じる魔法で拘束されていて、逃げることもできない。涙で目の前がかすんで来る。


「ぐぅ!がはっ!」

「やめて!やめて!ミークが死んじゃう!」


そして更に腹部に拳と蹴りが入る。

ドスッ!バアァーン!

ミークの身体は蹴り飛ばされ私の足元まで転がった。魔法の鎖は外れたがミークのダメージは大きい。


「ミーク!しっかりして!」

「ヒ··ナ···逃げて···」


こんなになっても私の心配をして···

私、泣いてる場合じゃない。歯を食いしばる。

『ミークを守らなきゃ!』


「手こずらせやがって、このガキが!」

「聞き分けの無い子は痛い目みちゃうわよ。お友達をこれ以上傷つけたくなかったら、あなたも大人しく来なさい。」

「ダメ···ヒナは···渡さない」


傷だらけのミークが起き上がろうとする。


「まだ動けるのか、このガキ。獣人て奴は化け物か!」

「やっちまうか?」


奴らがこちらに近付いてくる。


「ミークに触らないで!!!」


私の身体からエネルギーが溢れ出た。


ドオオォーン!!



「うわぁっ!何だ!」

「きゃああっ!」

「「うわーーっ!!」」


大きな音と共に奴らは吹き飛ばされた。


もう大丈夫だよ···ミーク

良かった···




真っ白だ···



ホワイトアウトってこんな感じなんだ。

意識が飛んでいく。







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