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クレッシェンド〜浮遊大陸の記憶〜  作者: ふゆいちご
第1章
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はじまり


最近、同じ夢をみる。

スッゴく可愛い女の子が私に言うの。


「やっと見つけた。あなたを捜していたの。」

私を?

「あなたにどうしてもお願いしたいの」

お願い?何を?

「お願い·····に······て」

え?何をどうするって?

わかんないよ。ちゃんと言って。

「······を」


「だぁかぁらー!聞こえないよー」



目の前には見慣れた白い天井。

あー、まただ。

夢に怒鳴っちゃったよ…もう何度も同じ夢みちゃって、ついイライラしちゃった。

電波悪いラジオみたいに、いつも後半が途切れてて、モヤモヤ感ハンパない。


「ああーっ!もうこんな時間!いけない急がなきゃ!」


私の名前は、浅田 妃奈(あさだ ひな)18歳、高校3年生。

ただいま就職活動中です。


いくつか会社の試験や面接を受けたけど、まだ採用内定無し。自信無くしちゃってます。

田舎から出てきて、マンションとは名ばかりのボロアパートを借りて学校に通うスネかじりの身。

三年生なので、早く就職決めないとヤバい。


親からの仕送りは卒業したら終わる約束。バイトもしてるけど、それだけじゃ生活苦しすぎる!

今回の会社が決まらないと間違いなく極貧生活が待っている。

頼りになるお金持ちの恋人でもいれば、結婚しちゃうってのもアリかもだけど、そんな人いません!


うわぁ、朝ご飯食べてる時間もないなぁ······

気を取り直して着替えして試験会場に直行です。



――数時間後。


私は迷った。

付き添いなんぞいなくて一人で地図を見て行かなければならない。

方向音痴でもないし、 なんとかなるだろうと思ったんだけど。

あれぇ······この辺りのはずなんだけどなあ。試験会場の地図とにらめっこしながら歩く。


やっぱり手前の交差点曲がらなきゃいけなかったのかなぁ······


キョロキョロしながら歩いてると、ビルとビルの間の狭い道の向こうにそれらしき建物が見えた。

やはり通りを一つ間違えたらしい。


「ここ、通り抜けていいのかな?」


私有地で通り抜け禁止とかだったら不味いけど······


その時、私の後ろからから走ってきたサラリーマン風の男の人が私を避けながら「ちょっとごめんね」と小さく言って私を追い越しビルとビルの間の狭い道に飛び込んだ。

やはり、ここを通り抜ければショートカットして向こうの通りに行けるんだ。

就職試験に遅刻するなんてあり得ない。

行こう!背に腹は変えられない。私もその狭い道に走って入った。


『ヒナ、あなた······贈る·····』


えっ!?

私は固まってしまった。いきなり聞こえたその声は·····¢


『ヒナ······聞こえてる?』


私、今寝てないですけど!起きてますけど!


「わっ!」「きゃっ!」


前を走っていた男の人が転んだ。

私も彼にぶつかりそうになりながらも手前で止まる。


「大丈夫ですか?」

「あ、あはは······大丈夫です。足下に何か落ちてきたような…かっこわりぃーオレ」


スーツを着た若い男の人。多分サラリーマンだろう。

その足下で何かが光っている。すごくキラキラ輝いている。宝石?ガラス?


「すげぇな。落ちてきたのはこれか?デカい宝石······な訳ないか。ガラスかな?」


彼が手に取り私にも見せてくれた。テニスボール位の大きさの石。涙型のオブジェと言った所か。宝石の原石のようにも見えるかな?


「すごい!綺麗ですね」


私が顔を近付けるとその石は更に輝き始めた。

何?ライト付?!


『······発動······』


あの子の声?

いきなり石から光があふれ出した。


「うわぁ!」「眩しいっ!」


光の洪水!

目の前が真っ白になって何かに吸い込まれて行くような感覚。


何で、こうなるの~~~っ!


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