妹
金曜の夜、3つ下の妹とロードショーを見ている。なんちゃらかんちゃらとか言う名前のあまり俺の好きなタイプじゃないコメディ映画に集中力も無くなっていく。
隣で並んで見ていた妹の天音はすでに眠そうだった。
俺はぼ~っとしたまま、そういえば明日天文部のみんなが遊びに来ることを思い出し話しかけた。
「・・・なぁ天音」
「・・・なぁにぃ~?」
「明日部活の仲間が遊びに来るんだけどいいか?」
「いいよいいよ~。友達100人呼んで乱○パーティでもなんでもしていいよ~」
「部活仲間っつってんだろ。そもそもパーティなんかしねえよ」
本当に理解して返事しているのが不安になる声音だったが、何しろ俺も眠いしまた変な返事されても面倒だしで考えたくなかったので気にしなかった。
翌朝、天文部のみんなが遊びに来るため、急いでリビングの掃除をしているとドアの開く音が聞こえた。
俺の家は両親共働きなので入ってきたのは天音だろう。・・・むしろ天音じゃなかったら怖い。いったい誰だよ。話が逸れた。
「うにゅ?海人、何で掃除してるの?事後処理?」
「どうしてそんな結論に至った!?」
まだ寝ぼけているのか変な声を発した天音はとても変な勘違いをしていた。
「まぁそりゃそうだよね。相手いないし」
「余計なお世話だ。・・・昨日言ったろ?今日部活の奴らが遊びに来るんだよ」
「ありゃ、そうだっけ?」
やっぱり覚えてなかったか。
「それでいつ来るの?あ、『今でしょ!』とかくだらない返事はいらないよ?」
「そんな返事する気もともとねぇよ。・・・っと確か昼飯は買ってくるらしいから午前だな。たぶんあと30分くらい」
「え゛」
朝ごはんを食べようとしていた天音の手が止まる。
「・・・な」
な?
「なんで早く言ってくれないの~!!」
いきなり叫んだ天音は次の瞬間にはリビングを飛び出し、部屋に戻っていった。
「バーカ!海人のバーカ!そういうことは早く言ってよね!私にも色々と準備があるんだから!!」
二階から絶え間なく罵声が飛んでくる。
・・・別にお前まで一緒に遊ぶわけじゃないんだからいいだろ?
「それでも色々あるの!!」
おっと、お前にまで心を読まれちゃうといよいよ俺のプライバシーがなくなるよ?
天音はそのうちバタバタと着替えを持って降りてきたと思ったら風呂場に消えていった。
「おーい天音―、ご飯どうするんだ?」
「いらなーい!」
とのことなので手を付ける前のご飯にラップを掛け直し、冷蔵庫に戻した。
途中「あ、別に覗くのはいいけど入ってこないでね!」と意味の分からない言ってきたが、いつものことなのでスルーする。
リビングの掃除が終わると俺は部屋に戻って寝間着から私服に着替える。
これで準備は万端!・・・たぶん。
10分くらいリビングでテレビを見て待っているとインターホンが鳴る。
時間は予定より5分ほど早いけどおそらく紅達だろう。
テレビを消し、玄関を開けに行く。
「海人!待って!中に入れないでもう少し引き止めて!!」
「え?」
そんな言葉と共にバスタオルを身に着けただけの天音が着替えを持って脱衣所から出てくるのと、天文部のみんなが家の中に入って来るのは同時だった。
俺の家は玄関に入るとそのまま真っ直ぐにリビングが見える。さらに脱衣所はリビングに向かう途中にある。
・・・つまりはバスタオル姿の天音と天文部のみんなが鉢合わせることとなった。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
全員が驚いて固まっているとさらに運の悪いことに唯一天音の身体を隠していたバスタオルがはらりと落ち、中学生にしては整った、むしろ紅よりいいかもしれないプロポーションがあらわになる。
「・・・ぐがっ!!」
その光景が目に焼き付くよりも早く背中に4つの衝撃が襲い、俺は正面に倒れた。
「な、何をしとるんじゃ海人!早く目を隠すのじゃ!」
「いや隠れてるから!むしろ何も見えないうえに痛いから!」
俯せに倒れたままの俺の背中にまたも衝撃が連続でくる。
・・・もしかしなくてもみんなで俺の背中を踏みつけてるんじゃないだろうな?
混乱してる一同の中、天音の大きな声が響き渡る。
「か、海人の部活仲間ってみんな女子~!!?」
・・・そこに驚くんですか。
今回は少し短かったかな?
最近後書きにも活動報告にも書くことがなくて困る。
書きたくなったら気まぐれで書いていこうと思いまする。
なので今回はここら辺で
読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!