表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
てんもんぶっ!(更新停止)  作者: ソフトクリ~ム
14/17

ゲーム

「ゲームしましょう!」


部室の扉が開かれると同時にそんな声が聞こえてきた。

入ってきたのはもちろん茜だ。


「ゲームするも何も・・・」


俺は手元のカードに視線を落としたまま呟く。


「・・・8」

「「「ダウト(です)(じゃ)」」」

「何でみんなそろってダウトするんだよ!」

「いやそれより何で私がいないうちにダウトなんか始めちゃってるんですか!?」


・・・そりゃ暇だったからだろう。

俺は積まれたカードを集めて見てみる。

俺が嘘をついて出したJの前は5。その前は9。さらに前はK。

・・・誰一人本当の数字出してねえじゃん。


「それで茜、どういうことなのじゃ?9じゃ」

「それが今日友達と話している時にあるゲームの話になったんですよ」

「どんな話?10よ」

「BSというゲーム機でするゲームの中にマリモカートというのがあるんですけど、なんと最大8人で対戦とかチーム戦ができたりするんですよ!!」

「それは楽しそうですね~。Jです」

「はい!なのでそれをみんなでしたいな~と思いまして。あ、ゲームは借りましたしウチはBS3台あるのであと二人持ってればできますよ!」

「そりゃいいな。Qだ」

「「「ダウト(です)(じゃ)」」」

「だからなんでそろえる!?」

「それよりいつまでやってるんですか!?話聞いてます!?」


聞いてる聞いてる~、などとみんな適当に返事をしながら目線は手元に向いている。

俺も再び積み重なったカードを集め


「ああもう!それください!!」


ようとして山札と俺のカード数枚が奪い取られてしまった。

そして俺と紅の間に割って入る。

・・・せまいし近いし良い匂いだし、もう少し離れて欲しい。


「海人キモイぞ」


ちょっとそこの紅さん、心を読まないでいただきたい。


「いやいや、センパイが分かりやすいだけですよ?」


だからと言って茜が心を読んでいいってわけでもないからな?やめていただきたい。


「・・・茜、参加したなら次は君の番だから早く出してちょうだい」

「あっ、すみません。Kです」


凛に急かされ茜がカードを出し、ダウトが再開する。


「3です。それでそのマリモカート・・・?というのはどういうゲームなんですか?」

「えっとですね~、簡単に説明しますとプレイヤーとコンピューターの8人でレースするんですよ。レース中アイテムがあるんですけど、それを使うと妨害できたり加速できたりします。センパイその4ダウト。それで順位を争うんです!あ、あと4対4のチーム戦もできます。それからレースじゃないミニゲームもありますけど・・・それは実際にやるときに説明した方がいいですね。・・・5です」


茜、話すなら話にだけ集中してようよ。

あとなんで俺の手札にない数ばっかくるんだよ。


「ふむ、話しだけじゃよう分からんの。6の3枚出しであがりじゃ」

「紅ちゃん、それダウト~」

「むぅ、やっぱりあがれんか・・・」


そんなところであがれるかあがれないかの対決をしないでください。

こっちは手札を減らすことすらできてないんです。

何が悪いんだ?・・・言わずもがな考えを読まれることだろうな。

てかそんな中勝つとか無理でしょ。

いったいどうしろと。


「あ、言い忘れとったが負けた人は罰ゲームじゃからの」


あ、これダメなやつだ。






案の定負けた俺はこれから1時間返事は「はい」としか言っちゃだめというよく分からない罰ゲームを受けた。

それはそうとダウトの最中に色々話を聞いてみんなもマリカーに興味を持ったようだ。

遊ぶことは決定事項らしく、みんなはいつ、どこで遊ぶかを話し合っている。

俺は普通に話はできても質問には「はい」しか言えないので黙っておく。

もともとこの部での俺の発言力が低いのもある。


「では日時は次の休みじゃ」

「「「りょうかーい」」」


俺も問題ないので黙って頷く。


「妾は1台BSを持っておるから、茜は凛と華に貸してあげるのじゃ。海人はなんとかなるじゃろ。持ってなくても買うとよい」


おい。俺の財布事情知らねえのか?・・・知るはずないか。

まぁ確か天音あまねが2台持ってたはずだから借りればいいか。


「それで場所なんじゃが・・・海人の家でよいか?」

「「「異議なーし」」」

「異議ありだ!ちょっと待て!」


何勝手に人の家を使おうとしてるんだよ!そんな急に決められても家族がいいと言うか分からないしだいたい家族の知人、友人が遊びに来るかもしれないだろ!


「なんじゃ海人?文句があるはずなかろうて」

「あるわ!」

「・・・海、返事は『はい』って言ったわよね?」


今ここでそれを言うか!?


「いやでもこれは・・・」

「海人くん、前に男に二言はないとか本で読んだのですが、海人くんは女の子だったですか?」

「それは何か違うと思う!」

「センパイ。見苦しいですよ。素直に諦めてください。罰ゲームなんですから」

「でもな・・・」

「海人。返事は・・・?」

「・・・『はい』」


・・・くっ!これのための罰ゲームか!なんて卑怯な!

それとみなさん圧力が怖いです。仮にも乙女なんだからもうちょっと、こう、おしとやかに・・・。

心中で失礼なことを考えているとそれを感じ取ったらしい茜が嫌な質問をしてくる。


「センパ~イ。噂なんですけどセンパイってロリコンなんですよね~?」

「なっ!?そんなわけ」


即座に否定しようとするがすぐさま茜が「返事は?」と言ってくる。


・・・もう、諦めた。


「・・・『はい』」


抵抗する気力のなくなった俺を茜は楽しそうに見てから続けて質問してくる。


「前にも話にあがりましたけどセンパイってドMですか?」

「はい」

「もしかして自分かっこいいとか思っちゃってたりします?」

「はい」

「センパイはロリコンなのでもちろん好きなタイプは年下の可愛い後輩ですよね?」

「はい」


機会的にただただ『はい』と答える。質問の内容は考えない。絶対恥ずかしくなるから。

ついでに茜たちの方も見ない。絶対にやにやしてて悔しくなるから。

そうやって返事をしていたところいつの間にか紅や凛、さらに華ちゃんまでもが質問してきている。


「いやいや、海は頭のいい女性が好みでしょう?」

「はい」

「それを言うならチェスとか得意な私って頭いいですよね?」

「はい」

「待つのじゃ。海人は同じくらいで分かり合える同級生が好みに決まっておるよな?」

「はい」


頷きながらずっと『はいはい』言ってると、頭の中で『はい』がゲシュタルト崩壊しそうだ。

あとそろそろ首も痛くなってきたからやめて欲しい。


「何を言ってるの?海は頭が悪いからこそ私のような頭のいい女性が好みにきまってるわ」

「さっきから頭の話ばっかしてますけど、ここはやっぱり保護欲のかきたてられる後輩が一番だと思います!」

「海人くんは毎日つっこみなどで疲れているので癒してあげられる存在が大きいのではないでしょうか~?」

「何を言っておる。長く時間を共に過ごして分かり合ってる者の存在の方が大きいに決まっておろう」


分かり合ってるというか一方的に知られてるような感じだけどな。

・・・あっ、つい無意識につっこんでしまった。

それともうすでに俺への質問じゃない何かになってるよね?


「じゃから海人は―――」

「いいえ海は―――」

「「それは違います!」」


・・・もう帰っていいですか?






言い合いは俺がセットした罰ゲームの時間の終了を知らせるアラームによって終結した。


「よし、罰ゲーム終了!じゃあ早速言わせてもらうがな、次の休みは―――」

「これで本日の活動は終了じゃ!」

「「「お疲れ様でした~!」」」

「―――って待て!おい!」


静止の声をかけるも誰一人耳を貸さずさっさと帰ってしまった。

・・・・さっきまで言い争いしてた団結力の無さはどこいったんだよ。


もうすぐ冬休みだぁ~・・・。


昨日6時寝で眠いのでここまで。というか限界。


見てくださった皆様、本当にありがとうございました!


ちなみに作中出てきた天音あまねは次の話で登場します。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ