だらけっぷり
「センパーイ、暇ですね~」
「そうだな~」
現在、部室にはものすごいのんびりとした空気が漂っている。
茜が部室に備え付けられているソファーで寝て、俺がテーブルの前に座って視線を宙にさ迷わせながらぽけーっとしていた。
部室には俺と茜の二人しかいない。
今日は朝から雨が降っていて活動がないことはわかっているのだが、家に帰ってもすることがないので部室に来たのだ。
中に居たのは茜一人だけだった。
それから特に何をするでもなく、誰が来るでもなくただボーッとして時間を過ごしていた。
「それにしても他の奴ら来ないな~」
「たしか~部長は買い物に、凛先輩はその付き添いに行くそうで帰りました~」
「どうでもいいけど今の言い方はまるで『おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました』みたいだったな」
「心底どうでもいいですね」
「でもそっか~、華ちゃんしか来る可能性がないのか~」
「そうなりますね~」
・・・・・・・・・・・・・・。
「暇ですね~」
「そうだな~」
会話が原点回帰するほど暇だった。
「・・・なんかして遊ぶか」
「いいですね~」
「しりとりにするか」
「いいですよ~」
「俺から"り"でスタートで」
「はいは~い」
「立正佼成会附属佼成病院」
「え~っと~・・・ンジャメナ」
「なぁこれ続けるの?」
「のんびりムードを変えていかないとですから」
「楽しようよ~、そんなの誰かに任せてさ」
「さすがセンパイです、怠惰の極みですね~」
「寝ながら会話してる人に言われたくないな~」
「何言ってるんですか、この体勢は体力回復に一番なんです~」
「既に体力全快だから寝る必要ないだろ」
「労力を使いたくないのですよ~、センパイ」
「・・・いい加減この下らないしりとりやめない?」
「いいですね。ウチも疲れましたし」
なんて言いつつちゃっかり最後までやっている俺たち。
なんでしりとりなんか始めたんだっけ?
・・・あぁ、暇すぎるからだ。
あ~、誰かこの空気を変えてくれるような救世主は来ないものかな~。
「すみません~、遅れました~」
「「わぁ~、人が来た~」」
華ちゃんが部室に入ってきたが俺と茜は声を揃えてのんびりとした返しをした。
華ちゃんはその様子に首を傾げて尋ねてきた。
・・・首を傾げる仕草が可愛い。
「二人ともどうしたんですか~?」
「いや~、なんか何をするにも」
「やる気が起きなくてですね~」
「そうなんですか~、それは大変ですね~」
そう言って華ちゃんは俺の向かい側に座った。
何をするのかと思い、視線を華ちゃんに移す。
華ちゃんはニコニコしながらじっとこちらを見ている。
・・・・・・・・・・・。
「あのさ、華ちゃんは何をしているのかな?」
「ボーッとしているのですよ~」
「え~っと、なんで?」
「何もすることがないからです~」
あ、駄目だ。華ちゃんは救世主どころか、普段のぽわぽわした空気で余計のんびりムードに拍車がかかってしまう。
ホントどうしたものか。このままじゃ家に帰るのにもやる気が出なくて部室で一夜を過ごす羽目になりそうな勢いだ。
ここは俺が何とかしないと…
「・・・・・・・」
うん、考えるのがすでに面倒くさい。
ま、なるようになるから今はだらけるのが得策だろう。というか、脳内でこんなことを考えてる時間がもったいない。
よし、休もう。
そう心に決めたとき、またしても部室のドアが開いた。
中に入ってきたのは…
「こんにちは~」
・・・誰だっけ?
はじめまして、もしくはお久しぶりです。
活動報告か何かでこっちを一旦止めます的なことを書いたんですが、ふと書きたくなって書きました。
実に3ヶ月以上間が空いてしまって申し訳ありません。
なんか最近長ったらしくなっていたので意識して短くしてみました。
全く関係ない話になるけど、後書きって何書けばいいんだっけ?
こんな堅苦しい報告だけをする場だったっけ?
・・・まぁこれから思い出す、もしくは頑張って書いていこうと思います。
続きはもう頭の中に大体出来上がってるので割とすぐだと思われます。
最後に見てくださった皆さま、本当にありがとうございます!