天文部
1話1話が短くすぐに読めるのでぜひ一読を!
色々至らない点がございますが広い心でお許しを…
「マジカルバナナ!」
唐突に茜がリズムに乗って喋りだした。
「?」
「茜と言ったら?」
「バナナで始めろよ…」
「うわー!ナイわー!」
・・・よく分からないがナイらしい。
よく分かってないのにナイわーってひどくないか?
「ここは、茜と言ったら可愛い!とか言いましょうよー」
「はい?なんで俺がそんなこと言わなきゃいけないんだよ」
「しょうがない、もう一回チャンスをあげよう!」
「ねぇ、話聞いてる?」
そしてなぜ上から目線なんだ?
「マジカル茜!」
・・・な、なんか期待の眼差しが。
正直面倒くさいが言わないとこいつはしつこいからな。ここは覚悟を決めて言うしかないか・・・
「あ、茜と言ったら可愛い」
「えー、声が小さいですー」
まさかのダメ出しをくらった。
「ラストチャンスあげるのでしっかりしましょう!」
まだやるのか!そしてやっぱり上から目線なんだな…
「マジカル茜!」
茜が手拍子までつけて言ってきた。
もうどうにでもなればいいさ…
「茜と言ったら可愛い!」「こんにちはなのじゃ」
叫ぶとほぼ同時に部室のドアが開いた。
「「・・・・・・・」」
羞恥で少し赤くなった俺と、俺を蔑むように見る紅の目が合った。
それはもうばっちりと。ばちばちっと効果音がするくらいに。・・・それは火花か。
と、現実逃避してないで早く誤解を解かなければ!
「ま、待て!これには深い訳があってな」
「海人がいきなり叫んで告白するような人じゃということは理解した」
「あははっ!センパイよかったねー」
「よくねぇわ!!」
全く、誰のせいでこうなったと思ってるんだ。
「誰かのせいにするのはよくないぞ」
「俺口に出してませんよねッ!?」
え!?なに!?テレパシー使えんの!?
「大丈夫、お主限定じゃ」
「それなんも大丈夫じゃねぇよ!」
むしろ俺限定なのが怖いよ!
「海、うるさいぞ」
「海人くん、どうしたんですか~?」
端から見たら俺が喚いてるようにしか見えない嫌なタイミングに、残りの部員である華ちゃんと凛がやって来た。
「どうしたもこうしたも海人がいきなり叫んだうえに、妾に告白してきたのじゃ」
「おまっ!嘘混ぜてんじゃねーよ!てか叫んだのにもちゃんと訳があるって言ってるだろ」
「センパイ、見苦しいですよー」
「元を辿ればお前が原因だろ!?」
「そうともいうかもですねー」
「そうとしか言わねぇよ!!」
駄目だ。頭が痛くなってきたぞ・・・
「あはは~、海人くん大変そうですね~」
華ちゃんが天使のような笑顔で同情してきた。
こんな笑顔を見たら単純な俺のやる気なんか一気に出るってもんだ!
「海、アカのどこが好きなんだ?」
「そうですよ!今こそセンパイの特技の<大声で叫ぶ>を使って暴露しちゃいましょう!」
「海人、別に恥ずかしがることじゃないんじゃぞ」
やる気・・出ない。もう駄目だこのメンバー。
やっと5人揃ったと思った直後にこれだよ!
5人を紹介する時間さえもらえないのかっ!!
「あ、それじゃったら次の話で紹介するぞ?」
「また俺の心読みやがってコノヤロー!!!」
これが俺たち天文部の日常だ
楽しめて頂けたら嬉しいです!
ちなみに4話くらいでちゃんと星の話をしますよ??
・・・多分。