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一石二鳥

 時が過ぎ、昼休みとなった。

 学食に行くものもいれば、教室で弁当やコンビニで買ったパンなどを食べている。俺も弁当食べよっかな。と思った矢先、亜衣が俺の席に来た。

「なんでお弁当食べようとしてるの? 紹介は?」

「ああ、弁当食べてからでいいかなって思ったし今宇絵いないし。多分学食に行ったんだと思うけど」

「そ、そうなの。……もしかして怒ってない?」

「は? なんで怒らなくちゃいけないんだ?」

「だって、アドレス教えなくて今まだ紹介してとか言ってるから」

「ああ、別にいいんだよ。宇絵に友達が増えることはいいことだしな」

 本音は自由な時間が欲しいだけなんだけどな。

「あなたって人は……本当にいいひ――」

「あ、ヒロ。こっち来て」

 と、宇絵の登場だ。あ、ヒロっていうのはついさっき決まった俺のニックネームらしい。なんでも、体育の時間俺が亜衣を誘って先生の集合を2人で無視したというデマが流れ、HRの時間を使って考えたらしい。由来? ただ、ヒーローだからハイフンをとってヒロになったらしい。まあ、ヒーローからウルト〇マンとかにならず人間味のあるあだ名だったのが有一の救いなんだけどな。全国のヒロさん、名前被ってしまいもうしわけあ――

「ヒロ。早く来て」

「待て、すぐに行くから。悪いな亜衣。呼んでるようだから行くわ。あいつの用事済んだら紹介するようにするから」

「う、うん。あ、はいこれ」

 といい紙を渡してくる。なにやらメールアドレスっぽいものが書かれている。

「これは、本当のメールアドレスだから。メールしてきてね」

「言われずともするさ」

 クラスでヒューヒュー言ってるやつらが多いな。まあ、人のあだ名考えるのにHR使っちゃうようなクラスだからな。アホが増えたのかもしれない。時間ってのは恐ろしいな。

「で、なんでせっかく亜衣と話していたのに邪魔するんだ? それ相応の理由なんだよな?」

「え、まぁそれなりには……ね」

「ならば、言ってみろ」

「……」

「なんだ? 言えないのか?」

「わ、わたしと昼一緒に食べない?」

「え、まあいいけど」

 待てよ。これはチャンスではないのか、ヒロよ。ここで亜衣を誘えば紹介はできるし、一緒にご飯だって食べれる。

「じゃあ、屋上でいいよな。さきに行っててくれ」

「う、うん」

 そう言ったのを確認して、俺は宇絵のところまで新幹線にも負けないぐらいのスピードで走っていった。


 数十秒後。

「俺と一緒に昼食わないか?」

 廊下で宇絵とバッタリ会った。しかし、驚かしてしまったようだ。鳩が豆鉄砲を食らったような顔になっている。

「まあ、屋上で話をするから。急いで」

「え、あ、うん」

 手短に昼ごはんの用意をしたようで俺たちは屋上へと急いだ。何より待ち遠しいんだよ。好きな人と一緒に昼ごはんだぜ、男子の憧れじゃねーか。いつか亜衣と二人だけ……てのはちょいと望みすぎかもしれないな。

 しばらく進み屋上についた。古びたドアを開け吹き抜ける風、そして、

「「え!?」」

前後からの驚きの声。その後の鋭い目線。これがいいんだよ――って、へ? 俺はMじゃないぞ、というツッコミする前に前後から批判の声がする。

「「これ、どういうこと?」」

 俺は思った。これは、トリステインの英雄であり虚無の使い魔のガン〇ールヴにしか解決できないだろうな、と。

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