果報は寝て待て
体育の授業も終わり、俺は中庭で休息をしていた。
「まさか、亜衣もあんな外れているやつだったとは……」
どうも、俺が思っていた亜衣のイメージと違うんだよなぁ。
「おーい。集合しろー」
と、先生の声が聞こえる。先生、休憩って言ってからまだ10秒なんすけど……。まあ、周りを見渡す限り残っているのは俺ぐらいしかいなく、先生は早々と生徒達に指示を出す。さて、俺も行くか。
すると、そのとき隣から声がする。
「ふふっ。私も抜けてきちゃった」
亜衣だった。
「ちょ、ちょいまて。お前さあ、なんでここにいるんだ?」
しかも、俺。なに期待してんだよ。
「んー、君に会いたかったからかな」
なんだ、夢か。ってか、唐突になんだ?
「ごめん、亜衣。俺の鼻をへし折ってくれない?」
「唐突にどうしたの?」
「こっちのセリフだわ、それ」
「? よく分からないけど、おもいっきり右フックして、『あべしっ』って言わせたらいいんだね、了解」
「ちょ、ちょいまて。フックじゃなくていいし、何より――ブヘラッ?!」
痛恨の一撃だわ、これ。結局は右フックを食らい、本当に亜衣のイメージが変わったという悲しい結果で終わった――――。
「じゃなくて、なんで俺なんかに会いたいわけ? 本当の理由言ってくれよ」
俺は、殴られた部分を擦りながら言った。
「うーー。ばれてたか。なんだか最近君が私のこと好きっていう情報聞いたからそれの真意を確かめたくてね」
そんなこと探りにきたのか。やはり、体育の自爆が効いたか……。
「まあ、それもあるけど本命は宇絵さんのこと」
「ん? なんだって?」
「宇絵さん。彼女とお友達になりたくてね」
ほう。で、俺をパイプ役に、か。まあ、妥当な方法だ。未だに宇絵は話し相手は俺しかいないっぽいからな。あいつの相手をしてくれる人がいるなら俺は助かるしな。しかも、若干体育の時も気があっていたしな。
しかし、問題があった。
「まあ、紹介ぐらいならできるけど……」
「けど?」
「俺、あんまりお前のこと知らないから――」
「なら、アドレス交換しない?」
なんだ、夢か。そうだ、夢かどうか確認できるじゃないか。
俺は、未だに痛む患部に触れた。雷を直撃したかのような痛みだった。
「でも、本当にいいの?」
「うん。この機会にせっかくだしね」
と、いい紙にアドレスを書き込んでいる。
「はい、これ。帰ったら連絡ちょうだいね。あ、そろそろ戻らなきゃ。じゃあ、昼休みにでも紹介してね」
といい、走り去っていく亜衣。ってか、書くのはやっ。でも、アドレスもらえるなんて、とんだ幸運だ。
さて、どんなアドレスかと紙を見てみると、
「えーと、『そんな簡単に私のアドレスもらえると思ったのか? このドブネズミが!!』か……」
……なるほど。だから、書くのが早かったのか。
はい、どうも。超常毎日です。今回も少しながくなりましたが、まあ前回に比べれば短いですよね。
さて、なぜかシリーズ物になりそうなんですが、ちゃんと本来の目的は忘れませんから安心してください。
本来の目的? さては、みなさん。忘れてますね? そう、目的とは――なんでしたっけ?
そんなこんなで、3話を締めくくらせていただきます。見てくださった方々、どうか次話も見てください。




