ヒーロー召喚
これも小学生の頃に見た夢。
たぶん、一年生くらい。
今まで見た夢の中で、なぜか一番怖いと思っているのです。
……うん、だからあんなにヒーローを召喚したんだ、きっと。
☆☆☆
知り合いがひとりずついなくなる夢。
いなくなる理由は、大人も子どももなにかに呼び出されて、消えてしまう。そんな感じ。
外には大きな薄気味悪いリンゴの木があって。
窓の外はいつも夜。
いつしか、わたしたちは地下暮らし。
食べものも少しずつなくなってきているのが分かる。
大きな木には、リンゴがなる。
薄気味悪いくせに、そのリンゴを食べることで、私たちが飢えを凌いでいる。
そんな日々。
そのリンゴも成らなくなってきていて。
そんな時、叔母がリンゴを一つ持ってきた。
そして、リンゴの木の根元にそのリンゴを持ってきて、私を呼んだ。
「こうやってすると、リンゴができるんやねぇ」
リンゴを根っこに食べさせた。
だけど、私は知っていた。そのリンゴが友達のひとりだったということも。
リンゴの木が、リンゴを食べた人間をリンゴにして、それをまた自分に食べさせていることも。
なぜなら、リンゴを食べている根っこに顔が浮かぶから。
それなのに、誰もそれを知らない。
叔母が嬉しそうにリンゴを、私に渡す。
「ほら、食べや」
優しいお顔で。
さて、怖くなった私がしたことは、窓の外の夜に向かって祈ること。
呼び出したのは、その当時のヒーロー達。
パーマンに忍者ハットリくんの印象がいやに強いけど。
わらわらとアニメキャラを召喚して助けてもらった覚えがある。
あぁ、思えばわたし、少食な子だったなぁ……。
家でも学校でもけっこう食べろを強要されていた気がする。
だから、人間を食べろと強要される夢が多かったのかなぁ?
食べたくない。食べたくないの結果?
と、都合良く考えてみた。