夢を食べる
雨が降りそうな、そんな道。
私はスーパーマーケットに入って、買い物を始める。
何を入れていたのかは分からない。
だけど、大雨が外で降り出したことには気づいていた。
ぐるりとスーパーマーケットを一周する頃、大きな雷の音と共に雨漏りが始まった。
雨漏りはどんどん酷くなっていって、最後には滝のように天井を破って落ちてきている。
私はその雨漏りに見事に捕まってしまい、そのままびしょ濡れになった。
目が覚めたと思った。
見覚えのある遮光カーテンはベッドのそばにある窓を覆うもの。
まだ頭がはっきりしない状態で、そのカーテンの皺を見ていると、カーテンからヤギのようなものが現れて、私に近づいてくる。
にゅうっと伸びた顔は、はっきりとせず、カーテンの皺にも見え、口元をむにゃむにゃさせている。
食べられてしまうのだろうか、そう思い、来るなと願う。
願いが届いたのか、ヤギは私の顔の目の前までやってきて、そのままカーテンレールに戻って行った。
ひだの部分に戻ったヤギ。
やっぱりぼんやりした頭で、それを見つめると、ひだの部分すべてに、はっきりとしないヤギが口元をむにゃむにゃさせていたのだ。
それらは、どこか互いにお喋りをしているようで、むにゃむにゃしながら、そこにいる。
もう私には興味がないらしい。
そしてだんだんとひだがひだに戻っていく。ふと、悪夢を食べるバクのようなものだったのかと思った。
思ったが、私はまた夢の奥底に落ち込んでしまい、今度は本当に目が覚めて本来のカーテンを眺めていた。














