お太鼓の音
お盆も過ぎて……という時期だが、私は悪夢をよく見がち。
いや、良い夢はすぐに忘れるのかもしれない。
ここに書けるほどのエピソードはないが、満天の星の夢、虹の夢、海の夢はよく見る。
ぜんぶ、なんだか辻褄が合わないけれど。
そんな私。
以前住んでいた家では、数回金縛りに遭ったことがある。
その中のひとつ。
たぶん、夢だと思うのだけど、金縛りだと思って起きたもの。
両親の部屋。襖を隔てた隣が私の寝室兼自分の部屋(弟とはカーテンを隔てた同室)だった。
おそらく、高校生か短大生の頃。今の感覚だったら、うら若き姉と弟が同室なので、ちょっとなんか変な気もするが、そんな昭和な家族。ちなみに、妹は部屋がなくて、両親の部屋で眠っており、弟とは本気の喧嘩をよくしていたものだ(一度、お姉ちゃんは本気でかかってくるから、自分が殴りそうで怖いと言われたくらいの喧嘩・汗 よく耐えた、弟よ)(あ、今は適度に仲良しです)。
夜中の出来事だ。
ぐっすり眠っていたはずの私の耳が起きたのだ。
なんだか、うるさい。
ドタドタという足音と、同じように繰り返される太鼓の音。
薄っぺらい太鼓を叩きながら念仏を唱えるような、あの太鼓の音だった。
しかも私の周りをぐるぐる回っているようで、音は大きくなっていく。
助けを求めようとも、声は出ない。
もちろん、体も動かない。そして、恐怖が体の中に渦巻いて、心拍数だけがどんどん上がっていく。
だけど、掠れる声で一生懸命「おかあさん、助けて」と喉の奥で叫んでいたのだ。
襖ひとつ向こうの部屋。
聞こえれば助けてくれるはず。そんな期待を持ちながら、ずっと。
そんな葛藤が続き死ぬかと思ったその朝も、ちゃんと目が覚めた。
普通の朝だった。
後に「こんな夢を見て魘されてたんやけど、なんで助けてくれへんかったん?」
と母に言えば、もちろん「そんなん知らんわ」と一蹴された。
その反応も当たり前かもしれないけど、……すごく怖かったのにさ……。
因みに、現実で一番怖い就寝時の音は、こちら。
どん、と音がしてふと目を覚ましたら、ネズミと目が合ったこと。
きらりと暗闇に光るちっちゃな瞳が、今もちゃんと脳裏に映せます(笑;)
次回は未定です。ここまでお付き合いくださった皆さまありがとうございました。
また、印象的な夢を見たか(あるにはあるけど、ちょっと断片過ぎるのと意味不明すぎて文章にまとめられないんです)、日記が出てくるか、思い出したかしたら更新したいと思います。














