2裏話.シーカー
世界の秘密ってなんだろ。
それは今では、物語に興趣を添える問題提起となり果ててしまった。本来ならば、尽きることのない探求心が呼び寄せる「最高到達点」の声だったはずなのに。
あーあ、つまんないの!だってそうじゃん!僕は意外と賢いんだから。
なーんちゃって、そりゃあ五千年以上も生きてたら否応なしにこうなるよ。
そもそも、人間は越えようとするからダメなんだよ。カリガ……じゃなくてエベレストだっけ。身長越えれる?無理じゃん。
そう、ぶっ壊さないと!
なんて言ったらまたあのヒトに怒られるから、今回は大人しく静観するけどね。
何の話かって?全部。全部だよ。人間って、一部の仔以外つまんないんだよね。さっきのだって昔の人の友人が、しわしわのお年寄りになってから言ってたんだもん。長寿を禁忌と思い込んで、あと一歩で不老の霊薬を諦めたの。
これほどつまんない話も、現実的に珍しくない?
え?僕が創作上の存在って……。
あのね、僕は世界を自由に渡れるの!人狼みたいに!だからそっちにもいけるって記しとく。だってこれ文字じゃん、メディア。
証拠を見せろ?
どーせ何言ってもやっぱり視覚的に現れないとか言うんでしょ。
「やっぱり、ほら」
思った?
じゃあ、僕のいる世界に現れて?今すぐ。だって、君は「世界」という概念を知り尽くしてんでしょ。
何を根拠に俯瞰してるのか。
「ね、元お友達!」
その明るく可愛らしい笑顔。スマホをスクロールする手が止まらなかった。後ろから自分の想像していた少年の声が聞こえた気がし、冷や水を浴びせられたかのように身を強張らせる。
いない。これはただの創作物。何も宿っていない……そう、この作者なりに言ってやるなら形骸化した裏話だ。
「何も宿ってない?僕には僕の意思があるのに?あっはははははハハハハハ#/9≫%!!!ソレを言うなら、君だってそうじゃん!おそろ!だって、君は細胞の集大成だよ?その一つ一つに意思がある?ないでしょ?ねぇねえねえねえねえ想像してみなよ?君の細胞が突然、一個ずーつ一個ずーつ分離するの、君から。僕は何処かに闇がある限り、たとえそれが何に基ずく物でも存在し続ける。そう考えたら、君よりよっぽどだよ!ほら今もどうせ創作上って思ったでしょ?固執したでしょ!?ねえねえねえねえねえねえねえねえ!」
もし君が聡明なら、とっくに気づいてたろーね。
「なん、で……」
掠れたのどからは、言葉なんて出てこなかった。ただ、全てを後悔した。
「あーあ。酷いね、$@爛)#贓」
最期に笑うのは空虚なんだよ。
馬鹿馬鹿しい、君は本当につまらなかった。
「その点じゃ、人外は適わないね!僕は面白いものが好きだから!」