表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Fake and Liar  作者: うるフェリ
長編シリーズ1:赤い学園編
21/43

7裏話.天の梯子

Error

「…………」

長い沈黙が続く。その静けさが言葉以上の力を持つことは、長年生きていていやがうえにも実感するものだ。

暗く、ほんのり青い地下水路。宮殿のようにも見えるが、錆びた鉄柵は所々朽ちている。壁の装飾もすっかり風化しており、柵の向こうで溜まっている黒い水に時々波紋が広がっていた。


ぴちょん ぴちょん ぴちゃ


おりんのように緩やかに消えていく水滴。オルゴールのように絶え間なく聞こえていた。足音なんてない。

「……違う。徒労だった……もう帰ろう」

「帰る?早いよ」

目が笑っていない。片方は、口元すら笑っていない。無感情な目で二人は見つめ合うと、先に足を止めた方が根負けしてまた進む。

「紛れ込んでる。ココにはいないだけで、痕跡ならあるかもしれない」

「知らない……。抜けがない。可能性は低い」

石造りの床を踏みしめる。床は濡れていた。雨上がりの石畳のように、何処から射しているかもわからない光を反射している。水面もそうだった。

何故こんなことまでしているのだろう。邪魔だ。どうしようもなく鬱陶しい蠅は、早く消すべきだ。必要以外の無駄。それが嫌いだった。面倒くさくて、何処か気怠くて。

足元に揺蕩う水は、見ていると何だか脳味噌が掻き混ぜられるように感じた。飽和するように溢れ、砕け、考えるのをやめる。そうすると楽だった。

青以外の無彩色の空間を歩き続ける。ここに灯はない。照らす必要がないから。

ふと通路の奥から目を逸らし、僅かな興味を求めて水面を見やる。少し手前の方に、極々小さな赤い反射が見えた。

「……あ」

声を出して立ち止まる。横で暢気そうに歩いていた彼も釣られて、いや共鳴するように立ち止まった。

「誰ですかぁ、ココは立ち入り禁止だよ。悪い仔だな~……」

真っ赤な目が一つ見えた。片方は隠れているのか、無いのか。

「見っけ。天使の梯子」

その言葉に反射的に武器を振るった。石灰のような白い鎖鎌。しかし、投げた先に手応えはない。

「天井は何処まで伸びてんだ?入光方向は。海の下なんて、センスがあるな」

その言葉が終わる直後、赤い目が動いた。そのまま幽霊のように姿を失い、声もなくなった。わんわんと木霊すおりんの名残が脳内に響いていた。


「……ルーフ様に、報告しよう」

「うん。そうしようか」



ぴちょん ぴちょん ぴちゃ


「 梯子なら、精々その天命を果たしなさい 」



こんばんは、うるフェリことうるです。炭酸水とラムネが好きな人狼です。

今回の裏話はいかがだったでしょうか。僕は常に頭が飽和しているので、二人の気持ちはよくわかります。皆さん睡眠はとれていますか?寝ぇやちゃんと。



さて突然ですが、今週はとある事情により更新をお休みさせていただきます。

しかし、裏話二話目を投稿いたしますのでご安心ください。

また僕は遅刻はしますが、時間が長引けば「あ~、クオリティアゲアゲしてるんだろうなぁ」と思っていてください。比例式でも作ってみてください。

一括謝罪いたします、すみません。


今回もFake and Liarをお読みいただきありがとうございました。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ