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第四章 第一話 襲撃

冷たい月明かりが差し込む静寂の夜。カルの部屋には、重い空気が漂っていた。


彼は一週間前のあの日から、まるで時が止まったように動けなくなっていた。



これまで敵として対峙してきた闇の魔導士スイレンの正体は、カルが敬愛しそして密かに恋心を抱いていた師匠イェシカだった。




「行方不明の師匠が闇堕ちしてた件」とでもタイトルをつけた小説が書けそうだ。




喧嘩別れしたイェシカがまさか闇の魔導士に成り果て、

さらには黒羽りりぃをヤリ捨てたり蠍の怨獣になったり、怨獣の実験をしたり、

何やら歪んだ正義感のもと行動している様子を目の当たりにして、カルはパニックになったのだった。




カルが自室に引きこもるようになってもう1週間が経つ。




あの日からカルは日本魔導士連盟大阪支部に出勤できていない。




カルはただ自室の隅っこで膝を抱えて、湧き上がってくる様々な感情に向き合っていた。 





また何もせず夜になった。





家族には心配かけれないので明るく振る舞ってみせるも、食事が終わるとまた自室にこもって膝を抱える。





東田からもらった専用の端末が1日中鳴り響く日もあったが、出る気が起きない。




「もうクビになったかな、、、」


カルはそう呟く。





いつの間にかカルは眠りに落ちていた。





夢の中で、カルはイェシカと楽しく箕面萱野みのおかやの駅周辺を散歩をしていた。


ところがイェシカの姿はスイレンに変わる。


そしてスイレンは「愛してるよ。カル。」と微笑みながらおもむろにクビを締めてくる。



カルは「苦しい!やめてイェシ姉!」と叫ぶ




悪夢の中、叫び声を上げた瞬間——。




ガシャァン!


大きなガラスの割れる音が現実を貫いた。


カルは跳ね起き、鼓動を乱す胸を押さえる。



音は一階からだ。冷や汗が背中を伝う中、彼は恐る恐る階下に向かった。



---


一階に飛び込むと、そこには見知らぬ数人の男たちが立っていた。



その中の一人は錆びたバールを手に持ち、もう一人は窓枠を飛び越えて室内に侵入しているところだった。




「闇バイトだ!」




カルの口から自然と叫び声が漏れた。




家族も飛び起きるが、アイスピックを持った中性的な少年がカルの母親を刺そうとした。




カルは「やめろ!!!」と叫び、思わず拳に炎を纏わせてアイスピック野郎を殴り飛ばした。




だが魔法少女(♂)に変身していないカルの魔法の出力はさほど強くなく、撃退するには至らなかった。




闇バイトとは言え魔導士でない一般人に対してこれ以上魔法を使うのを躊躇ったカルだったが、

警察を呼んで警察が来るまでに制圧もしくは撃退する必要があると咄嗟に判断したカルは魔法少女(♂)に変身した。


普通の兄ちゃんの姿からかわいらしい魔法少女の姿になったカルは得意技の「Blaze Gale Fist(ブレ゜ーイズ・ゲーイウ・フィーストゥ)」をその場にいた屈強な闇バイト実行犯にお見舞いした。




死なないように急所は外したが余りの威力に屈強な男は吹き飛んでしまった。




そしてアイスピックを持った中性的な男は「ほう。やるな」と呟いた




そしてその中性的な男は

「魔法を使えるのはお前だけだと思うな」

と言い、アイスピックを宙に投げると炎の槍に変化した。




カルは「まさかコイツも魔導士!?」と困惑するのであった。



---

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