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クラスで一番可愛い女子と付き合って一年後、寝取られたけど二番目に可愛い女子と付き合うことになった  作者: 桜井正宗


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第37話 残党の動き。刑事の本当の正体とは……

 なんの電話だろう?

 相手が刑事なだけにスルーはできない。



「伊井野さん、ごめん。椙崎刑事から電話が入った」

「え~、なんで?」

「俺にも分からない。とにかく出てくるよ」

「うん」



 少し離れ、俺は通話のボタンを押し、スマホを耳に当てた。



『もしもし、前川くん。ちょっといいかな』

「椙崎刑事、なんでしょう?」

『実はね、大事なことを忘れていたんだ』

「大事なことですか?」

『できれば直接話したい』

「分かりました。蔵屋敷公園でどうです?」

『了解した。じゃあ、十分後に』



 大事な話しねえ、今更なんだろう。

 山田元議員なら捕まったし……。うーん。


 気になるので俺は向かうことに。


「伊井野さん、すまない。用事ができた」

「そうなんだ。よかったら同行するけど……」

「そうだな。ひとりで放っておけないし、一緒に行こう」

「うん!」


 仕度を済ませ、蔵屋敷公園へ向かう。

 徒歩五分の場所にある。


 少し歩くと見えてきた。


 すでに椙崎刑事が待っていた。



「早いですね、椙崎刑事。お待たせしました」

「私も先ほど到着したところだ。おや、彼女も連れてきたんだね」

「ええ、安全の為にも」

「なるほど、それは賢い選択だね」


「それで……大事な話しって?」


「うん、それなんだけどね。伊井野議員を覚えているかい」

「もちろんです。って、なぜ伊井野議員なんです?」


 まさかの名前に驚いた。

 ちょうど伊井野さんを連れてきて良かったな。


「孫娘の伊井野 苺さんを連れてきてもらって良かったよ。実はね、馬淵のことなんだ」

「あ……。そういえば、前の事件でヤツは出てこなかったですよね」


 そうだ。思えば気配すらなかった。

 まるで様子を伺っているかのように。


「あの、刑事さん。おじいちゃんとなんの関係が?」


 心配しながらも伊井野さんは聞いた。

 椙崎刑事は神妙な表情で答えた。



「あの時、名護弁護士を取り逃した。防犯カメラの分析によれば、馬淵の用意した車で逃走した」


「「えっ!?」」



 俺も伊井野さんも声を揃えて驚いた。

 ていうか、高校生が車の運転って……。

 まあ、ヤツ等に法律もクソもないか。



「逃げたのなら、伊井野議員とは関係ないのでは?」

「そこなんだよ、前川くん。なんとね、馬淵から脅迫状が届いた」

「脅迫状!?」

「彼の指紋が検出されたからね、間違いないよ」


 指紋を消し忘れていたのかよ、馬淵のヤツ。

 そういうところは甘いな。

 けど、そうか犯人は特定されているわけだ。


「で、内容は?」

「伊井野議員の殺害予告さ」


 恐るべき内容に凍り付く俺と伊井野さん。


「うそ……」


 特に伊井野さんは青ざめていた。

 そうだよな。

 おじいちゃんの身に危険が及んでいるんだから。


「安心してくれ。さすがの警察も厳重警戒中だ。伊井野議員の家や事務所の周辺の警備はとても固いよ」


「良かった……」


 それを聞いて安心する伊井野さん。

 けれど俺は嫌な予感がしていた。


 あの馬淵と名護弁護士だぞ。


 絶対なにかある。


「おや、前川くんは何か感じているようだね」

「ええ。警察が優秀なのは分かります。でも、きっと穴をついてくる気がして」

「だろうね。ここから先は男同士で話したい」



「「……?」」



 突然の提案に俺と伊井野さんは目を合わせた。

 なんだろう、男同士の話って。


「じゃ、ちょっと行ってくる。伊井野さんはここにいて」

「すぐ戻ってきてね」


 ひとりには出来ればしたくないが、椙崎刑事の要望なら仕方ない。


 距離を取り、改めて話を聞くことに。


「椙崎刑事、なんでしょう?」

「相談なんだけどね、前川くん。しばらく私と一緒に仕事をしないか?」

「え……仕事ですか」

「実はね、私は特殊な任務を受けているんだよ」

「そ、そうなんですか? 刑事の?」

「いや、私は身分は刑事ではあるが、そうではない」

「というと?」

「私はね――」



 その驚愕の内容に俺は、立ち尽くすことしかできなかった。

 椙崎刑事が只者ではないとは思っていた。

 あの闇カジノの件では、超小型のGPSを用意していたり、黒服四人全員の肩に弾丸を命中させたり……超人だとは感じていた。


 そうか、そうだったのか……。


 椙崎刑事は……。

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