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クラスで一番可愛い女子と付き合って一年後、寝取られたけど二番目に可愛い女子と付き合うことになった  作者: 桜井正宗


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第17話 ヤンデレ? メンヘラ? 恐ろしき元カノの執念……

 幸い、伊井野さんは擦り傷程度の軽傷で済んだので、直ぐに退院。

 俺と共に病院を後にした。


 けど、ちょっと違和感があった。


「伊井野さん、親は……?」

「それなんだけど、両親は海外にいるんだよね」


 残念そうにする伊井野さん。

 普通、こういう状況なら親が駆けつけてくるものだろうと思っていたけど、まさか、そんな事情があったとは……。

 そういえば、伊井野さんのアパートは父親が提供してくれたもののようだし、根本はお金持ちなのかもしれない。


「そっか。じゃあ、気が済むまで俺が付き合うよ」

「ありがとう、前川くん。じゃあ、わたしの雀荘へ行く? その、良かったら……泊ってもいいよ」


 ボソッと最後につぶやく伊井野さん。

 まさかのお誘いに俺は一瞬ドキッとした。


「マジか。そ、それは断る理由がないな」


 そう断る理由なんてひとつもない。

 今は心身ともに傷付いた伊井野さんのそばに居てやりたい。


 病院からはバスに乗って戻った。


 伊井野さんのアパート(雀荘)に到着。相変わらず外観はボロいけど、でも中は雀荘で綺麗に整っている。


 アパートの中へ進むと、伊井野さんは扉の前で足を止めた。


「……あれ」

「どうしたの?」

「中に人がいるっぽい」

「えっ、泥棒?」

「ううん、いつもカギしてるから。もしかしたら、リベリオンさんかも」

「そうなの?」

「合鍵を渡してあるから」


 なるほどね。いつでも入れるようにしてるわけか。

 中へ入ってみると、リベリオンさんの靴があった。この高そうなブーツは間違いない。前に見た事がある。


 廊下を進んで奥の部屋に行くと、やっぱりリベリオンさんがいた。



「やあ~、待ってたよ」



 ソファに座り、スマホでゲームでもしているのか、くつろぐ姿があった。ゲームアプリは麻雀らしい。じゃん……たま?



「どうも、リベリオンさん」

「前川くんも来るとはね。麻雀が好きだったんだ」

「いや、今日はいろいろ事情がありまして」

「事情?」


 俺は学校で馬淵に襲われたことを話した。リベリオンさんが一度ぶちのめしている相手と分かると、少し驚いていた。


「――というわけで、伊井野さんが人質になってしまったんですよ。でも、金髪の少年……重守 白竜くんが助けてくれてね。突然現れてびっくりしましたよ」


「え」


 妙な顔をしてポカンとなるリベリオンさん。

 なんか引っ掛かるようだ。


「どうしたんです?」

「白竜は自分の弟なんだけど」



「「えッ!?」」



 俺も伊井野さんも驚いた。

 そうだ……!!


 思えば、リベリオンさんの本名は『重守 真歩』じゃないか。どうして気づかなかった……!! いや、まあ……いつもソウルネームなせいか。



「弟は、白竜會の総長なんだ。……ああ、そうか。馬淵って副長がいるって聞いたな。あのコンビニいたアホ面がそうだったのか~…」


 今更、やってしまった~みたいな顔してるけど、本当に今更だ。けれど、あの時は本当に助かった。

 けど思えばリベリオンさんに助けられ、その弟の重守くんにも助けられたわけか。なんだか、不思議な縁だな。


 それと、リベリオンさんの路上の伝説というのも、あながち嘘ではないかもしれないな。


「リベリオンさん、ありがとうございました」



 唐突に感謝を述べる伊井野さん。



「いいんだよ、苺ちゃん。弟は部下の不祥事を許せないからね。特に、可愛い女の子に手を出したりすることは絶対に」


 立ち上がるリベリオンさん。スマホをポケットにしまい、俺の横を素通りしていく。


「帰るんです?」

「ちょっと野暮用を思い出してね」


 野暮用ね……。

 多分、弟に会いに行くんだろうな。

 なにを話すのか分からないけど。


「二人きりになっちゃったね」

「そ、そうだね、伊井野さん」

「じゃ、わたし……先にお風呂行ってくるね……汚れたりしたから」

「お、おう」


 このタイミングで風呂か。いや、一刻も早く嫌な汗を流したいだろうな。今日はいろいろありすぎたから。


「その間、好きなものを配達サービスで注文して」


 どうやら、晩御飯をスマホのアプリで好きに注文していいらしい。


「いいの? お金掛かるでしょ」

「今日は前川くんとパ~っとやりたいから、お金なら気にしないで!」

「分かった。じゃあ、決めておく」

「うん、じゃ、また後で」


 伊井野さんはお風呂へ行ってしまった。

 俺はその間、ウーハーイーツで飯を頼むことに。


 何にしようかなとウキウキ気分でメニューを眺めていると――。



 【山田樹里さんから通知がありました】



 え……。

 しまった。ブロックをし忘れていた!


 けど、中身が気になるな。

 ていうか、連絡できるのかよ。山田さんのヤツ、警察のお世話になっているはずだけど……。


 俺はおそるおそるメッセージアプリを開けた。


 すると――。



 山田樹里:許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない



 な、なんだこりゃ……!

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