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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ある生物の観察記録

作者: 白澤 睡蓮

保険ではなく残酷な描写ありです。

筆者はグロいと思って書いてますので、苦手な方はブラウザバックでお願いします。

これは廃墟となった研究所で発見された手記を、一部抜粋、翻訳したものである。



×月×日

珍しい生き物を手に入れた。

初めて見る生き物だ。

目の数、足の数、手の数は我々より多い。

体毛は有るといえばあり、無いといえばない不思議な見た目だ。

様々な鳴き声を上げるが、我々の言葉は理解できないようだ。

この生き物は何という名称なのだろうか?

暫くはこの生き物を研究テーマにしよう。



×月×日

我々は珍しい生き物をαと仮称することにした。

やはりαとの意思疎通は不可能だった。

当初は興奮していたαも多少は落ち着いたようだ。

本日からαを本格的に観察する。



×月×日

αは何でも食べる。

よく食べる。

我々が食べないようなものでも食べるαは雑食であるようだ。



×月×日

αが室内を動き回っている。

脱出を図っているのか?

我々が思っていたよりもαの知能は高い。



×月×日

不思議なことにαは毎日一定時間動かなくなる。

何故だ。

理由が分からない。



×月×日

αが動きを止めるたびに、刺激を与えることにした。



×月×日

奇妙なαの行動がさらに奇妙になっている。

活動停止する時間はαにとって必要不可欠なもののようだ。



×月×日

αの処遇が決まった。

我々との意思疎通が不可能であることを踏まえて、今後は被験体として使うこととする。

明日以降は実験だ。

胸が躍る。

どういった実験を行っていくか、これから話し合わなければならない。



×月×日

薬物投与を行った。

泡を吹いて痙攣している。



×月×日

薬物投与を行った。

αがのた打ち回り自傷している。



×月×日

足の一部を切り取った。

あまりにαが暴れるので薬物を投与し眠らせた。



×月×日

薬物が切れると暴れるため薬物の投与を継続する。



×月×日

αに再生能力はない。

保管していた足の一部を接合した。



×月×日

あ。

つなげる向きを間違えた。



×月×日

もう一度足を切断しつなぎ直した。

αは暴れまわっているのでまだまだ活気はあると考えていいだろう。



×月×日

αの腹と思われる部分を切り開き中身を確認した。

やはり我々とは構造が違う。

我々にはない器官を採取したい衝動に駆られたが、αが死亡する可能性を考慮し見送ることとなった。



×月×日

弱ってきている?



×月×日

ようやく鳴き声を音として拾うことに成功した。

『ヤメテタスケテ』

音にするとこのようになる。

何を言っているのか我々には分からない。

さて今日はできたばかりの新薬を投与しよう。



×月×日

体内から水分を抜いていったところαは徐々に弱って死んでしまった。

残念だ。

やはり水分を抜き過ぎたことが原因だろうか?

後日解剖することが本日決まった。



×月×日

αが異臭を放ち始めた。



×月×日

αの肉体に変化が見られている。

解剖したはいいもののどの部位もすぐに崩れ落ちるため保存が大変だ。

得られた各種サンプルは今後の研究に役立てよう。



×月×日

αの名称が判明した。

これでより理解を深めることができた。

早く次のサンプルを手に入れなければいけない。

今回の失敗を踏まえ次回は失敗するものか。

次のニンゲンはもっと長く飼育しもっと多くの実験をしなければ。

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