表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/110

とても愛されております


「おいおいおいおい!ファーラ!おめぇ!自分で言っている意味がわかんのか?」


ライザが大声で突っ込む!


「うん???

竿というのは男性のシンボルの隠語で、同じ男に抱かれた女性達を竿姉妹というのでしょ?

わたしはシュヒルの竿を経験しているから、間違いないと思うのですが……。この認識は合ってはいませんか?」

「いや……。その通りたが……。

くそ!シュヒルの野郎!なんてクソ野郎だ!

サリー!後で問い詰めてしっかりと締め上げてやっからよ!泣くな!」


新婚間もないのに、いきなり同僚と旦那との浮気を暴露されて、流石に落ち込むサリー。

自分の魅力に自信のないサリーは、美しいファーラの裸を見て、更に自信を失う。

その目には涙を浮かべている


「何故泣いているのです?

竿姉妹になったのですから……。むしろ喜ばしい事じゃないですか?」

「おい!ファーラ!洒落にならねぇぞ!

サリーと仲良しの風を装って、裏じゃあその旦那と繋がっていたなんてよ!しかも物理的にだ!」


「ひどいです……。ファーラさん。

折角お友達になれたと思っていたのに……。

シュヒルと浮気していたなんて……」


サリーことサリアンナは顔を覆い本格的に泣き出した。

それを見たマーリンはアリエッタを掴んで三人から少し離れて、湯に身を沈めながら言った


「アリエッタ!これが修羅場というヤツだ!

一人の男を巡る女の争い!いかん!ヨダレがでそう」

「師匠……。

もうヨダレがでてますよ。まったく!

少しは自重してください」


嬉しそうに成り行きを見守るマーリンに、呆れた視線を向けるアリエッタ。マーリンは仮面の口元を外し、ヨダレを拭っている。

ライザが上半身を湯面より出して、サリーを抱きしめて慰めている。もう一方の当事者のハーフエルフのファーラは涼しい顔だ


「サリー。確かにわたしとサリーは竿姉妹ですが、ひとつ認識の違いがあります。わたしは浮気などしていませんよ」

「でも……今……竿姉妹だって……。

それって……シュヒルと肉体関係があったって事ですよね。それって……ひどいと思います」


「確かに有りました。

けれどそれは貴方とシュヒルが出会う前の話です。

わたしはシュヒルを拾いました」


「「拾ったぁあ?!?」」


ライザとサリー。

二人の声がハモる。


ファーラが無表情で淡々と説明を始めた。


何でもある日たまたま山間の村を訪れたら、疫病に見舞われていた。そこで何とか村が全滅する前に治療をしたけれど、疫病で両親を失った11歳の少年がいた。

ファーラは身寄りの無い少年に聞いた


「わたしはお前を一人くらい養える。

冒険者に成りたいなら力になる。わたしと来るか?」


少年は村に残るのを嫌い、ファーラとの旅を望んだ。


ファーラもその少年に思うところがあり、同行を許可した。それがシェヒルである。ファーラは共に旅をしながら、彼に生きる術と戦いを教えた。そして……


シュヒルも年齢を重ね、当たり前のように成長していた。

水浴びや着替えでファーラは臆面もなく裸になっていたが、子供から大人への階段を登る過程で、シュヒルが意識するようになった。

別に襲うとかファーラをおかずに自慰行為にふけるとか無かったけど、このままなら変に拗れると思ったファーラは、シュヒルの成人の日に女としての手解きをして上げたという


「いやはや……人間の思春期の少年はあんなにもエネルギッシュだとは思いませんでした」


性に淡白な性質のエルフの血を引くファーラも、性交にはあまり興味がない。少年シュヒルに対しても自分のせいで女性に対して屈折した人生を送らないように、身を委ねたに過ぎない。


ファーラとしては一度経験させれば、シュヒルは満足すると思っていた。けれど蓋を開けて見れば、性や女性に対する好奇心が爆発したようで毎日のようにファーラを求めて交わったらしい


「本当は成人となる15歳まで側にいる積もりでした。

けれど冒険者になったばかりの初心者を放り投げる訳にもいきませんから、ある程度実力が付くまで見守る事にしました」


思春期真っ盛りのシュヒルくんも一年以上もファーラと裸で交われば目移りし、他の女の子にも興味が沸いてくるのは仕方がない。それでファーラは、シュヒルが冒険者としての経験を積み独り立ち出来そうな17歳になるまで待って、彼へ言った


「貴方はもう一人前。

好きな人と出会い、愛を育みなさい。

わたしとはもう卒業。これから体の関係はありません。

最後に抱かれても……とも思いましたが、このままスッキリと別れを決断した方が良いでしょう」


そしてファーラはシュヒルの元を去ったという。


けれど一年後再会した時、シュヒルはダンジョンの中で死にかけていた。


新たに加入したパーティーでは、シュヒルの若さと独断専行が祟り、瀕死の重症を負ったシュヒルは仲間から裏切られ、ダンジョンに置き去りにされたのだ。


たまたまその裏切った仲間がシュヒルの事を話題にしているのを聞き、半殺しにして場所を聞き出し駆け付けたのだ。


回復させた後はシュヒルに責任感と仲間との連携を考慮させる為にリーダーとした。

別れる前まで、ファーラとペアで冒険者をしてきた。実力はついたが、反面パーティー連携を疎かにしていた。

だから今度は冒険者パーティーの仕切りを学ばせようと思ったのだ。


ファーラはサポートに徹した。

仲間は増えたり減ったりで、今の形に落ち着いた。

このメンバーのまま、一年は戦っている。


ファーラはサリアンナへ言った


「サリー。わたしはシュヒルとこんな約束をしたの。

『女を抱きたい時には、娼館を利用するのはいい。だが、付き合うのは愛する一人に絞りなさい』

そんな約束。

シュヒルは今も律儀に守っていますよ。それに毎夜お前さんのあられもない声を聞かされると……娼館通いも絶ってるようだわ。

愛されていますね。サリー」


ファーラがウィンクすると、サリーは顔を非常に紅潮させ、蚊の無くような声で返事をした



「はい……とても愛されて……おります」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ