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チョウ。カイカン。


40匹オーバーのヘルハウンドが、赤く光る目をギラつかせている。


グォア!

ガウルゥ!

ガルルアァ!


複数のヘルハウンドが同時に跳びかかった!


白い少女シロエ

黒い少女クロエ


ふたりがその獰猛な魔獣の牙と爪に引き裂かれんとした時、シロエはほんの一歩足を踏み出す。

手の平を前に出すように右手を掲げた。


「かべ」


ギャ!ギャフン!

キャン!キャキャン!


ヘルハウンドたちは少女達に至る寸前、何かにぶつかり、弾かれるようにその場に落ちた。


シロエが魔法障壁を展開し、半透明の壁が出現したのだ。


こんどはクロエが一歩前に出る。


両手の人差し指を立て、こちらへ飛びかかるヘルハウンドを指差した。


「トゲ」


両手の人差し指が伸び二匹の犬公の眉間を刺し貫いた!


黒々とした長いトゲと化した指はスッと引っ込み、宙に繋ぎ止められていた犬の亡骸は地面に落ちた。


それから壁にぶつかって転がっている犬畜生共を片っ端から刺しまくった


「カイカン」


クロエは元に戻った人差し指にふっと息を吹き掛けた。


こんどは両端から左右二匹づつ、合わせて4匹の魔獣が襲いくる!


「くろえ。しゃがんで」


クロエはしゃがみこむ。白いパンツが丸見え。

シロエは腕を左右に伸ばして、手の平を犬コロに向けた


「こおり」


両手から氷柱(つらら)が伸び枝分かれして、左右2匹づつの胸を貫き氷漬けにした。

宙に浮いた氷の塊を


「ぱん」


と両腕を胸の前で合わせる。


ガシャン!4匹の犬コロはシロエの目の前で粉々に砕け、一瞬で魔石と化した。赤黒い玉が4個、地面に転がった。


それからシロエとクロエは凍らしたり、ぶっ刺したりしてヘルハウンドを半分位まで減らした


「マスタ。こいつら。ウザイ。もやして。イイ?」


クロエの問いに、マスタグレイは微動だにせず


「ダメだ。森が燃える。お前加減できないだろ?」

「ウ~。わかた。ソウスル」


こんどはシロエがグレイに聞く


「ますた。こいつら。くう?」


「食わねえ。不味い。臭い。ヤバイ」


シロエは笑って


「それなら。かんたん。くろえ。さがって」


クロエはシロエの後ろにいく。

両腕を左右に差し出し。


「さゆう。かべ」


今度は両側に魔法障壁を作り出す。

長い半透明の壁。


そしてゆっくりと両腕を前に持っていく。


生き残りのヘルハウンドが壁に巻き込まれ、押される。

シロエが前倣えのように腕を揃えると、ぎゅうぎゅう詰めのヘルハウンドが行列を作り一列に揃っている。


「くろえ。ぶっさして」

「リョカイ。まかせて。シロエ。シャガンデ」


こんどはシロエがしゃがんで、パンツみえる。


クロエがその頭上で右手を伸ばす。

手の指先を揃える


「ランス」


腕が黒々とした円錐形の槍となり、一列に並んだヘルハウンドをぶっ刺す


「ハゼロ」


瞬間。串刺しの犬畜生共の体がぶくぶくと膨らみだし、

ボンッという破裂音と共に爆発し、魔石となり地面にボトボト落ちた。

槍が引っ込み


「チョウ。カイカン」


とうっとりしたクロエが元に戻った腕に、ふっと息を吹き掛ける。

そして生き残りを全て始末し、ヘルハウンドは全滅した。

白と黒はニコニコと灰色の元へ駆け寄り


「ますた。いぬ。ころした。ほめて」

「マスタ。いぬ。ぜんめつ。ナデテ」


と撫でてほしくて頭を向ける


「ん?終わったか?魔石は回収したか?」


「まだ」

「マダ」


「なら、すぐ全部拾ってこい」


「あいさ」

「アイサ」


ふたりは駆けて、うずらの卵ぐらいの魔石を拾う。

シロエがスカートの裾を両手の指先で摘まんで、広げる。


もちろんパンツがあらわ。

お子様用の布地の多いパンツだね。


スッと伸びた白い足が綺麗。

クロエは拾った魔石をシロエが広げたスカートに沢山置く。

シロエはそれをグレイの側に持って行く。


「ますた。みて。ませき。いっぱい」


グレイは立ち上がり、スカートの上の魔石を覗き込む。

赤黒い魔石がゴロゴロ白い生地の上に山盛りになっている。そして腰にぶら下がっていた、茶色い袋を外しクロエになげる


「全部入れろ」

「リョカイ」


クロエは袋に魔石を入れる。小さな袋なのに全部入った。魔法の袋だ。高価な品でこれだけで家一軒は立つ。

その袋をクロエはグレイの腰ベルトにきっちり結び直した。

ふたりはご主人様の前に並ぶ


「ますた。ほめて。ほめて」

「マスタ。なでて。ナデテ」


グレイは右手をシロエの頭の上に置き、左手をクロエの

頭に置いた


「よくやったお前達。今日は帰ったら好きな物食っていいぞ!」


と優しくクシャクシャと頭を撫でる


「はにゃあ」

「ホニャア」


白と黒はうっとりしてにんまりしてご満悦。

しばらく撫でられていたが、シロエが目を見開き、瞳が赤くなる


「ますた。まじゅう。くる。たぶん。にく」


それから間もなくして、猪のような牙のデカイ体長3mぐらいの二匹の魔獣が突っ込んできた。


「雑魚だな。任せた」


「まかされた」

「マカセテ」


「あ~くれぐれも魔石にするなよ!」


ふたりは頷くと魔獣に向かっていく。


瞬く間に動かぬ肉塊に変えた。


「クロエ。血抜きしとけ」

「アイサ」


クロエは魔獣ピッグファングの首筋を、黒い刃物に変えた左手の人差し指で切り裂いた。


血がどぼどぼと零れ、地面を赤く染める。

やがて血の勢いがおさまり、止まった。

血抜きをすると獣臭さが少なくなる


「シロエ。凍らせろ」

「あいさ」


二匹の魔獣を瞬時に凍らせた。

グレイは魔法の袋を空け呟く


「魔法のロープ。二本」


すると袋からロープが蛇のようにショロショロと伸びて、やがて二本のロープが地面に置かれていた


「魔獣を縛れ」


命令すると二本のロープが勝手に動き、それぞれ魔獣を縛る


「シロエの腹、結わえろ。クロエの腹、結わえろ」


自由なロープの片端が動きシロエの腰に巻き付き、輪ッかを作るように隙間を空けて結ばれた。

もう一本のロープはクロエに巻き付き、同じように結わえる。

ふたりの腰の膨らみで、下には落ちない。


「よし、帰るぞ。召還しとけ」


「あいさ。しょうかん。ゆにこん」

「アイサ。しょうかん。シリウス」


来る時に乗ってた、子供のユコーンとシリウスが現れる。ふたりはそれぞれ召還した魔獣に跨がった。

グレイはピッグファングに手の平を向けた


「浮遊!」


反重力魔法を唱えて、魔獣を30センチ程浮かせる。

それから自身に向けて魔法を唱える


「ヘルメス」


グレイの体が僅かに浮き上がり、ブーツに小さな羽が生える。全身は薄い白のオーラで覆われた


「帰るぞ!」


グレイは人間離れした凄まじいスピードで山道を下っていく。


「あいさ。ますた」

「アイサ。マスタ」


シロエはユニコーンで駆ける。

クロエは少し遅れてシリウスで後を追う。

その後ろをロープで引っ張られた二匹の魔獣が付いていく。


それから……。



グレイ。シロエ。魔獣。クロエ。魔獣。

一列になって草原を駆けていく



─風のように速い



氷漬けの魔獣は、逆さまで四肢を天に伸ばしたまま、滑るように移動する。




陽光に照らされ、無駄にキラキラしていた。












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