羊と猟犬
新リーダーとなったグリゾウは〈猟犬〉と呼ばれた仲間全員と共に〈ゴミ捨て場〉に着いた。
伯爵様のお屋敷がある領都からは馬車で1時間半の距離にある、人の寄り付かない場所。
そこは底の見えない崖に隣接された小屋の事。
小屋と呼ぶには大きく、庶民の屋敷位の大きさ。
中はがらんどうで粗末なベットが置いてある。
木の床から一段下がった崖側には石貼りの床。
更に拘束具付きの石のベッドが置いてある。。
崖側のドアを開けると深い穴が覗いて、処理の終わったウサギの残骸はここから投げ捨てるのだ。
男達はベッドをどかし、広々とした木の床に女を寝かせた。
そして石床の方には拷問器具を並べた。
木の床で女を犯し、石の床で拷問するのだ。
石床ならば、流れ出た血も洗い安い。
グリゾウは「ウーン」と唸っているウサギ……女の頬を軽く叩いた。
女の目はグリゾウ達を見ると驚愕に開かれる。
そしてけたたましく喚きだした。
正直呂律が回っていないので、女が何を言っているか分からない。
あんまりウルサイので頬を思い切りぶっ叩いた
「ようお嬢さん。
今宵は長く忘れられない、一日になりますよ。
おっと忘れられないと言っても『俺達にとって』という意味ですわ。
明日の朝までには全て終わらすつもりですが、まあ夜はまだ始まったばかりですので、せいぜい楽しませて下さいな」
そしてグリゾウは服を脱ぎ捨てる。
他の男達もそれに倣う。
裸の13人の屈強な男達が女を取り囲む。
裸の女は叫び声を上げながら逃げ出そうとするが、直ぐに両手両足を男達に押さえつけられる
「オレは優しくて紳士的な男だ。
お前は嫌がるだろうが、直ぐにオレが恋しくなるさ。
何故なら俺に続く猟犬共は、オレ程甘く無いからさ」
そう言うな否や男は女の足を思い切り拡げ、身を沈めた。
女はけたたましい叫び声を上げた。
──空が白みはじめた──
丘の稜線が明るくなり、もう間もなくして日も昇るだろう。
〈ゴミ捨て場〉の石床には原型を無くしたウサギの肉塊が転がっていた
「もう死んでるだろう。捨てろ」
グリゾウの命令で男二人がウサギを抱える
「なんだ?スゲー重い」
「いいからさっさと捨てろ!
気持ち悪い」
男二人は首をかしげながら、崖がわの扉から崖下へウサギを投げ捨てた
「さぁ。役目は終わった。
特別報酬が入ったら平等に分けてやる。
帰ったら一眠りして、伯爵邸に報告にいく。
どれ。掃除が終わったらずらかるぞ」
床は一面血の海だ。
肉片もアチコチに散らばっている。
これを全て崖から投げ捨て、石床は綺麗に洗って次回のウサギ狩りに備えなければならない。
このまま放置すれば腐り悪臭を放ち〈ゴミ捨て場〉は使い物にならないだろう
「掃除は念入りにしないとな」
「えっと……その通りですね。
掃除は念入りにした方が良いと思います」
声のする方に振り返ると、扉が開け放たれそこに黒々としたシルエットが浮かんでいた。
いや。黒いレザー服を来た女だ。
背が低い。
スーツのような黒いレザー服
赤いリボンのネクタイ
ホットパンツ
細い脚には網タイツにガーターベルト
黒々としたショートカットの髪に、黒真珠な瞳。
12~3歳位の美少女が扉を開け立っていた。
その頭の両サイドには羊の角が生えている
「なんだお前は?ん?まだガキじゃねぇか。
ガキがそんな格好すんじゃねぇ。
もしかして伯爵様の所有物か?」
「えっと……全然違います」
ふーんとグリゾウは舐めるように少女の全身を見る
「お前。なかなか旨そうだ。
味見してやる。
なあに伯爵様はガキは嫌いだからな。
ここは大人しく俺達の相手をして貰おうか?
それにしてもエロい格好しているな。
俺達を誘っているのだろう?
このエロガキめ!」
グリゾウは手を伸ばした。
だが、その手が少女に届くことは無かった
─?
グリゾウの手が肘から切り落とされていた。
丸腰の少女の手にはいつの間にか剣が握られて……柄が無い……剣と腕が一体化している
─な……何が?
突然腕が痛み出し、叫び声を上げようと口を開いた
ゴロン
口を開けたままグリゾウの頭は胴体を離れ、床に転がった
「何だテメェは!」
「何しやがる」
男達は立ち上がった。
少女はそんな男達を見回して
「えっと……それじゃ勝ち目はないと思います。
出入口はここだけです。
それともそちらのドアから崖に飛び降りますか?
そこに武器が転がっていますね。
どうぞ拾って下さい。
それとも丸腰のまま、私の相手をしますか?
少し時間をあげるので、好きな方を選んで……」
「ふざけんな!このガキ!」
男が飛び掛かり、瞬間、心臓を貫かれて絶命した
「えっと……あと11人です。
どうします?
私……今からあなた達と殺り合っても良いのですよ」
「まっ!待ってくれ!」
男達は床に転がっている武器を思い思いに選んだ。
護衛用の剣やナイフも持っているが、無い者達は拷問道具を武器に選ぶ。
鋸や千枚通しのような先端が尖った大きめの針。
それ以外にもハンマーや巨大なハサミなど、バラエティーに富んでいる
「えっと……イノチノヤリトリ始めましょうか?」
シャキン!
少女の両手が剣となった。
男達は少女に襲い掛かった。
──1分後──
猟犬は全てバラバラの肉塊となっていた。
「イノチノヤリトリメッチャスキ……でもコイツら雑魚……クズ……つまらない」
─強くなるって……いいことばかりじゃない……
「あっ。これが特別報酬だって言い忘れてた!
まっ。いっか……」
少女は小さなため息を吐くと、猟犬の残骸に背を向け小屋を出た
「終わったようだな。イチ」
外には羊の角を生やした、執事姿の男が立っていた。
190㎝オーバーの身長から、同じ羊角の少女イチを見下ろしていた。
赤く燃えるような瞳がイチの姿を捉え
「返り血も浴びていないようだ。
だいぶ腕を上げたな。
さぁ。主人の元へ参ろうか」
「はい。デモス」
イチは顔を赤らめ
「はじめて褒めてくれた。
嬉しい」
小さな声で呟いた。
朝日が昇り、二人の影がのびる。
イチの影はそのままに……デモスの影は大きさをまし翼が生える
イチは巨獣の姿となったデモスに乗った。
大きな牡牛の角にイチは身を預ける。
巨獣は羽ばたき宙に舞い上がる。
そしてその獣の指先から青白い炎が一塊、ゆらゆらと揺れながら〈ゴミ捨て場〉と呼ばれた小屋に落ちる。
刹那─小屋は青白い炎に包まれて、やがて中の猟犬の残骸と共に跡形もなく消え去った。
炎の一欠片は崩れ落ちた小屋の破片と共に崖下へと落下する。
そして積み重なった骨に着火し激しく燃え上がる。
炎からは幾つもの青白い火の玉が天に昇っていく。
崖の暗闇の中を昇る火の玉はやがて朝日の光線と交錯し、花火のように弾けて煌めき消えていく……。
それは命を失い崖下に落とされた女性達の魂が解き放たれた、鎮魂の輝きであった。
以前村人相手に3分掛かりましたが、今回それなりに腕のある輩を1分で全滅させました。
強くなっているけど、人を殺しても何とも思わないイチちゃんのメンタルが怖すぎる((( ;゜Д゜)))




