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大根役者のお手並み拝見


少し遡ろう。


【跳ねる子馬亭】での事。


まだ指揮官が潰される前の頃へ……。


指揮官ダッタが小太りの身体を震わせて、グレイとシェリルの新婚カップルの子作り……とにかく羨ましい事をしていた部屋を訪ねた時。

まっ。グレイはベッドに腰かけて、ダッタ達を待ってたけどね。


部屋に入り込んだダッタは、応対したグルイに言い様にあしらわれて部屋で転がされた。

その時に新妻シェリルが恥ずかしそうに肌掛けでまえを隠し、露になった背中とお尻を見た時逆上!

自分の連れてきた取り巻き三人と屈強の兵士ふたりに命令したのだった



「貴様!最早容疑は固まった!殺れ!」



これを合図にダッタの護衛兼、腕が立つであろう兵士ふたりは剣を抜き放った。

そして問答無用でグレイに斬りかかった。



ヒョイ


ヒョイ



避け際グレイはふたりのみぞおちに拳を突き立てた。兵士は胸当てのみでその攻撃を防御できなかった。


大の男がふたり悶絶して倒れた。


更に、ヒョイヒョイヒョイっと


取り巻きのカス三人もあちこち攻撃を受け、失神している。グレイは放心しているダッタの前にヤンキー座りをした


「でさ。あんた。俺が自分の奥様と子作りに励んでて、なんで殺されかけなきゃならん訳?ああ!」



ゴン



グレイはダッタの胸ぐらを掴み、軽く頭突きする。ダッタの放心状態が解除された


「貴様!こんなことをしてただで済むと思うなよ!」


「いきなり殺されかけりゃ、まともなやつはこうするわな。それとも死にたい訳?ほら、理由いえ!聞いてやる」



ぐぬぬぬぬ



ダッタは睨んでいたが、グレイが拳を振り上げると観念して話始めた


「ネタは上がっている。貴様そこの娘を脅して無理やり……」

「確かに脅された。オレがな。一緒にならなければ魔族にでも何でもなって追い回すってよ」


ダッタは真っ赤な顔をして


「そんなわけあるか!」


「本当ですよ」



とシェリル。さらに


「惚れた殿方とこうしてようやく愛を育めるのに……邪魔しないでください!」


「……だが!奴隷を日夜凌辱しているではないか!」


どうだ!とダッタ


「お前バカか?奴隷をどうしようがこうしようがオレの勝手だろ?お前だって美人の奴隷がいたら好き勝手するだろ?一緒にお風呂に入ったり、一緒のベットで寝たりさ」


ぐぬぬぬぬ


「この宿の女主人も凌辱しただろう!とにかく貴様は生きていてはいけないのだ!グハっ」



グレイの頭突きで鼻血をぶちまけるダッタ



ホラよ



と解放される


「そういや昨日、女将さんとも良い関係になったな?

なかなか良かったぜ。揉みごたえがあるしスゲーエロいサービスしてくれてよ最高だった。

だがよ。俺は陵辱なんかしてねぇぜ。

はじめはさ。こっちが襲われたんだぜ。

『あなただけの女になります』って言ってたな」

「そんなわけあるか!貴様の命運は尽きた!ここは兵士に囲まれている。お前はもう袋のネズミだ!」


喚くダッタに


「ほら。早く行けよ。女将さんに聞いてみな」


グレイの言葉に、足が(もつ)れながらダッタは部屋を出ていく



そして



ぷっと吹き出し笑うシェリル


「グレイさん。何ですかあの田舎のヤンキーみたいな話し方。笑いを堪えるのに必死でしたよ」

「ああ。仕方ないだろ。怒らせろって言うからさ。

リリスの野郎……」


グレイはリリスのアドバイスを思い出していた。


ルルワとなって兵士達を呼びに行く前。

皆の前で語ったこと


「グレイはホントの事を言いな。すると相手は怒るから。マレーヌさんには真逆の嘘をついて貰う。どっちを信じるか見物だね。

結果は分かりきっているけどさ……

まっ。人間は自分の見たいものしか見ないのさ」


リリスはそう言って含み笑いをしたのだった


「あいつの言った通りに本当のことを話したけどよ。あの指揮官ヤロウ、マジで怒ってたな」


シェリルは裸になりベッドから降りると、下着も着けず洋服に袖を通す


「次は大根役者のお手並み拝見ということかしらね」


シェリルは含み笑いをした。




☆☆




指揮官ダッタは階段を転がるように降りて、カウンターの女主人マレーヌの所へ向かった


「女主人!皆やられた!

だが娘はグレイという奴の嫁だと言っていたぞ!

それにお前もグレイを襲ったとかなんとか!」


「まあ!ひどい」


マレーヌは顔を隠し、露になった時涙を流していた


「娘はまだ15歳ですよ!

男を知らない生娘がいきなり男に襲われて、正気でいられますか?

それも一晩中陵辱されて……慰み者にされて……嫁にになったと、そう思い込むしかないではありませんか?

それにしてもあの男は女慣れしています。

わたくしも恥ずかしながら襲われた時、初めは抵抗していましたがあの神業のようなテクニックでいいようにされて……わたくし半年振りなのですよ……とても理性が保てませんでした。

わたくしでさえそうなのですよ。ましてや娘なんてきっとあの男の手にかかれば赤子の手をひねるようなもの。とても太刀打ち出来ないでしょう!」


「そ……そうだな……」


ダッタは反論できない。

いくら棒読みでも女の涙には弱いのだ。

そしてマレーヌは大根役者に拍車をかける


「ああ!見てください!あの灰色の男がこっちを見ています!ああ。どうしましょう階段を降りて来ました」


マレーヌの視線に釣られて振り替えれば、灰色の男がゆっくりと階段を降りて来る


ひっ!


指揮官ダッタは慌てて出口へ向かう。


マレーヌは手に持った目薬をポイっと棄てる。


ダッタは何やら叫びながら店の外へ飛び出した。





そして……デモスに潰されて死んだ。












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