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みんな助けてハーレムだ!


グレイとマレーヌが一糸纏わぬ姿で朝を迎えた、兵士の襲撃当日の朝。


着替えを済ますとマレーヌは気だるい体で、シェリルと一緒に朝食の準備をした。


その後、皆で朝食を取った。


そして何時もと変わらぬ日常を演出しながら、カモの来襲を待っていた。


グレイとシェリルは二階の部屋へ行った。


ルルワは兵士達を呼びに行き、シロエとクロエとイチは認識阻害のネックレスを付けてカウンターに座っていた。イチの分はルルワから借りた。


マレーヌは肌の露出を抑えた襟元まで布地のある何時もの制服で、開店直後の準備をしている演技をしていた。


シロエはミルク。

クロエはブラックコーヒー。

イチはカフェオレ。


定番の飲み物を啜っている。

イチの角は消してある。


そして【跳ねる子馬亭】にあまりにも下手な、あの冒険者の変装をした兵士がやってきた。

こんなの冒険者を雇って情報収集をさせればいいのに、あんな大根役者のマレーヌの演技にもコロッと騙されたのだ。


その兵士は騙された事にも気付かず、指揮官達を呼びに食堂を出て行った。うしろでマレーヌが()()()()()()をしているとも知らずに……。

そして美女達を灰色の髪の悪党から救うという馬鹿なシナリオを自作して、みすぼらしいお髭の指揮官がやって来た。

見た目屈強な兵士ふたりと、いかにも揉み手しそうな取り巻き三人の計六人だ。


総勢三十名の兵士。残りはこの食事処を囲んでいる。

ほとんど入口付近に隠れてはいるが……。


そして指揮官はこの【跳ねる子馬亭】の食堂に入ったとたんに呆けた。

ドストライクの金髪碧眼のプロポーションも申し分ない、清楚で色気漂う美しい人妻がいた。

マレーヌである。

聞いた話によると、昨晩あの女主人の旦那にだけ向けた貞操をぶち破り、灰色の髪の男が凌辱したという!


ここは宿屋も兼ねている。


しかも灰色の髪の男はそこのキングベットのある部屋を借りていて、現在進行形で娘も慰み者にしているらしい


『羨ましい!……いや、許すまじ鬼畜外道!』


指揮官ダッタは拳を握りしめた。

もしかしたら……もしかして……この美女を助けたら、お礼にグレイが陵辱した母娘にエロエロな御奉仕されるかもしれない!


ダッタの脳裏にここの母娘と助けを求めにきた黒髪の美女、そして奴隷の女の子達三人。妹と言っていたが、それらを裸でキングベッドに並べて弄ぶ鬼畜な男の姿が浮かんだ


『凄く羨ましい!絶対絶対オレもそうする!みんな助けてハーレムだ!』


ダッタの脳内思考はあられもない方向で落ち着いた。

ダッタはカウンターに座る。マレーヌの目の前だ。

マレーヌはすかさず葡萄酒を出し、大根役者ぶりを発揮する


「まあ。逞しいお方。その胸にいだかれてみたいわ。

それにしてもこんなに早く来て下さるなんて!

あの子は無事でしょうか?」

「はい。我々がしっかりと保護しております。優秀な護衛を三名もつけておりますれば、そこは安心していただきたい」


ダッタは肉膨れした胸をはる


「それはホント安心でございますわ!

でも……つかぬことをお聞きしますが、わたしの夫は本当に亡くなったのでしょうか?未だに信じられなくて……」


豊満な胸を押さえる不安気な美女に、ダッタはドキマギする


「それは本当のことでございますぞ。

ほれ。アレを……」


ダッタの号令で、取り巻きは箱を出す。箱を開ければそこにはマレーヌとお揃いのネックレスがあった


「これは……」


マレーヌが胸元からネックレスを取り出し魔力を込めた。直ぐに箱のネックレスが発光する。

間違いない。旦那のネックレスだ


「これ……わたしの夫のに間違いありません。頂いても宜しいでしょうか?」

「おお。確認頂ければ差し上げます。

旦那はダーレルの街にて、魔物相手に実に優秀な戦いぶりでございました。の?」


ダッタは流し目で、取り巻きに合図する


「まことに、鬼気迫る戦いぶりでありました。

そして見事な最後でありました。私はこの目でしかと見届けました!」


人はこうもシァアシァアと嘘をつけるものだろうか?

マレーヌは腹ただしく唇を噛み締めた。

マレーヌはダーレルの街へ魔物退治に向かう時、この【跳ねる子馬亭】に寄った知り合いの冒険者何人にも旦那の安否確認をお願いしていた。

そしてあの魔物の襲撃の後、何人かの冒険者が情報提供の為に帰りにこの【跳ねる子馬亭】に寄ってくれた。

誰ひとりとして、ダーレルの街にて旦那の姿を見た者はいない。


旦那はスキンヘッドでいつも赤い服を好んで着ていた。周りのくちさが無い者は[タコ坊主]とあだ名していた。よくも悪くも目立つ男である。

マレーヌに親身になって街中の酒場に情報を求めた者もいたが、見ていないという。

旦那は酒好きで酔うと[ゆでタコ]と呼ばれる程赤くなり、皆一度でも見ると忘れられないほど印象に残る。

その旦那を見た者が誰もいない。

それはひとつの結論を導き出していた。


旦那はダーレルの街へ行っていない。


そしてこのここにいる兵士の連中。

あの襲撃の日。ダーレル郊外の仮設の兵士の駐屯地から一歩も出ず亀のように甲羅に籠っていたという。

その後のダーレルの街の復興に際して、このダッタと取り巻き三人はやたらと威張り散らし、街の人々から忌み嫌われていたという情報を仕入れている。

今旦那の死に立ち会ったという取り巻きのひとりは、冒険者より受けた情報の取り巻きの容姿と一致する。


つまり旦那が死んだとされるダーレルの攻防戦に際して、この男達は誰ひとり駐屯地に隠れて戦ってなどいない。つまりもし旦那が街で死んだとして、立ち会える訳がないのだ。


マーレヌは怒りに震えながらもネックレスを受け取り、自らの首にかけた。

その際胸元のボタンを外し、ダッタたちはその豊かな双丘のはみ出た一部を食い入るように見ていた


「では。我々。灰色の髪の男の捕縛に向かいます」

「わたくしが案内致します」


「いや。それには及びませぬ。

危険でありますので、ここは我々にお任せ下さい」


マレーヌの同行を遮った。来られたら困るのだ。

捕縛のついでのどさくさ紛れて灰色の髪の男を殺すつもりなのだ。


出来れば娘も確保して、娘の見てないところで抵抗されたと嘘を付き殺す。

だからダッタのイエスマン。ダッタの信頼できる連中だけで来たのだ。口裏合わせのためである


そしてマレーヌから部屋の場所を聞き、階段を上がり二階の宿へ向かった。

その際、食堂隅のテーブルで身を寄せ合う三人の娘の姿をちらっと確認したが、その容姿は良く分からなかった。


そして扉の前。


ドンドンドンドンドンドン


乱暴にドアを叩く


「そこに灰色髪の男がいるのは分かっている。

お前はある嫌疑がかけられている。我々は兵士だ。

抵抗せずドアをあけるように!」



──ガチャ──



扉が開いた。


そこには半裸の灰色の髪の男がやたらやさぐれた顔で立っていた


「んだよ。うっせーなぁー。オレに何かようか?」


あまりに慇懃無礼な態度にダッタは激昂する


「貴様!ここの娘を誑かしたそうではないか!

拘束する。大人しくしろ!」

「んだとこらぁ。どこの世界に自分の奥様と子作りしたら、誑かした事になるんだぁ!

ああ」


奥様?この男無理やり!


「嫌がるのをおどして無理やり手込めにしたのだろう!言い訳無用!」


ダッタは怒り殴りかかる!

ヒョイと灰色の髪の男にかわされ、部家の中に転がり込む。顔をあげて見ればキングベットの上で肌掛けで前を隠した、麗しき金髪碧眼の美少女が背中を向けている。

怯えた眼でダッタを見ている。


それにしても剥き出しの背中とお尻。座っているので皆まで見れないが、この美しき肢体をいいようにしたのだと思うと羨まし過ぎてダッタは怒髪天をついた!



「貴様!最早容疑は固まった!殺れ」



ダッタは取り巻き連中に命令を下した!
















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