お尻くらい、さわらせてあげるのに……
えっとなんでわたしイチはここにいんのかな?
ここは【跳ねる子馬亭】の二階客間。
キングサイズのベットの上。
左右にはクロエとシロエ。
そしてわたしの下にはグレイ。
今日は特別特等席?グレイの上で寝かされている。
落ち着かない。
初めは仰向けで寝ていたけど、頭の角がじゃまだからってうつ伏せにされた。
抱きついて寝てる。
えっと。裸じゃないよ。ちゃんと薄いワンピースみたいの着てる。黒いの。クロエの替え着を借りた。
で、半裸のグレイの胸に額の右側くっつけて鼻の気道確保している。
眠れない。
この頃この特等席?はシェリル専用になっていたみたいだけど、今日は別の部屋でリリス様に親子揃って夜の特別授業を受けるみたい。リーダさんもそっちにいる。
わたしは三日ほどリリス様の特別授業とやらを受けたから、今日はいいと言われた。
『そちらで仲良くゆっくりしな』って、リリス様に送りだされた。
初めは、とうとう〈わたしの初めて〉をこの訳のわからないグレイって男に捧げるのかな?
デモスが良かったな。
なんて思っていたけど、こいつ。
わたしに関心がない。
─肩透かしをくらった
小声でシロエに聞いてみた
「グレイさんて、何にもしないんですか」
「しない。して。ほしい。のに。しない」
「クロエ。にも。なにも。しない。しても。イイノニ」
後ろからクロエの声。
イチはちょっと聞きたいことがあった
「グレイさん。起きてるでしょ。少しお話ししても、イイですか」
「なんだ?」
「なんでクロエちゃんとシロエちゃんを抱きつかせているの?」
「アズラが……変な女だが、そいつが教えてくれた。
シロエとクロエは魔力の受信機みたいなもので溜まりやすいようだ。すぐに器一杯に溢れる。でも魔力の逃げ道がないらしくてな、そのままだったら暴走したりいろいろ大変らしい。
だが、オレはそんな魔力を吸収して無限に溜め込める器らしい。
オレに抱きついていれば、魔力が吸われ器に余裕が出来る。余裕が出来れば成長も早まるそうだ。
身体じゃなく魔法の力だな。なんか魔力が一杯の方が早く大きくなりそうな気がするが、そうではないと言われた。『コップに溢れそうな水を入れて早く走れない』『お腹一杯食べても思うように動けない』『なんでも八分目位が丁度いい』らしい。良くわからんが……」
そうなのか。リリス様がいっていた。
『人は偶然という我々はそれを必然と知る』
今のグレイさんの話が本当なら、このふたりがグレイさんに出会って奴隷になって、こうして離れられない絆で結ばれるのは必然だったのだろう。
それにしてもこのシロエという女の子。
きっと【白き教団】の女神の化身とやらなのではないのだろうか。
黒い人達。あんなに崇め奉っていたゼロ様が、奴隷になって幸せに生きているなんて知ったら、どんな顔しただろう?みんな死んだけど……。
それと魔力が一杯になるとどうなるのだろう?
「ねぇクロエ。魔力が一杯になったらわかるの?
どうなっちゃうの?」
「ネムクナル。おきて。イラレナイ」
そうか。それで透明な筒の中でずっと眠っていたんだ!
わたしもお腹一杯食べたら眠くなるし。
でも一杯になった魔力は、何処に消えた?
あの頃に暴走した気配は無かったし。
そしたら聞かずともクロエが答えをくれた
「ヨブンナ。まりょく。ドロドロノ。えきたいに。しんとう。する。えきたい。きんいろに。なる。そして。まりょく。かいふく。ポーション。になって。たかく。うれる。と。イッテタ」
あっ。そういえば最高級の魔力回復メガポーションに金色の液体が入っていた!魔力が全回復するヤツ。
わたしは魔力のポーションは使わないけど魔法使いの冒険者達、この頃魔力回復ポーションの値段が高騰していると言っていた!
魔力回復メガポーションを百倍に薄めたヤツが魔力回復ただのポーションだから、もしあの金色の液体が魔力回復メガポーションだとすればそれも繋がるよ!クロエいなくなっちゃったんだもん。供給かストップされちゃったんだもの、それは高騰するわな。
なるほどね~クロエちゃんは【黒き教団】にとって金の卵であり金のなる木だものね、そりゃあ崇め奉るよね!重要な資金源だからね。
そうそう……貴重なポーションの供給先が二つともダメになったと、道具屋のおっさん言っていたわ。
そのもうひとつが……シロエちゃんって訳か!
─そっかそっか
あの透明な筒の中の液体では、クロエの中で満杯の魔力から溢れでた分が液体に浸透して金色になっていた。
でもグレイさんはそこから更にクロエやシロエ本体からも魔力を吸収できる。
それで眠らないないでこうして日中元気でいられるんだ!
グレイさんて幼女を弄ぶ鬼畜外道じゃなくて、クロエの恩人だよ!ごめんなさいグレイさん。ロリ○ンだと疑ってて……。
違うの分かるよ。
わたしに全然興味ないもの。指一本触れようとしないし……でもちょっとはその気になっても……
『おしりくらいなら触らせてあげるのになぁ~』
っっってわたし!なに考えてんだろう!
あっ。ポーションといえば少し気になったことが……
「あの……クロエ?あの筒の中にいた時わたしオシッコその中でしていたけど、クロエはどうだった?」
「ウン。シテイタヨ」
やっぱり!大金払って魔力回復ポーションお買い上げのみなさんに教えてあげたい!
あなたの飲んでるのクロエのオシッコですよ!って
今度冒険したら魔力回復ポーション飲んでるヤツをさ。
ムフフフフフフフフフフフフフ
って曰くありげな眼差しで見てあげよう!
でもわたしもその筒の中にいたんだよね……自爆すぎて痛い。




