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わたしは抱き枕




……えっと……これはどういう……こと?……




わたしは空から落ちている。


高高度からの落下だ。


そしてわたしはお姫様抱っこされている。


デモスが底冷えする微笑をたたえてわたしを抱き、夜空を自由落下している。





──そう。数時間前のこと──





マルタさんの部屋から向かった先は、ダーレルの街の外れの丘の上。そこにデモスとリーダが待っていた。

執事デモスはわたしを見ると


「……ほう……」


とだけ呟き目を細めた。

そして巨大な獣に変身して私達を背中に乗せた。


私は空を飛ぶのは初心者だから、頭のほうに座り角を持たされた。

ドラゴンのような翼の羽ばたきと共に飛び上がり、デモスは空を飛んだ。


私はあまりの恐怖にガクブルしていた。


そしてデモスの背中ではリリスとリーダが裸になって、くんずほぐれずしていた。

ただでさえ酔いそうなのに、ふたりの姿態に目が回りそうになった。


リーダ。あのリンダの面影はどこにもなくなってた。


そういえばリリスは、わたしが勝ったら『可愛がってあげる』と言ったけど今、目の前で繰り広げられている、あんなことやこんなことをされちゃうのかな?


でも。リリスとリーダ。もう止めて。

なんか酔ったみたい


─気持ち悪いから……もう止めて


そして()めない()まらないふたりを無視して、わたしは嘔吐を必死に我慢していた





────そして今────





「着いたぞ」



デモスはそういうな否や巨獣モードから執事モードに変身した。

それは地面じゃなくて、空の上。


当然わたしは宙に投げ出される。


ゲロをぶちまける。


ただ勘で、下を向いてゲロったら自分に全部還元されるような気がして、そこは上手いこと避けられた。



そして気が付いたら、デモスにお姫様抱っこしてされていた。



以前のイヤイヤ抱っこではなくて、本当に包み込むように優しく柔らかく抱っこされていた。


そして着地。


ほとんど衝撃もなく、無事着地した。



でもわたしはお姫様抱っこされたまま


「あ……あのぉ……デモスさん……そろそろ下ろして……」


デモスはギロリと赤い瞳で睨む


─ひぃぃぃぃ!


わたしは無条件で怯える。

わたしは強くなり、相手の強さも以前よりは判るようになった。

そして以前のわたしはデモスからみればホントにゴミだった。

今もあまり変わらないけど……。

きっと強くなったわたしはデモスから見れば、以前のわたしとは五十歩百歩ってこと。

誤差の範囲ってことね。


それにしても扱いが違い過ぎる。

宝物のように……本物のお姫様のように抱いてくれている


『もしかして……あの時……デモスの冗談笑ったから……わたしを気に入ってくれて……』


リリスはいつもの紫のゴスロリメイド服を着てここにいる。

リーダは相変わらずの着てんだか裸なんだか分かんない格好をしていた。

しっぽの先が矢印のようになっていた。

すごく気になった


「リーダさん。すみません急に……しっぽの先。前からそうでしたっけ?」

「あら?本当だわ?尖ってますわ」



─いま気づいたんかい!アホか!



心の中では容赦ないツッコミ。

でもとても口に出せない。

このような一月前まではただの町娘1のモブキャラだったのに、今はホントに化物レベル。

どこでどうなったらこんなにも強くなれるのだろうか?


リリスわたしにも噛みついてくれたらよかったのに。

そしたら今よりも少しは良い女になれたかもしれない。


そしてリリス。


いつもへらへらしているけど、底無しの化け物。

ホントにヤバイ。

これで力が百分の一位に落とされたと聞いている。

もしホントの力が戻ったら、神話レベルだというのも頷ける


「あっ。それね。しっぽね。

ボクの眷属はね。ボクに可愛がって貰えると、ランクが上がるんだよ。で、さっきまでリーダを可愛がっていたでしょ。その時ランクが上がったのさ」


─そうなの?


納得は出来ないけどそんなもんか?と納得した


「それと!ちょっとちょっとちょっとデモスくん。

いつまで抱っこしてんのさ!怯えちゃってるよ!

明後日(あさって)のさ『果たし合い』で萎縮されたら困るんですけどー」

「このまま暫くこうしています。

行く先までは抱いたままで。

いいよなイチ」


「……はい……お好きなように……」


─断れるか!恐いわ!


リリスはそんなデモスに怪訝な顔を見せて


「なにがどうしてそんなにその子が気にいっちゃったわけ?もしかして君のクソつまらない冗談を笑ってくれたからかい?

そこんとこ。ドーヨ」


わたしの疑問をそのままぶつけてくれた


「いや。いくら冗談が通じたところでゴミ虫はゴミ虫。臭い害虫を抱きたいと思えませぬ」


─じゃあ?なんでよ?


「リリス様の匂いがします。

そしてリリス様の力がイチの中で強くなっております。

こうしているとまるで……ああ……リリス様を抱いてるようっ!」


─ハイハイソーデスヨネー


少しは期待したわたしがバカでしたー。



リリスに血を分けて貰ったからね!



これはあれですね。



わたし。



抱き枕!
















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