ボクが……こんなところで
リリスはぐるーっと辺りを見回した。
「はいはい皆さんこんばんわ。
そしてさようなら。
あっ。怖がらないで。殺す訳じゃないからね。
ショーが終わったてことさ!
そしてボクらは別件が有るけど、君たちは好きにしていいからね。
それとボクの100m以内には近づけ無いからそのつもりで……。邪魔されたく無いからね。魔法をかけといた。
それと今君たち軽くマヒしてるでしょう?
直ぐ様マヒを解いたらね、お漏らししちゃうかもしれないね。だからね、ちゃんと自分の栓は自分でしっかり締めるんだぞ!
でもその前に!」
リリスは両手のをパーの形に広げた。
その十本全ての指先にポッと青白い炎が灯る。
ぽっぽっぽっぽっぽっぽっぽっぽっぽっぽっ
指先からその炎が飛んでゆき、飛んだ先から復活し、次から次へと止めどなく夜空を埋め尽くす。
「さあ!お行き!君たちの体の所へ!」
そしてそれらが街の死体の上で燃え上がる。
ひとつの死体の上でにひとつの青白い炎。
「ハイハーイみなさーん!聞こえますか?
あれは鬼火って言います!
もとの宿主の魂が宿っていますよ!
鬼火自体は動くことも話すことも触ることも出来ませんが、ちゃんと今宵失くしたあなた方の大切な人は、あなたの話が聞こえていますよ!
後二時間ほどで夜が明けます!
そして日がのぼれば消えてしまいます。
それまでせいぜい別れを楽しんでくださいなぁあ!!
ボクからのプレゼントです!」
そしてリリスはマヒを解除し、群集は一斉にに動き出す。身内や知り合いの死体を探すもの。トイレに行くもの。寝るもの。様々。
何故か皆リリスがいないように扱う。
そして誰もリリスの方へは行かない。
そういう結界魔法を張ったのだ。
リリスはデモスの元へ向かう。
そこに仮面の少女がいるから。
デモスのすぐ近く。
仮面を取ったイチとニことニアナが抱き合っていた。
イチは先ほどのところに座ったまま。
ニアナは泣きながら、イチの頭を撫でている。
シとゴは仮面のまま、立ち尽くしている
「ハイハーイ。お取り込みのところすみませんが、ボクはその据わっているカワイコチャンに用事があるので、暫くふたりきりにして貰えませんか?
煮たり焼いたりはしませんよ!」
そしてニアナの首根っこを掴むとヒョイとゴのところへぶん投げる。ゴは慌ててニアナをキャッチする。
リリスはそちらを向き
「そこで大人しくしといてね!
ボクが用があるのはこの子だけ。
邪魔しないでね。
それとデモス」
「リリス様なんでございましょう」
「見えてたでしょう?リーダのこと。
リーダをさ、君、面倒見てくれる?
魔法や戦い方教えてやってよ!
でも男近づけちゃダメだかんね。リーダの初めてはボク。男の初めてはフェルだからさ。
デモスの出る幕も無いからね。
それとリーダ」
「な~に。リリス様ぁ」
「君の大事な穴塞いどいたからさ、ボクとフェル以外に変な気おこさないように!わかった?
じゃあデモスの肩にでも乗っててよ」
デモスは屈んでリーダを掴み、肩に乗せる
「さてと、いつまで座っているのカワイコチャン?
名前はなんて呼ばれているの?ホントは知ってんだけど、敢えて自己紹介して貰えるだろうか君?
……押し黙っていてもイイコトないよ。ボクだって暇だけど、こんなのに付き合ってるヒマはないの!
ほら。はやく!
ナ・マ・エ・ヲ・イ・エ」
目が据わるリリス
「イチ」
「なーんだしゃべれんじゃん!
ホントに脅さなきゃしゃべらないなんて、ボクをナメてんの?まっいいや!
で、イチ。裸になってくんない?」
「えっ?」
「魔族にとかしないよ!ただ君の裸に興味あるだけ。
ちょっと他の人と違うでしょう?
見せてくれる?何なら脱がせてあげようか?
早くしてよ!早く脱がないとそこの誰か殺しちゃうかもよ……」
イチは震えながら服を脱ぎだす。
ツナギの上下を脱ぎ、下着姿になる。
腕や足の太ももまで赤黒く変色しマダラ模様のようになっている。ただこれ以上肌を晒したくなくて躊躇している
「見られるの……イヤ」
うつむいて泣き出しそうだ
「なんだよイチ!腑抜けになっちゃって……君、知ってるよ!無抵抗な村人殺したんだろ?男も女も年寄もあ母さんもお父さんも子供も男の子も女の子も赤ん坊さえも殺しに殺しまくったでしょう?
それも真っ裸でさ!」
「なんで……知ってるの?秘密にしていたのに……サンだけ知っていたのに……」
驚くイチに詰め寄る
「ボク知ってるんだよね。君の記憶覗かせて貰った。
生まれてからずっと裸だったじゃない?
みんなに毎日じろじろ見られてさ。
なーーーーーんとも思わなかったじゃない?
ほんの二年前までは!
その赤黒い裸見られんのイヤなの?
ボクはそれが見たい訳よ!
君の意志とボクの願い。どっちが大事だと思う?
ボクの方だよね?
ボクの方が強いから……すぐに君を殺せ……あれ?なんだこれ……」
リリスの胸から刃がでている。
ニアナが刺し貫いたのだ
「うそだろ?……ボクが……こんなところで……」
リリスが胸を抑えながらヨロヨロとよろめく、その拍子に刃物は胸から抜ける。
そしてリリスはゆっくりとうつ伏せに倒れてピクピク痙攣している。
そして動かなくなった
カラン
ニアナは手に持った刃物を落とした。
そしてイチを力強く抱きしめた
「もう大丈夫だから。イチ。心配しなくていいよ。
もう脱がなくていいよ。
ママがずっと傍にいてあげるから……」
「……ママ」
ふたりは抱き合って涙を流している
「なーーーーーんてね!」
リリスは目を見開きニカッて笑った!




