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凄く嫌な予感


死の円舞団はいつしか五人になっていた。


団員の衣装は群青のツナギで共通。

赤い傷のある白い仮面を被っていた。



団長はサン。通称もサン。

仮面は縦三本の赤い傷。

35歳。ソードマスター。

かつて剣闘士として名を馳せた。

両刀使い。

顔に赤黒い傷がある。

拷問で顔の皮を剥がされた跡だ。


家族は妻ニアナと娘イチ



副長はニアナ。通称二。

仮面は縦横各一本の十文字の赤い傷。

28歳。女。弓使い。

接近戦ではダガーを使う。

ウェストがキュッと締まった抜群のプロポーションをしている。それはツナギを着ても変わらない。

疫病で片目は白濁し、全身にあばた跡がある。


サンの妻でイチ(養女)の母。



イチ。通称もイチ。

仮面は目の位置に真一文字の赤い傷。

11~12歳位。少女。

戦闘は手を刃物や鉤爪の形状に変化させて戦う。

足も変形する。

団員最強で《死の円舞団》の顔でもある。

体は赤黒きマダラ模様。


サンとニアナの娘。



シロー。通称シ。

仮面は真正面縦一本に短い横三本線の赤い傷。

25歳。男。アサシン。毒使い。

得物はカットラス。短剣。

刃に毒を塗って戦う。

シローを邪魔になった雇い主に毒を盛られた。

全身顔も含めて青黒く発疹がでている。


雇い主で育ての親は殺した。



ゴルロロ。通称ゴ。

仮面は真ん中を開けた放射状の五本の赤い傷。

18歳。男

巨体。2m50㎝もある。そしてガタイもいい。

背中に巨大な盾を背負う。

武器は拳。鉄製の籠手ガンレット。

手の甲の指の付け根辺り、拳頭(けんとう)に短いトゲがあり、殴りつける。並みの男程度なら顔が潰れる。

大きな魔物は盾で防御し動きを止め、他の団員に止めを刺してもらう。


あまりに力が強く、誤って両親を殴り殺してしまった。

悪魔の子として家ごと焼かれ上半身と顔に大火傷を負ってしまうも、一命を取り留めた。



皆並外れた戦闘力を持ち、そのあまりに凄まじい戦いぶりにこの《死の円舞団》のパーティー名は瞬く間に轟いていった。

いつしか血も涙もない者達とか、息をするように人を殺す。などと恐れらた。

実際彼ら一人一人の実績はそれに近いものがあったが、パーティーを結成してからは一般人は殺していない。



今回クリオ伯爵からの建っての希望で破格の報酬で依頼が来た。


まず、歓楽街ダーレル周辺の魔物の掃討。

そして帰りにアルネ村に寄り、宿屋兼食事処《跳ねる子馬亭》の女将マレーヌとその娘シェリルをクリオ伯爵の元へ連れて来ること。


ふたつ目は成功報酬で場合によってはそのアルネ村を地上から消しても構わないと言われた。


ここはダーレルから少し離れた臨時の駐屯地。

ここで派遣された兵士30命名と共に寝泊まりしている。


ダーレルの街中はギルドからの依頼で冒険者達が溢れ、兵士の街中の駐屯地も満杯になり、ここに落ち着いたのだ。

喧騒が苦手な死の円舞団からすれば、渡りに船な場所である。


「ねぇ。サン。アルネ村の依頼。

あれ本気でするつもり?わたし余り気が進まないわよ」


そう言うのは二。同じ人間として余り下衆な行為はしたくない。

クリオ伯爵の統治はまあまあの評判だが、女に関する噂はヒドイものだ。周りの兵士の言うように、アルネ村の母娘は親子で伯爵の慰み者にされるに違いない。


「いや。そのつもりはない。

場合によっては忠告して、クリオ伯爵の手の届かぬ所へ密かに逃がす積もりでいる。

事情を話し、もし母娘が御領主様の元へ参りたいと云うのならばその限りではないが、おそらくそれはないだろう」


とサンは言った。イチはそれを聞いて安心した。

もう村人や女子供は殺したくない。

サンはイチにあえて依頼の先々で村人や街の人達に触れあわせていた。皆自分達と同じように精一杯生きている姿を見せたかったのだ。

それは功を奏し、もはやイチは無闇な人殺しは出来ない少女になっていた。

そして自分が殺した者達へ申し訳ない気持ちで一杯だった。

サンは続けた


「クリオ伯爵は目的達成の為ならば手段を選らばない、もし今回我々が断っていたら別の形でその母娘は拐われていたかもしれない。

今回救出に辺り、兵士達と戦闘になるだろう。

あいつら程度なら戦闘不能にするのは容易い。

無闇な人殺しは避けるに越したことはないからな。

俺達はあまりにも人を殺し過ぎた。

そして皆、それを後悔している。

過去は変えられない。

だから俺達は俺達が殺した人以上の者達を助けていくと決めたのだ。

その方針は変わらないし、今後も貫くつもりだ」


皆力強く頷いた。



ダーレル周辺の魔物狩りは呆気無かった。ほとんど弱い雑魚ばかりだった。自分たちが出るまでもなかったが、仕事しない訳にもいかなかったので一応戦った。


2日目も同じようなものだった。

だが、一点だけ違うことがあった。


イチは嫌な感じに囚われていた


「イチ。どうした?震えているぞ。

どこか具合が悪いのか?それとも怪我でもしたのか?」


「ううん。それは大丈夫。

でも恐い。なんか凄く嫌な予感がする。」


サンの問にイチは答えた。



そしてその真夜中のこと……。



ゾワッという寒気と共に目覚めたイチは外に飛び出した!



街が燃えていた!



ダーレルの街が赤々と燃えていた!
















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