とてもいい名前だ
【R15閲覧注意!】
一般の市民へのグロい場面があります。
わたしは逃げていた。
みんなわたしを殺そうとした。
この広い世界の何処にもわたしの居場所はなかった。
──あの解放された日──
わたしは村を見つけた。
お花を摘んでいる女の子がいた。
声をかけた。
その子はわたしの事を見るとみるみる顔を歪めて
「キャーーモンスターーーーーーー!!!」
と叫んだ。
『ウルサイ』
わたしは黙らせた。
その女の子の頭が口を大きく開けたまま、足元にコロンところがった。
そこに村人達が駆けつけてきた。
手に色々な武器を持っていた。
三分後。
みんなバラバラになっていた。
村を歩いた。
ギャーギャー喚く小さな小さな子供がいた。
耳障りなので黙らした。
家のなかに入った。
中には大きな女の人に、小さな女の子と男の子がしがみついていた。
大きな女は
「あなたたちは逃げて」
窓から子供達を出し、鍋を持って向かってきてわたしの頭を叩いた。
わたしは叩かれてやったのだ。
大きな女は何度も何度も鍋でわたしを叩いた。
その間、わたしは自分の手を見ていた。
手の形を女が持っている鍋の形に変形させた。
大きな女は固まってわたしの手を見ていた。
わたしは何度も叩かれたお返しに、一度だけ叩いてあげた。
ボゴ
変な音がして女の頭半分が潰れていた
「逃げて……子供たち……愛してる……」
目と鼻と口から血を流して女は倒れて死んだ。
─ニガサナイ
わたしは窓から飛び出した。
すぐに追い付いた。
わたしに追い付かれると男の子は女の子を突飛ばして、その前に大の字の姿でわたしに立ちはだかった
「お母さんは?」
「頭半分潰れて死んだよ」
男の子は
わーーーーーーー!!!
っと叫びながらわたしに向かってきた。
わたしはこいつが気に入った。
「お前は生かしてやる」
そしてその男の子の目の前で
「お母さん……お兄ちゃん……」
と泣きじゃくる女の子の頭をお母さんと同じにしてあげた。
お兄ちゃんはそんな女の子の身体に抱きついて、泣き叫んでいた。
ズルイズルイズルイズルイズルイズルイ
─ミンナズルイ
わたしには泣いてくれる人なんていなかった。
わたしは群れてる村人を見つけたら、その中のひとりだけ生かして、後はそいつの目の前でみんな殺してやった。
─わたしのキモチ味わえ!
粗方村を片付けて、わたしは街道を進んだ。
街を見つけた。
わたしはわたしを止めた街の門番をバラバラにした。
それから街に入ると、目に付く者達から殺していった。
男も女関係ない。
子供も大人も同じだ!
─みんな殺してあげるわ
はじめはキモチ良く殺せてた。
でも、鎧兜の兵士達や、腕の立つなかなか殺せない者たちが集まってきた。
わたしに魔法や飛び道具で攻撃してきた。
わたしが攻撃しても盾で防がれた。
そいつらは強かった。
冒険者達と言っていた。
わたしは魔法の攻撃を受け、身体のあちこちに矢が刺さって、わたしは目眩がした。
わたしは逃げ出した。
でも、奴らは追ってきた。
どこまでもどこまでもどこまでも……。
わたしを殺せば一生楽に暮らせる[キンカ]が入るといっていた。
わたしは知った。
殺せばみんな殺しに来ると。
あまり人を好き勝手殺してはいけないと……。
でも、後の祭り。
もうどうしようもない。
わたしは逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて逃げた。
わたしの足は獣の形となり、森の中を駆けに駆けた。
そして……身体か動かなくなり倒れた。
目覚めたら、ベットの上で寝かされていた。
身体中白い布でぐるぐるにされていた。
矢は全部抜かれていた
「目覚めたか?」
大きな男はわたしに言った。男の顔は半分赤黒く変色していた。わたしの身体と同じように
「なぜ殺さない」
わたしは聞いた。殺したら殺される。
それを知ったばかりだ。[キンカ]がなんなのかは知らないが、わたしを殺せばそれが手に入るというのに……。
男はその問には答えずに聞いた
「なぜあんなことをした?」
「わからない」
なぜ?と聞かれてそう答えるしかなかった。
ホントわからなかった
─なぜあんなに殺したのだろう?
なぜ無抵抗な小さな子供まであんなに殺したのだろう?
わざと泣き叫ぶようにして「ウルサイ」と言って殺した。
そのまま通り過ぎても良かったのではないか?
何も目につく先から殺さなくても良かったのではないか?
黒い奴らを殺した時は嬉しかったが、だんだんと人を殺すのがキモチワルクなっていた。
なぜキモチワルイのかそれを知りたくて殺していたのかもしれない。
もうあまり人間は殺したくない……。
「人をコロスとキモチワルイ……もう誰もコロシタクナイ」
わたしはそう言った。
ゼロは絶対殺すが、本心からもう他の誰も殺したくないと思った。
殺し殺される世界はもういらない
「そうか……」
男はそう言って、わたしの身体の布をほどいた。
わたしは裸にされた。
赤黒く変色したマダラ模様のキモチワルイ体。
でも、男はそんなわたしの裸をみて嫌な顔はしなかった。
温かいお湯でわたしの身体を拭いてくれた。
優しく優しく拭いてくれた。
わたしの身体を隅々まで優しく宝物を扱うように、あのゼロがされたように、優しく優しく拭いてくれた。
わたしは涙を流していた。
ボロボロボロボロ止まらなかった。
「ゴメンナサイ」
わたしは呟いた
「ごめんなさい……もうしません……あんなこと……」
「……そうか」
男はそう言って、わたしをまた寝かしてくれた。
「もう少し寝ていなさい。もうすぐ温かいスープが出来るから、食べさせてあげよう」
「うん」
わたしは素直に頷いた。
「名前はあるのか?」
「イチと呼ばれていた……」
男はわたしを見て笑った
「イチ……とてもいい名前だ」
わたしも釣られて笑った。
わたしの全てが肯定された気がした。




