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跳ねる子馬亭


にこやかに出迎える美女。


歳の頃は三十半ばくらいか?


金髪に青い瞳。

優し気な笑顔を絶やさない落ち着きのある美人さん。

でっこびはっこびメリハリのある、なかなかいいプロポーションだがレーナのように露出が激しくない。

首元までキチンとボタン締めて、肌の露出をできるだけ抑えてある。

そして可愛いフリル付きエプロンで少し華やかさと明るさを演出!

カウンターから流れるように出迎えてくれた。


「いらっしゃい皆さん!えっと……」


少し戸惑っている。ガタイだけ立派でみすぼらしい格好のグレイと、それに付随している美少女三人。

いくら認識阻害ネックレスを付けているとはいえ、こうしてお客様の数を数えたりして改めて認識すると、ある程度は効果は薄れる。

女主人にとってはただの一般人三人が急に美少女になった感じ。しかもグレイのみすぼらしさにはこの三人のメイドはそぐわない。

どうにもちぐはぐな感じがする。

戸惑うのも無理はない。


「部屋はひとつでいい。オレは冒険者だ。一週間ほど魔物狩の拠点にしたい。金は前払いする。

食事は朝・夕はここで食う。昼食は簡単でいいから弁当にしてくれるか?」

「はい!喜んで!食事の件は承りました。部屋は一部屋では狭いでしょう?料金は一部屋分で結構ですから二部屋分ご用意できますよ」


グレイは少し考えて……


「ベットのサイズは?」

「一部屋はダブル。もう一部屋はシングルでごさいます」


「では、ダブルの部屋一部屋でいい。ソファーがあればそこで一人寝る。

バラバラには出来ない」

「そうです……よね。それなら大きめなソファーがある丁度よい部屋があります。そこにいたしますか?

それとも部屋を確認してからお決めになりますか?」


女主人はきっと、ダブルベットに少女三人。ソファーにグレイを想像したと思う。

実際はダブルベットにグレイとシロエとクロエ。ソファーには夜中徘徊して朝方帰るリリスが寝る所。

寝る時、自分の体を拘束してからルルワになる。

この拘束はリリスには自在に解けるが、ルルワには解けにない。しかも眠ったまま起こされるまで起きないという素晴らしい機能つきだ。

もちろん何かしら危険が迫れば、リリスに強制変身して拘束を解くので、何の心配もいらない。


「いや。そこでいい。それと料金は二割増しで払う。

その代わり夕食は定時に帰れないので、その時々で準備して貰うことになる。酒は飲まないので、安心してくれ。酔って暴れたりはしない。それと場合によっては宿泊日数を延ばすかもしれない。

その時は事前に知らせるし、それももちろん二割増しの前払いだ!」


「ええ。大丈夫でごさいます。

なんならずっといてほしいくらい……。

これは冗談ですけど、ホントにそんなに良くして貰って良いのかしら?」

「ああ。構わん。

その代わり客が少ない時はここで寛がせて貰う。

それと……シロエはミルク。クロエはブラックコーヒーをお茶と食事の時は準備してほしい。

その分もちゃんと前払い分に加えて請求してくれ。

出来れば弁当の時も持って行きたい。

オレとこいつは水でいい」


始めに白と黒の少女を目線で差し、それから紫の少女を見た


「妾は果実酒が良い。火照った体でまぐわ……」

「黙れ!」


ルルワが危ない単語を量産しそうになったので、奴隷への強制で黙らせる


「何でしたら、そこの紫の娘さんには葡萄ジュースがよろしいのではないかしら?それなら沢山ごさいます」


ルルワはウンウンと頷いて、グレイにエロっぽい目線を送る。グレイは背をむけて


「ではそれで頼む」


そして料金を前払いして、シロエとクロエに荷物を部屋に持っていかせ、グレイとルルワはカウンターに落ち着いた。ルルワはあまり使い物にならない。


そこへ


「ただいまぁー。あら。お客さんだ!

それに……凄い美人さん……」


入って来たのは15歳くらいの少女。薄金髪の可愛い系の美少女。胸の膨らみは母の遺伝子を受け継いでる。明るく朗らかな感じに好感がもてる。

その少女の目はルルワに止まったまま動かない


「ん?どうしたそなた。妾の顔に何かついておるのかの?」


少女の熱い眼差しに答えるルルワ


「ごめんなさい。こんなに綺麗な人初めてで……世の中こんな凄い美人さんが居るんだって驚いちゃった」

「ういやつ。お(ぬし)みる目があるの。

名はなんという」


「シェリルです。あなたのお名前は?」

(わらわ)か?妾はルルワじゃ。女神じゃな。人類初めての女じゃ。今はこんなじゃが、本当はもっと魅惑的な体なのじゃぞ」


訳の分からない発言に固まるシェリル


「はあ……」


そこへグレイが口を挟む


「こいつちょっと変わっていてな。旅ばかりしてるから妄想癖があってな。気にしないでくれ

よかったら村を案内してくれないか?いつでもいいから……シェリルちゃんだっけ?こいつ友達いないんだ」

「ええ。喜んで」


そして母を見る


「一時間くらいなら、遊びに行ってもいいわよ。くれぐれも村から外へ出ないように……よいかしら……えっと……」

「グレイだ。お願いする。

オレは暫くここで寛いでいるからな、楽しんでこい。

それからいい男見付けてもふらふらついて行くなよ!」


シャリルは嬉しそうに笑うと、ルルワの手を取った


「さっ行きましょルルワちゃん!」

「ちゃん?!ちゃんじゃと!妾をなんと心得る!わら……」


「うるさい!いいからさっさと行けルルワちゃん!」

「主よ!汝までそれをいうか!まあよい。仮初めじゃ。

こういう趣向もはじめてじゃ。堪能せねばなるまいの」


そう言って二人は手を繋いだまま、店を出ていった


「あの子もこの辺りにあまり同年代の子供がいなくて……あんなに嬉しそうに……良かった。

私マレーヌといいます。マーレとお呼び下さい。グレイさん……」


「ああ。マーレさん。暫くご厄介になる。

よろしく頼む」

「頼まれました!グレイさん」


マーレはグレイに微笑みかけた。

グレイは決まり悪そうに……


「すまない。葡萄の果実ジュース。オレに一杯貰えるか」


そう小さな声で催促した。













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