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なるほど美人だ


リリスはビーストモードで真夜中の森を駆ける!


目指すは森外れで野営している約30の人間の軍勢。

人と接触することはなるだけ禁止のリリス。

だけど……。

何か面白そうな気配がして、駆けに駆けた!


─みぃ~つけた


森の脇の少し開けた空き地にテントが並ぶ。

そして視認できる位置で身を隠す。

三人の哨兵が道の両側に配置されている。計6人が見張りだ。


その片方。焚き火を囲みながら、二人がぺっちゃくっている。


「あーかったりー。次の交代までまだ半分かよ!こんなん見張りしてもさ、魔獣共も流石に襲わんだろ?」

「まあな。魔獣も強さが判るというしな。兵士の俺たちは安全だろうて」


三人のうち一人は、話しに加わらず立って見張りをつづけている


「なあ、俺たちダーレルの街の警備をしたら、また戻るんだろ?聞いた話しによると帰りにわざわざ遠回りしてアルネ村に寄るらしいじゃねぇか?

あんなチンケな村なぞ放っておいて、早く帰りてえよな?シェラちゃん暫く抱いてねぇし……」

「そんな娼婦の名前出して、お前はそれしかないのか?まあ。気持ちは判るがな。

そうそうアルネ村には宿泊もできる食事処があってさ。そこの女主人の噂を御領主様が聞き付けてよ、まあ、いつもの病気が発症した訳だよ」


ふたりは焚き火の炎を眺めた


「病気ねぇ。じゃその女主人。余程の上玉か?」

「ああ。そうらしい。だがそれだけじゃない。

今年15歳になる娘もいてよ。それもなかなかいい感じらしくてな。

母娘ふたりまとめてご所望らしい。

同じベットで可愛いがりたいそうだ」


聞いた男は顔をしかめた


「そりゃあ。そういう親子どんぶりは一度は憧れるかもしれねぇが、実際やろうとするヤツがいるとヘドがでるな。

例え御領主様だろうとそれは変わらねぇ」

「違いない」


今度はふたりして臭い顔をする。

手当たり次第女を漁る領主の噂は、近隣に鳴り響いている。もちろんダメな方でだ。


「だが、その話しは断られたはずだぞ」


見張りをしていた男が口を挟み続けた


「その女主人は、冒険者の旦那にベタ惚れで貞節と食事処の留守を守っている話だ。

その旦那も間もなく帰って来るって話を聞いたぞ」


「ああ。その話な?それは事実だ。

だが、どういう訳か旦那はもう帰らないそうだ。だから御領主様が御迎えを寄越したそうだ。

俺たちがぞろぞろ行く理由がそれよ。

もし、その母娘が御領主様の元へ向かうならよし、だが断れば……村が一つ地上から消えるって話よ」


「俺は村のガキなんか殺したくねぇぞ。俺にも女房やガキがいるからな。まっぴら御免だ」

「その為にホラ……」


男は視線をあるテントに向けた。そこだけ黒いテントが並んでいる


「人殺しが何より好きな連中さ。女子供だろうが容赦ねぇ。

むしろ弱者をいたぶるのがご趣味だそうだ。

それに滅法腕が立つ。

たった五人だが、百人力らしい。

ダーレル周辺の魔物の討伐もそいつらがやって、俺達はただの実績作り。高みの見物だ。

まあ。あと十日後くらいかな?アルネ村へ向かうのは……」



『いいね!いい事聞いた!面白そうだ』

その話を聞いて、リリスは不気味に笑った。


『フェルはけっこうお節介焼きだからね。この話を聞かせたらどんな反応みせるかな?

上手くいけば、こいつらみんな殺せるかもしれない。

兵士って奴らは群れると更に強くなるからね。久しぶりに人殺しできそうだよ。

それに……同じ御趣味の連中も……ボクがそいつらを味わい尽くしたいね』


そう言うな否やリリスは踵を返し、常闇の中へ消えていった……。





それから五日後。





グレイ達一行はアルネ村にいた。


今は昼間。

全身灰色の小汚ない格好をした偉丈夫。

グレイ。

その左右。右側にはピンクのゴスロリメイド服を着た白い髪の美少女シロエ。左側には黒いゴスロリメイド服の黒い髪の美少女クロエ。

どちらも12歳くらい。

そして後ろをキョロキョロしながらついでに来るのは、紫のゴスロリメイド服、クロエのお姉さんのようなこれまた美少女のルルワ。

こちらは15歳位。


男一人に美少女三人。連れだって歩けば誰もが振り返りそうだが、皆グレイのことは胡散臭げにみるが、美少女達には目もくれない。

これは赤い髪の少女アズラから貰い、少女達三人の首に掛けてあるネックレスの影響である。

このネックレスを掛けた者は、他人からの記憶に残りにくくなる。

誰かいるのは分かるが、普通の一般人的にしか認識されないのだ。


「のう?のう?(あるじ)よ。

ここはけったいな村だの?

早くこんな村なぞ後にして街へ行こうの!

年寄りと女ばかりで妾の好物がおらんでの!」


そうのたまうのは、黒い髪で紫のメイド服のルルワ。

先程からずっと目線で男漁りして、めぼしい者が見当たらずがっかりして『こんな村いやじゃ』とうるさい。


「お前それしかないのか?能無しルルワ」

「うるさいわい。早く抱いてくれろ!抱けばよいのじゃ抱けば!」


そうこうするうちに村を抜け、丘を下り、少し離れたところにポツンと建物がたっていた。


「なんだか懐かしい感じがするな」


それは先日後にした猫人族のレーナとチーナの母娘が経営していた《にゃんころ亭》に佇まいや雰囲気が良く似ている。


二階建てでけっこう大きい!

一階が食事処。二階が宿泊所も兼ねているのだろう。

でもレーナの店よりは新しくて綺麗だ。


そう。ここがグレイ達が目指していた食事処



【跳ねる子馬亭】



カラン


「いらっしゃいませ~お食事ですか?それともご宿泊ですか?それとも冷やかしですか?

どれも大歓迎なのでごゆっくりしていってくださ~い」




そこにいた女主人は……なるほど美人だ。










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