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赤い髪の少女アズラ


「おいシロエ。クロエ。

このあたりになんかあるそうなんだが、心当たりあるか?」


グレイ現実に戻り、黒と白の美少女に尋ねる。


「ますた。だれに。おしえて。もらった」

「カイン?それともアベル?」


「セトだ」


白黒二人が一様にしかめ面をする


「なんだ?セトが何かしたか?」


「せと。もし。わたし。ますたの。どれいじゃ。なかったら。まほうで。おとなにして。たべちゃう。といった」

「ワタシモ。いわれた。ふたり。いっしょに。たべるって。でも。ほんとには。たべない。あんしんしろと。クロエ。あんしん。デキナイ」


グレイも苦い顔をした


「あいつらみんな変態糞やろうだからな」


「あら、その中に私も入ってて」


グレイの指輪のひとつが光り、15歳くらいの少女が現れた。髪は赤毛でおかっぱ頭。体型は良好だが、胸はお椀くらい。赤い膝下まであるワンピースを着ているが、両サイドにはスレッドが入り、脚線美を惜しげもなくさらしている。


「お前もに決まっているだろ。アズラ。実の兄セトと夫婦なんだろ?て言うかお前ら六人揃いも揃ってきょうだい同士で結ばれやがって気持ちわりーんだよ」

「あら?仕方ないじゃない。あの頃人類は私たちきょうだいしかいなかったのですもの。その私たちが結ばれたからこそ、貴方たちもこうして生を受けたのでしょう?まさかお父様やお母様とは出来ませんもの」


そしてアズラはさりげなくグレイに抱きつくと


「別に私達は人の倫理観に染まって居ませんからね。誰とでもどんな場所ででも欲望に正直よ。

そんな変態糞野郎のあたしをそんなお兄さまから取り上げて、傍に置いたのはどこのどなただったかしら?

それに……。

お父様とどうこうしないのも、魂の組成が変化する可能性があるから……ただそれだけよ」

「なんだよそれ」


アズラはグレイに舐めまわすようなキスをした


「どう?あなた私がすきでしょう?

より神に近い父様と交わってしまったら、私が私でなくなるってこと……。

そうなったらあなた寂しいでしょう?

何なら今からあなたと交わりましょうか?あなたのその使用不能なもの私なら治せてよ」


「余計なことするな!これは自分で何とかする」


「ふーん。まあいいけど……もし私が欲しくなったらいつでも呼んでね。あなたの望むどんな女にでもなってあげるから。あの金髪の愛しの君にでもなれてよ」


そう言い残して、アズラはまた指輪の中に吸い込まれていった


「何しに来やがったんだ。あのアマ」


デロデロ舐めまわされた口の周りを、さも汚そうに拭う


「ますた。あそこ。ひかってる」


シロエが指差した先には、半ば土に埋もれた巨大なドームの遺跡があった


「アソコ。アズラの。まりょく。かんじる。きっと。おしえて。クレタ」


「あいついつも回りくどいからな」


グレイ達三人は遺跡へと向かい、ドームの内部に入る。

その壊れた瓦礫の一部が緑色に光っている


「マスタ。マカセテ」


クロエが光を覆っている瓦礫に手をぶっ刺した。

ぶっ刺す寸前、手は黒いトゲとなった。


「ボン」


瓦礫はクロエに内部から壊され、粉々となった。

今度はシロエが右手をかざし


「ちれ」


唱えるや否や瓦礫の細かい欠片が飛び散り、緑色に光るものが露になった。

それは地下へ通ずる隠し扉であった


「ここだな。シロエ開けられるか?」

「ん。まって。しらべる。あけられる。なら。あける」


シロエは床の緑色に光る扉に手を置いた。


「さーち。ん。かんたん。できそう。かいじょ。ひらけ」


扉が外側へ開き、地下へと続く階段が現れた


「クロエ。レディファーストだ。お前が先に行け」


女の子に先行させるヒドイ男グレイ


「アイサ。クロエ。さき。イク」


クロエはどんどんと躊躇なく進む。

グレイとシロエが後に続く


「ランタン」


クロエが唱えると、体から三メートルほど離れて上空にオレンジ色の光源が出来る。

遺跡内部が照らされる。

何処までも大きく螺旋を描きながら、地下奥底へと続く石段。奥はまだ見えない。


クロエの五メートル前を先導して、クロエそっくりな黒い少女が歩いている。黒いというより真っ黒だ。

質量もあり、物理攻撃に限るが戦闘力も持ち合わせたクロエの分身。シャドウだ。


こうして先行して罠などを事前回避しているのだ。

オレンジの光を放つランタンも勝手についてくる。


そして、下層へとたどり着いた。


横に大きな扉がある。


「シロエ。この門あけられるか?」

「ん。まかせて。さーち」


右手を門にかざして、構造をみている


「わかった。これ。だみー。へやの。おく。たからばこ。あるけど。どうする?」

「その宝箱回収すれば、普通の奴らはダンジョン攻略したと浮かれて帰るんだろうが、オレにはシロエがいるからな。良くやった。隠し扉見つけろ。宝箱は後回しだ!」


「アイサ」


シロエは嬉しそうにこの階層全体にサーチをかけた。

すると、目の前の扉のまん前。つまり足元に隠し扉があった。普通は離れた所の壁などにあるのだが、すぐ足元に隠し扉があるなんて誰も気付かないだろう。


そして隠し扉もシロエが解除して、クロエのシャドウが先導して下へ下へと潜っていく。そして



「ほう。これはすごいな」



だだ広い空間にでた。

そしていかにもいわくありげな五メートルほどの巨人像が、五体もある。


「お約束だな」


その五体の巨人の目が光り、ゆっくりと動き出した!
















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