愉しみましょう
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諸事情に暫く投稿は控えます。
今はストックを貯めているので、再開までお待ちください。
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[屋根裏の聖女様]はストックがあるので、そのまま連載続けます。宜しかったらそちらを読んで頂けると嬉しいです。
「いやぁ~君はすごいねぇ~。
今のいままで3日3晩抱き合って愛し合っていたのに、いきなり首をグキリだからね。
予測不能で楽しくなるよ」
「こうなりたく無かったら、ここから出せ!
今出せば、楽に殺してやる」
レイハルトはセトへと最後通告した。
セトは動じず片眼鏡をクイッとあげて
「それは困ったね。
残念ながら君にボクは殺せないよ」
「どういうことだ!」
「こういう事よ」
レイハルトが後ろを振り向くと、首が折れたままのジュリエッタが立ち上がってこちらを見ている。ジュリエッタはダランと垂れている頭を両手で持ち、元へ戻す
「……どういう事だ?確かに俺が殺した筈……」
何事も無かったように微笑むジュリエッタに、レイハルトは思わず後退りする
「これは……夢か?……」
「夢じゃないわよ。
ただ……わたしは不老不死なだけ。首を跳ねようが心臓を貫こうが、火だるまにしようが私は死なないわ。
ううん……死ねないって訂正した方が良いわね。
なんなら試してみる」
「ほい。レイハルト君。これをあげるよ」
セトは、何時の間にか持っていた片手剣をレイハルトへ差し出す。レイハルトはそれをひったくると、問答無用でセトの首を跳ねた。
緑の髪の男の首はニコニコしながら宙を舞い、当たり前のように体に戻って繋がった。傷跡はもう無い
「てっきりそこの女の首を跳ね飛ばすと思っていたけど、ドッコイ、そうきたか!
でもこれで分かったよね。ボクも彼女と同類。
君たちからしたら神と呼ばれる存在さ。
でもどちらかといえば、疫病神みたいなものだろうけどね」
「…………俺をどうするつもりだ」
「どうもこうも……殆んど終わったようだし……後はもう少し時間を掛ければ君は自分が何者か、思い出すと思うよ。あっ『俺は帝国の皇太子レイハルト某だ!』なんてのは止してくれよ。
つまらないし下らないからね」
「ねぇ。レイハルト」
ジュリエッタが背中に抱き付く
「そこに鏡が有るから、覗いて見たらどうかしら?
面白い事になっているわよ」
抱き付いたまま綺麗な指先を、壁に嵌め込んである大きな鏡を指した。人が三人くらいなら余裕で全身が映りそうだ。
レイハルトはジュリエッタを振りほどくと、鏡の前に立った
「これは?誰だ?」
鏡に映るレイハルトは、見慣れた金髪碧眼の姿では無かった。灰色の髪に、瞳が白と黒のオッドアイに変化している。右目の瞳はグレイの縁取りがされている
「これは……俺なのか?……」
「そうよ。それが貴方。
貴方が自分で拵えた姿ね。
思い出さない?
『人は正義も悪もない。ただ自由だ』
そう言った貴方は自分で自分の姿を、こんなアンバランスな顔に変えたの。
元々は銀色の髪で翡翠のような瞳を好んでいたのに、エルフと間違われるのが嫌でその姿に成ったのよ」
「言っている意味が分からない……俺にはそんな記憶が……ない」
レイハルトは混乱している。
顔の構成がそのままなのに、色が違うだけで別人に見える。それなのに……不思議な事に、こんな自分を当たり前のように受け入れている自分がいる。
何故か……しっくりくるのだ
「おい!女!」
レイハルトは偽ジュリエッタの顔を鷲掴みした
「潰されたく無かったら、お前の正体を現せ」
ギリギリと握力に力をいれる
「あらヒドイ。本気で潰す気なのね。
でも……そんなに邪険にしなくても教えてあげるのに……」
ジュリエッタの髪が赤く染まり、ショートボブ。身体も華奢な細身の裸体で股のモハモハも赤い。
胸は小振りながらしっかりと綺麗な形を保ち、自己主張している。
レイハルトが手を離すと、女は赤い瞳を細めて微笑んだ
「お久しぶりね。わたしの名はアズラ。
肉体を持つ六柱の神の一柱よ。
そして……フェルと呼ばれたあなたの前世で、わたしは何時も貴方の妻だったわ」
「妻?我が妃となるのはジュリエッタだけだ……」
「だから、前世の貴方と言ってるじゃない。
少し落ち着いて説明するわ。でも裸のままじゃ目移りしちゃうわね」
ピュー♪
口笛を鳴らすとアズラは真紅のワンピース姿に変化する。スリットから白い足が覗いている。その白く妖しい眩しさに、レイハルトはゴクリと思わず唾を飲み込み、バツが悪そうに目を背けた。
気が付けばレイハルトも灰色のローブを着ていた
「いつの間に……。だが随分と汚ならしい色だな」
「お気に召して何よりですわ。綺麗で豪華な衣裳にすると貴方が元の鞘に戻れると勘違いするかと思ってね」
「俺が皇太子では無くなるということか?」
「さあ。どうでしょう?
どちらかと云えば『皇太子では居られなくなる』かもね。貴方の今の見た目は、かつて帝国相手に戦争を起こした魔王そのものでしょう?
果たして貴方をあの高貴な皇太子のレイハルトとして受け入れてくれるかしら?
いずれここから出してあげるわ。
その時に真っ先に愛しのジュリエッタ姫に会いに行かせてあげる」
「ジュリエッタなら受け入れてくれるさ……」
レイハルトは鏡に映る自分の姿を見た。
この姿を鏡で確認して以来、何故か目の前のジュリエッタに変化していたアズラ、神だと語る魔女を憎めなくなった。
何度殺しても飽きたらない筈なのに、何故かアズラの姿を見るとジュリエッタに対する愛おしさとは違う、懐かしさと欲望を感じてしまう
「あら?現金ね」
アズラの目は、レイハルトの股の布越しの膨らみに注がれていた
「折角服を着たばかりなのに、またわたしたち愛し合わなければ成らない宿命のようね」
ピュー♪
口笛で二人はまた裸体になる
「さあ。フェル。来て。
300年振りに、このアズラの姿をした私と愉しみましょう」
アズラはフェルと呼んだレイハルトをベッドへと誘導した。




